積立投資を若者(特に20代)におすすめの理由に、「手元にまとまったお金がなくとも少額から始められる」ことや「長い時間をじっくりかけてより確実な資産形成ができる」ことがあげられます。
これは積立投資に限ったことではありませんが、「その情報、もっと早い内に知っておきたかった」ということを、様々な状況で感じたことはないでしょうか。
実のところ、この状況にピッタリあてはまるのが、「若者が早い時期から積立投資を始めること」になります。この理由は、若い内から積立投資を長期間かけて行うことで、より多くのお金を増やすことができる可能性が飛躍的に高まるためです。
時間だけは取り返すことができません。過去にさかのぼってやり直すことができないからこそ、一生涯の時間が多くある若者にとって積立投資は、効果的に資産を増やすことができる極めて有効な投資手法となるわけです。
実際問題として若者の収入は低い傾向にあります。働いている職種や職業などによって違いはありますが、若いうちは給料が安いのが普通です。また、ここ最近では未婚の割合が増え、結婚する人も晩婚化の傾向にあります。「自分は結婚しないから」「まだ家族がいないから」と将来のお金のことを真剣に考えていない人も多いはずです。しかし、確実にやってくる将来に備えて、多くのお金を持っておくことや資産形成を何かしらの形で行っておくことは、若者に限らず全世代に共通している課題であることは確かです。
冒頭が長くなってしまいましたが、このような諸事情を踏まえましてこのページでは、若者こそ積立投資をはじめるべき理由について分かりやすく解説していきます。
1. 20代の若者こそ、資産形成をするのに一番有利な立場にあります
20代はライフイベントが盛んな世代とされています。例えば以下のようなものが考えられます。
- 大学などを卒業して社会人になる世代
- 結婚して人生が変わる世代
- 親になって人生観が変わる世代
- 夢のマイホームを持つ世代
人によって個人差があるものの、20代で社会人として働き始めるのは、おそらくほぼすべての方に共通していることと言えるでしょう。そして、将来訪れると予測される「結婚」、「子育て」、「住宅購入」といった大きなライフイベントに早くから備えることができる世代でもあります。
仮に大学を卒業して22歳から就職し、30歳で結婚するとした時、この約8年間にどのようなお金の運用をしたのかによって自分の資産(お金)に大きな開きが生じます。
以下、一例として「月々1万円を0.1%の金利で8年間積み立てた場合(貯金)」と「積立投資で月々1万円を利回り1%で8年間運用した場合」の最終的な違いをまとめてみました。
項目 | 積立預金 | 積立投資 |
---|---|---|
元本 | 960,000円(1万円×12ヶ月×8年) | |
8年後の最終金額 | 963,063円(税引き後) | 999,012円 |
差益 | 3,063円 | 39,012円 |
1万円を8年間どのように運用したのかによって上記のような差がでることが分かりました。ここで着目すべき点は、差益ではなく「運用方法」です。
20代の若者が将来迎える結婚、子育て、住宅購入といったライフイベントに備えておくためには、積立預金も大切ですが、積立投資を行うことも極めて効果的です。いわば将来のお金を増やすための守りと攻めを同時に行う柔軟な発想を身に付け実践するべきなのです。
リスクを恐れずに積極的にお金を運用し将来に差が付けられる若者世代が正に20代であり積立投資のように「長期の時間」と後述する「分散投資」を有効活用して大きな運用益を上げられる一番有利な立場が20代なのです。
銀行に預けるだけでは、資産は増えない
上で説明した積立預金と積立投資の運用結果の表からも分かりますように、残念ながら銀行にお金を預けるだけでは将来の資産を増やすことは極めて困難です。
しかし、貯蓄という名の資産形成をする上で欠かすことのできない積立預金は社会人になったらすぐにでも始めるべき資産運用であることは間違いありません。
おそらく日本人の多くが「資産形成=貯金(銀行での定期預金)」と考えています。貯金だけの資産形成をしている若者が多いと思いますが、やはり今の時代においては、これだけでは不十分です。
※毎月1・3・5・10万円を金利0.01%で65歳まで定期預金したときの将来的な貯金額
→貯金額 ↓投資を始める年齢 |
10,000円 | 30,000円 | 50,000円 | 100,000円 |
---|---|---|---|---|
20歳 | 5,412,146円 | 16,236,437円 | 27,060,728円 | 54,121,456円 |
25歳 | 4,809,593円 | 14,428,778円 | 24,047,964円 | 48,095,927円 |
30歳 | 4,207,341円 | 12,622,023円 | 21,036,705円 | 42,073,410円 |
35歳 | 3,605,390円 | 10,816,171円 | 18,026,952円 | 36,053,904円 |
40歳 | 3,003,741円 | 9,011,222円 | 15,018,703円 | 30,037,406円 |
45歳 | 2,402,392円 | 7,207,175円 | 12,011,958円 | 24,023,916円 |
50歳 | 1,801,343円 | 5,404,029円 | 9,006,716円 | 18,013,432円 |
たとえば、月々1万円を25歳から65歳までの40年間において、金利0.01%でこつこつ貯め続けた場合における最終的な金額は「4,809,593円(税引き前)」となり、元金4,800,000円に対する運用益(利息)は「9,593円(税引き前)」です。
定期預金は元本保証される最大の強みがあるものの、40年間で9,593円の運用益は、さすがに「長期間」という時間を非効率的に活用したと言わざるをえません。さらには、過去に戻ってやり直すことのできない貴重な時間をこのような運用に回してしまったことに後悔してしまうかもしれません。
10年後・20年後の将来を見据えた積立投資を検討してみる
多くの20代の若者は、今を楽しく全力で生きていると思います。
これは、決して悪いことではなく、ぜひそのような悔いのない生き方を続けてほしいと心から思います。
そして、できることなら今を楽しく全力で生きている中で10年後・20年後の将来を見据えた積立投資の検討もしてほしいものです。
たとえば、22歳から10年後の32歳時には、結婚して子育てに奮闘しているかもしれません。22歳から20年後の42歳時には、住宅購入をして住宅ローンの返済をしながら将来の子どもの教育資金を貯めているかもしれません。
これらの予測は個人差があることから決して正解とは言えませんが、予測できる可能性が高いライフイベントに対して、早い時期から効果的に準備できる資産形成方法が積立投資です。
仮に予測通りにいかなかったとしても、積立投資に運用したお金は、後の将来のどこかで必ず活きてきます。いつお金が必要になったとしても、稼いだ運用益の分を取り崩して活用できる積立投資は20代の若者には最適な投資手法と言えます。
2. 積立投資を若者へオススメする3つの理由
積立投資を最大限に活かすための要素に若者が関係する理由について本項では解説していきます。
具体的には、「少額から投資を始められるから続けやすい」「長期に渡って複利のパワーを活かせる」「分散して投資すれば、安定した資産運用ができる」という3つの理由があげられますが、それぞれの理由について詳しく解説していきます
少額から投資を始められるから続けやすい
20代は一般的に、まだまだ収入が少なく、安定しているとは言えない世代です。そのため、日常的に使うお金から投資へ回すお金を大きく捻出するのは難しい方が多いと思われます。
一方で20代は、将来を考え、少ないながらもコツコツと堅実にお金を貯めている方が多い世代でもあります。
このように考えると、お金の運用方法をほんの少し工夫するだけで飛躍的に運用効果が高まる予測が十分成り立つことになります。たとえば、今まで10,000円預金していたものを「預金5,000円」「積立投資5,000円」という感じで分けて運用してみるだけで高い運用効果が期待できるわけです。
積立投資は、少額から始められるからこそ「可能な工夫」であり、収入が比較的低い20代でも継続して投資を続けられるメリットがあります。
現在では、インターネットを利用した「ネット証券」において、最低500円から積立投資を始められるサービスも展開されています。前述した例のように5,000円でも投資に回すのが厳しいという方であれば、まずは試しに500円から積立投資の雰囲気を感じ取ってみるのもよいでしょう。
長期に渡って複利のパワーを活かせる
積立投資のメリットを解説するにあたって「複利効果」を欠かすことはできません。
複利効果の解説につきましては、当サイト内の「積立投資は長期間続けてこそ資産が増えていく。短期間での解約はオススメしません」からそのまま引用して紹介します。
年 | 単利(円) | 複利(円) | 差(円) |
---|---|---|---|
1年 | 1,030,000円 | 1,030,000円 | 0円 |
2年 | 1,060,000円 | 1,060,900円 | 900円 |
3年 | 1,090,000円 | 1,092,727円 | 2,727円 |
4年 | 1,120,000円 | 1,125,509円 | 5,509円 |
5年 | 1,150,000円 | 1,159,274円 | 9,274円 |
10年 | 1,300,000円 | 1,343,916円 | 43,916円 |
15年 | 1,450,000円 | 1,557,967円 | 107,967円 |
20年 | 1,600,000円 | 1,806,111円 | 206,111円 |
25年 | 1,750,000円 | 2,093,778円 | 343,778円 |
30年 | 1,900,000円 | 2,427,262円 | 527,262円 |
単利運用とは、当初の元本100万円に対して常に年利率3%の利息が付される運用方法のことを言います。つまり、「100万円×3%=3万円」が毎年、固定で加算されることになります。
1年目・・・100万円(元金)+3万円(利息)=103万円
2年目・・・103万円(元金)+3万円(利息)=106万円
3年目・・・106万円(元金)+3万円(利息)=109万円
上記の計算例のようにお金が増え続けるのが単利運用の特徴です。
一方、複利運用(複利効果)とは、元本と利息に対して常に年利率3%の利息が付される運用方法のことを言います。
1年目・・・100万円(元金)+3万円(利息)=103万円
2年目・・・103万円(元金)+3.09万円(利息)=106.09万円
3年目・・・106.09万円(元金)+3.1827万円(利息)=109.2727万円
上記の計算例のように利息も元金に含めて運用されるため、単利運用に比べてお金が多く増える特徴があります。積立投資は、先に長期間という時間を有効活用すると解説させていただきましたが、100万円の元本を年利率3%で30年間、単利運用した場合と複利運用した場合の差額は「527,262円」という結果になりました。
同じ運用条件であったとしても、運用方法選び1つで大きな影響を与えていることが確認できたと思います。積立投資で運用成績を確かなものにするためには、長期間を有効活用した複利効果が必要不可欠です。
20代の若者の立場からしますと、積立投資をより長期に渡って行うことができるため、結果として早い時期から始められることは、より大きな複利効果を得られることになるわけです。
分散して投資すれば、安定した資産運用ができる
先に紹介したような1万円の預金を預金5千円と積立投資5千円に分けて運用するのも1つの分散投資と言えます。
分散投資とは、1つの金融資産に偏った運用をするのではなく複数の種類の金融資産でバランスよく運用することで、より安定した資産運用ができることを意味します。
実際のところ、積立投資で取り扱う「投資信託」は、国内外の株式や債券の詰め合わせのため、あらかじめ分散投資がされており、長期的に安定した資産運用がしやすい特徴があります。
投資をする最終的な目標は「運用益を上げる(お金を増やす)」ところにありますが、それぞれ積立投資に対する考え方は異なるところです。上記図は、ほんの一例ですが、自分の考えに合った投資割合を見つけることが大切です。
なお、こちらは参考となりますが、初めて積立投資を始めるのであればバランスファンドかインデックスファンドを購入してみるのがオススメです。
参考:初心者は「インデックスファンド」を購入することをおすすめします
3. 毎月3万円ずつ積立投資をしたときの、最終的な資産額を計算してみた
積立投資が20代の若者に向いている運用方法であることがご理解できたところで、実際の運用効果を検証し紹介していきます。
ここでは、月々3万円を公的年金が支給される65歳まで長期に積立投資を続けた場合におけるシミュレーションをそれぞれの利回りごとに比較しております。
※実際に、毎月3万円ずつ65歳まで積立投資をした場合、どれくらいの資産が形成できるかを計算してみた。
→利回り ↓投資を始める年齢 |
1% | 3% | 5% |
---|---|---|---|
20歳 | 20,448,659円 | 34,211,189円 | 60,793,119円 |
25歳 | 17,696,744円 | 27,781,785円 | 45,780,605円 |
30歳 | 15,078,986円 | 22,246,910円 | 34,082,773円 |
35歳 | 12,588,846円 | 17,482,107円 | 24,967,759円 |
40歳 | 10,220,103円 | 13,380,235円 | 17,865,291円 |
45歳 | 7,966,837円 | 9,849,060円 | 12,331,010円 |
50歳 | 5,823,420円 | 6,809,181円 | 8,018,668円 |
55歳 | 3,784,496円 | 4,192,243円 | 4,658,468円 |
積立投資において、年利回り1%から3%は、一般に低リスクと呼ばれます。
仮に25歳から65歳まで40年間、月々3万円を年利回り1%の低リスクで積立投資したとすると最終金額は「17,696,744円」になるといった見方になります。
この時のポイントは、老後の資産形成といった目的で考えるのではなく、将来においてお金が必要になる時のために早い時期から積立投資で運用するという考え方になります。
たとえば、独身の時に3万円ずつ積立投資を行い、結婚した後は1万円に減額して積立投資を続け、子どもが誕生した場合や住宅購入した場合にさらに5千円に減額して積立投資を続けるといったように、その時々のライフイベントや状況に応じて積立投資を継続しながら長期間運用することが大きなポイントです。
また、結婚資金や住宅購入資金の頭金をはじめ、子どもの大学のための教育費用といったように、ある程度まとまったお金を取り崩す際にも積立投資は利用でき、ケース・バイ・ケースではありますが運用益の範囲内で取り崩す工夫も時には必要です。
積立投資は「複利効果」「長期間」「分散投資」の3つの効果を賢く活用できることが大きなポイントになりますが、ライフイベントに応じたフレキシブル(柔軟)な対応ができる強みがあることも知っておきたいポイントです。
5. ハイリスク・ハイリターンの株式・FX・CFDなどの投資は安定性が低いのでオススメしない
「投資」は、余ったお金の範囲で行うことが最低条件です。
そして、一般にハイリスク・ハイリターンとされる株式・FX・CFDなどの投資は20代の若者にとってみますと全体的に安定性が低いのでオススメできません。
独身の20代であれば「リスクを取ることができる」のは紛れもない事実ですが、重要なのは「リスクの取り方」です。
たとえば、積立投資で安定運用しつつも「投資の割合を値動きが激しい新興国の株式を多めに設定する」などのリスクを取って多くのリターンを狙いにいく方が正しいリスクの取り方と言えるでしょう。
あくまでも「複利効果」「長期間」「分散投資」の3つの効果を賢く活用できる方が積立投資で成功する方であり、あせらずにこつこつ積み立てている方が結果として「勝つ」と思われます。
6. まとめ
積立投資は若いうちからはじめることで有利になることがこのページを通じてご理解できたと思います。一般に収入があまり高くない若者からしますと投資に回せるお金も少ないため、少額からはじめられる積立投資は、最初の投資きっかけとしてスタートしやすいと思われます。
また、これから訪れる「結婚」「子育て」「住宅購入」「教育資金」「老後設計」といった大きなライフイベントに積立投資の投資元金や運用益が有効に活用できることもご理解できたと思います。
これらのイベントに合わせて、積立投資金額を増減することができるほか、儲けた運用益を取り崩すこともできますので、それぞれの事情に合わせてケース・バイ・ケースで賢く活用して頂くことをおすすめ致します。
まずは、実際に積立投資を始める一歩を踏み出して経験するところから始めてみることも合わせておすすめ致します。試しにネット証券の月々500円や1,000円の積立投資ならば気楽に始められることでしょう。
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