「不景気」や「老後貧乏」というネガティブな表現がなされる時代の中で、自助努力の一環として安定した資産運用をはじめたいと考えている方も多いと思います。
実際のところ、投資初心者におすすめの投資方法に「積立投資」という投資方法があるのですが、積立投資は、あらかじめまとまった投資資金を必要とせず、投資についての知識がなくとも始めやすいといった大きなメリットがあります。
また、実際にどうやって、積立投資をやっていけば良いのか、ざっくり知りたいと感じている方におかれましても、本記事の運用方法を最後までお目通しいただくことで積立投資の基本的な部分をしっかりとマスターできる内容となっています。
本記事では、積立投資を行っていく上で、積立投資で資産形成をするには、どのように資産運用をしていけば良いのか、毎月いくら、どのファンドを購入したら良いのか、資産運用の途中で、何かしなければいけないことはあるのか、積立投資をいつ解約(売却)すれば良いのかなどといった多くの疑問を解決できる内容についてわかりやすく紹介していきます。
1. 積立投資の基本的な運用はプロが運用してくれるため手間がかからない
積立投資が投資初心者におすすめの理由の1つに「積立投資の基本的な運用はプロが運用してくれるため手間がかからない」ことがあげられます。
積立投資で取り扱う投資信託には、国内や海外の株式および債券が詰め合わせて作られており、たとえば、日本株式のファンド(投資信託)を購入した場合、そこには三菱東京UFJグループ、NTTグループ、トヨタ自動車、ソフトバンクグループなどの株式が詰め合わせて入っているイメージになります。
これらの株式の種類や銘柄は、実際に購入する投資信託の商品説明書を見ることで、どの国のどのようなものへ投資するのかについて誰でも簡単に確認することができます。
そして、実際に投資信託を購入した場合、株式や債券が詰め合わせられた1つ1つを売ったり、買ったりする必要があるのか?といった疑問が生じてくると思われますが、わざわざそのようなことをする必要はありません。
購入した投資信託の運用は、ファンドマネージャーと呼ばれるプロの専門家や運用会社が行ってくれるため、私たち投資家は、購入した投資信託の1つ1つの銘柄を管理したり運用する必要はありません。
つまり、結果として手間も時間もかからないことになります。
なお、本項の詳細につきましては、以下、同サイト内でより詳しく解説しておりますので、そちらのページを確認いただくことをおすすめ致します。
参考:積立投資とは?投資初心者が月500円からスタートできる簡単な投資方法
選ぶファンド次第で運用方針(目標)が違う
ファンドとは、「投資信託」のことを指し、実際に私たちが購入するファンドは、大きく「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の2つに分けることができます。
この2つのファンドの大きな違いとは、「どのような資産運用を目指していくのか?」といった投資目標の違いにあります。
たとえば、インデックスファンドは、「市場平均」という目標(ベンチマーク)を目指して運用されることになり、具体的なインデックス(指標)には、以下のようなものがあります。
- 東証株価指数(TOPIX)
- 日経平均株価
- ダウ平均
- NASDAQ総合指数 など
上記インデックスの他にもまだまだたくさんの指標となるものがあるのですが、ここでは多くの方が見たり聞いたりしたことがありそうなものを集めてみました。
仮に「日経225インデックス」というファンドがあったとしますと、日経225(日経平均株価)と同じ値動きを目指して運用する投資信託といった意味になります。
一方、アクティブファンドにつきましては、この市場平均を超えることを目標として運用される投資信託のことを言います。
つまり、インデックスファンドは、平均点を目指して運用し、アクティブファンドは、平均点越えを目指して運用するということになります。
当然のことながら、通常は、インデックスファンドよりもアクティブファンドの方が高い運用成績を目指すことになるため、運用が上手くいくことによってアクティブファンドの方がインデックスファンドよりも多くの運用益が期待できることになります。
ただし、アクティブファンドはその分、インデックスファンドに比べて手数料が高く、細かな調整が必要になるといったデメリットがあるため、積立投資を初めてする方向けの適切な投資手法とはあまり言えません。
さらに、これまでの運用益の関係性を踏まえますと、実際に販売されているアクティブファンドの中で、インデックスファンドの運用成績を超えているのは「3割程度」であり、長期的、かつ、確実に資産形成を目指すなら、やはりインデックスファンドがオススメです。
参考:積立投資ではインデックスファンドを複数組み合わせるのが王道
2. 毎月の積立額は、あなたの目標金額次第
仮に、先に解説したインデックスファンドで積立投資を行っていくにあたり、「毎月いくらずつ積み立てていけば良いのか?」といった疑問を持つ方も少なくないと思います。
実際のところ、この積み立てる金額とは、「あなたがどれだけの資産形成をしたいのかによって決まることになる」ため、それによって毎月積み立てていくべき金額が異なってくることになります。
ここでは1つの例として、老後のために積立投資で資産形成をしようと考えているものと仮定し、仮に年金の支給が開始される65歳までに3,000万円の資産形成をするためには、いくら積み立てていく必要があるのかといったことについてシミュレーションしてみました。
65歳までに3,000万円の資産形成をする場合、毎月いくら積み立てる必要があるのか?
→投資の利回り ↓投資を始める年齢 |
0.01 | 0.03 | 0.05 |
---|---|---|---|
25歳から | 50,857円 | 32,395円 | 19,659円 |
30歳から | 59,686円 | 40,455円 | 26,406円 |
35歳から | 71,492円 | 51,481円 | 36,046円 |
40歳から | 88,062円 | 67,263円 | 50,377円 |
45歳から | 112,968円 | 91,379円 | 72,987円 |
50歳から | 154,548円 | 132,174円 | 112,238円 |
55歳から | 237,812円 | 214,682円 | 193,197円 |
参考 楽天証券シミュレーターより試算
上記表のように、「いくらの資産形成を目指し」「いつから積み立てるのか?」によって、毎月積み立てる金額は変わってくることになります。
現在(平成29年7月現在)の各種法令を踏まえますと、一般的に年金の支給開始年齢である65歳から男女の平均寿命までに必要とされる老後のお金は「約3,000万円」と言われており、この金額を用意するのに「長期間」「継続」して行う積立投資は、非常に向きの投資手法であることは確かです。
参考 積立投資の投資額は目標金額から逆算して決める。若ければ少額からでもOK
参考 老後用に3,000万円を貯めるには積立投資がオススメ!老後のための資産形成方法
積立方法によって、毎月の積立額も変わる
積立投資で毎月お金を積み立てながら運用していく方法には、「ドルコスト平均法」と「バリュー平均法」という2つの方法があります。
「ドルコスト平均法」とは、毎月決まった金額で投資信託を購入し投資する方法のことを言います。
ドルコスト平均法を利用することによって、「基準価額(投資信託の価値)が低い時は、多くの数(口数と言います)」が買える一方、「基準価額が高い時は、少ない数」しか買うことができません。
積立投資を続けていく中で、毎月一定金額の投資信託を継続して購入し続けることは「ドルコスト平均法」で投資信託を購入していることにあたり、長期的に購入単価を見ると「平均購入単価」が安くなるメリットが得られます。
一方、「バリュー平均法」とは、市場の変動に合わせて投資信託の購入金額を変えていく方法になります。
たとえば、購入する投資信託の価格が下がった時は、購入金額を増額し、価格が上がった時には購入金額を減額する方法をいい、このように積み立てることによって、積立投資の効果をより一層高められる効果が期待できます。
ただし、投資初心者であったり、投資に時間や手間をかけたくなかったりするのであれば、毎月一定額を積み立てていくドルコスト平均法のほうがシンプルで、わかりやすいため、オススメです。
参考 長期の資産形成をするなら「ドルコスト平均法」で積立投資!
参考 積立投資の運用方法「バリュー平均法」のメリット・デメリットを解説
余裕ができたら、積極的にスポット購入を
先に解説したドルコスト平均法で、毎月一定額を積み立てていく場合、それだけでも資産形成をすることができますが、積立投資に慣れて、さらに効率よく資産運用をするのであれば、随時、追加で投資をしていく「スポット購入」も一策です。
仮に、ボーナス(賞与)が入ってお金に余裕があるときや、市場価額が下がっている(と思われる)ときには、追加で投資信託を購入することで、より多くの口数を買い、資産を増やしていけることに繋がります。
参考 積立投資と一括投資はどっちがお得?2つの投資方法を徹底比較
3. 年1~2回はリバランスをすることで、資産分散を調整しよう
積立投資で毎月投資を継続していくと、時の経過や市場の動向などによって株式や債券の値上がりや値下がりによって、保有している資産配分のバランスが変わってきてしまいます。
先に解説しましたように、積立投資は、ほとんど運用する手間がかからないというのが1つのメリットである一方で、時の経過と共に資産配分のバランスが変わることで、安定したリターンが継続して得られない可能性が生じてしまう場合があります。
このような資産配分のバランスを整え、常に安定した運用益を得るためには、「リバランス」という調整を1年に1回から2回程度行う必要があります。
リバランスというのは、保有しているファンドの株式や債券といった投資比率が必要以上に上下変動することによって、当初、積立投資で運用益を上げるための資産配分のバランスが崩れてしまった場合に、その資産配分のバランスを整える方法のことを言います。
リバランスのイメージは、以下の通りです。

積立投資を継続して行うことで1年後の投資割合が以下のように変化した場合、当初設定した投資割合に戻すことを「リバランス」と言います。


もちろん、利益が出たファンドを売らずに、資金を追加投入して投資信託を買い増しすることで、分散のバランスを整えることもできます。
投資信託の価格(特にインデックスファンドの価格)は、1ヶ月で急激に変化することは考えにくいため、1年に1回から2回程度の頻度でリバランスをしながら、安定した資産形成をしていくことが安定した運用益を出し続けるための大きなポイントになります。
参考 積立投資におけるリバランスとは?方法とタイミングを解説
リバランスをする手間も省きたいのであればバランスファンドを
初めて積立投資を行う方で「リバランス」といった専門的なことを解説されて不安に感じられる方も多いのではないでしょうか。
当然のことながら、安定した資産運用をするためには、リバランスをすることが欠かせませんが、そもそもリバランスをする手間をかけたくない、難しいことは無しにして欲しいという人もいるはずだと思います。
このような考え方をお持ちの方には「バランスファンド」という投資信託を購入して積立投資をするのもありです。
バランスファンドとは、国内および海外の株式や債券がバランス良く配分されたファンドのことで、コレ1つを購入することでバランスの良い安定した分散投資をすることができる投資信託になります。
バランスファンドの更なるメリットとして、先に解説したリバランスもプロの専門家がやってくれるため、投資家は何も手を掛ける必要がなく、積立投資を続けることができる点があります。
そのため、極端な表現ではありますが、「ほったらかし」でもバランスファンドであれば安定した資産運用が行えることになります。
ただし、バランスファンドは、インデックスファンドに比べると、運用会社に手間がかかることになるため、コストの1つである信託報酬が高く設定されている特徴があります。
しかしながら、投資初心者や投資に時間や手間をかけられない人にとってみますと適しているファンドと言えるでしょう。
参考 積立投資に手間と時間を掛けたくないならバランス型ファンドを選択すべし
4. 売却タイミングは自分次第!基本は目標金額に達成するまで積立を
積立投資は、長期の資産形成に向いている投資であることから、当初設定した目標金額に達した場合や子どもの大学進学や結婚費用など、将来お金が必要になった時期が到来した場合に保有している投資信託を売却して換金して良いものになります。
つまり、売却(解約)するタイミングは自由であり、「もう売りたい!お金にしたい!」と思ったタイミングで売ってもよい一方で、長期的な資産形成とまとまった運用益を得るためには、基本的に「短期間で売却すること」や「目標金額に達成するまで」は、できる限り売却するのを避けるべきだと考えられます。
この理由として、積立投資は複利のパワー(複利効果)と長期間継続投資といったおもな2つの強みで資産を増やしていく投資方法であるため、短期間で保有している投資信託を売却してしまうと、十分な運用益を得ることができず、結果として思い描いている資産形成をすることができない可能性が高くなってしまいます。
もちろん、資産形成をしていくときに、購入したファンドの価格がどんどん下がっていくと、気持ち的には不安になると思います。
しかし、先に解説した「ドルコスト平均法」で毎月一定額を投資していれば、価格が下がったときには、それだけ多くの口数を購入することができ、最終的に時間をかけて値上がりをしたときには、結果として大きな利益を生み出すことができるわけです。
リーマンショックで大きく値下がりをしたときでも、ずっと積立投資をし続けていた人は、最終的にはプラス収益を出すことができているという事実もあることから、積立投資というのは、値下がりにも強い投資方法であり、最終的には値上がりすることを期待して運用するものであると考えることもできます。
そのため、目標としていく金額に達成するまでは売却することなく、粘り強く継続して積立投資を続けることが大事になります。
参考 積立投資は儲かるの!?積立投資が儲かるタイミングと損するタイミング
5. まとめ~積立投資の運用方法をまとめてみた。投資方法・途中での調整方法・売却タイミングなど~
本記事では、積立投資を行っていく上で、積立投資で資産形成をするには、どのように資産運用をしていけば良いのかといったポイントを幅広くまとめて解説させていただきました。
積立投資の運用方法、投資先(ファンド)、投資額、積立額、途中でやるべきこと(スポット購入やリバランス)、売却タイミングなど、一連の流れについて大まかな要点を解説したことによって、ざっくりでもその内容について知ることができたのではないでしょうか。
投資初心者に方や積立投資についての知識があいまいな方は、そもそも積立投資ってどのような投資なのか、基本的な部分を知ってから、本記事の運用方法を活かすことが順番としては正しいと考えます。
参考 積立投資とは?投資初心者が月500円からスタートできる簡単な投資方法
本記事は、積立投資で毎月一定額を投資しながら大きな資産を構築する方法について解説しましたが、おそらく簡単で自分でもできそうという感覚を持ってもらえたと思います。
同サイト内には、積立投資を初めて行う方に最適な情報についてたくさんのことが掲載されておりますので、基本的な部分から順に時間をかけて読み進めていただくことをおすすめ致します。
ちなみに、積立投資の始め方は以下のページで詳しく解説しています。
これから老後の生活費など、将来のために資産形成を始めようと考えている方は、ぜひ読んでくださいね!
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