積立投資の投資額は目標金額から逆算して決める。若ければ少額からでもOK

何か新しい事を始める時は、きっかけや目標が必要となります。投資であれば、「積立投資なら1ヶ月500円から始められる」と聞くと、「500円くらいならちょっとやってみようかな」と思うのではないでしょうか。

投資を始める1つのきっかけとして500円から気軽に始められるというのは大切です。とにかくやってみなければ何も始らないからです。ただ、さらに重要なのは「65歳までに1,000万円のお金を確保する」といった目標金額を決めることです。目標金額を最初から決めておくことはとても大切なのですが、残念ながら目標金額を定めずに、なんとなく積立投資をしている人が多い傾向にあります。

そこでこのページでは、投資初心者の方でも始めやすい積立投資を例に、毎月の投資額と目標金額を設定する方法についてくわしく解説していきます。住宅購入や老後の資金などについて気になる人は、ぜひ参考にしてください。

積立投資は毎月一定額を投資していく投資方法です

積立投資とは、投資信託(ファンド)を毎月一定金額購入し、資産形成をする投資方法のことをいいます。毎月一定額(例えば、毎月1万円のように一定の金額)を購入するということは、価格が安い時は多く買うことができ、価格が高い時は少なく買うことができることになります。

実は、このような買い方が積立投資の最大の特徴であり、「1口あたりの購入単価が低く抑えられる方法」で一般に「ドル・コスト平均法」と呼ばれます。

さらに積立投資は、毎月一定額を一度設定しておくことで、自動で買い付けしてくれる仕組みになっていることから、値下がりや値上がりを気にする必要がないため、心理的にも余裕を持つことができます。

このような2つの大きなメリットがあることから、積立投資は、初心者が始めやすい投資であるといわれています。

積立投資なら最低500円から投資を始めることができる

積立投資が初心者でも始めやすい理由は、前項で解説した2つのメリットだけでなく、”まとまったお金が無くとも少額から始められる”ことも大きく関係しています。

現在、インターネットで投資信託を購入することができる、いわゆる「ネット証券」では、最低500円から積立投資が始められる特徴があり、積立投資の初心者には、非常に始めやすい仕組みとなっています。

多くの人は「投資はお金持ちしかできない」というイメージを持っているはずです。つまり、投資を始めるには最低でも数百万~1千万円くらいのお金を用意しておく必要があるというイメージです。しかし、この考え方は、どちらかといえば株式投資をやろうとした場合のことです。

積立投資は、まとまった自己資金が無くとも500円や1,000円といった少額から始められるメリットがあります。このことから投資を始めやすく、長期間に渡ってじっくりお金を増やしていきたいと考えている方には向いている投資方法になります。

目標金額にあわせて積立投資をしていこう

積立投資は、長期間という時間を最大限に活かすことができる投資であり、「何歳までに何千万円のお金を確保する」といった目標金額を最初に決めることが大切です。

たとえば、老後の生活資金が年金だけでは不安なので、年金が支給開始になる65歳までに3,000万円用意しておきたいという目標金額を設定したとします。この時、積立投資を始める年齢や投資額によって目標金額に達するまでの利回りが必然的に算出されることになります。

次項では、積立投資を始める年齢と3,000万円という目標金額を達成するための利回りの関係について表にまとめて解説していきます。

65歳で3,000万円の資産形成をするための毎月の積立額を計算してみた

日本人の平均寿命は男性が83.14歳、女性が88.47歳となっています。男女によって平均寿命に違いはありますが、原則として65歳から支給が開始される公的年金とは別に、豊かな老後生活をおくるには夫婦で3,000万円程度のお金が必要といわれます。

ただ実際のところ、人によって価値観には違いがあるため、「豊かな老後生活」とは何なのかを定義するのはとても難しいことです。ですから一概に「豊かな老後のためには3,000万円必要だ!」と括ってしまうことは適切ではないでしょう。しかし、ここでは一般的に言われている3,000万円という金額を65歳までに資産形成をするにはどうしたら良いのかを計算してみます。投資年数と月々の投資金額を計算してまとめたのが次の表です。

いつから投資を始め、毎月いくら投資をすれば65歳で3,000万円の資産ができるかを計算

投資を始める年齢 平均的な利回り
1.00% 3.00% 5.00%
25歳 50,857円 32,395円 19,659円
30歳 59,686円 40,455円 26,406円
35歳 71,492円 51,481円 36,046円
40歳 88,062円 67,263円 50,377円
45歳 112,968円 91,379円 72,987円
50歳 154,548円 132,174円 112,238円
55歳 237,812円 214,682円 193,197円

※楽天証券「積立かんたんシミュレーション」を使って算出。

上記の表は、あくまでも積立投資だけで65歳までに3,000万円を用意する場合のシミュレーション結果です。
そのため、この表だけをみると投資額が高めの設定となり、かなりハードルが高いように感じてしまいます。

仮に65歳までに3,000万円を用意するという目標であれば、退職金や、貯蓄額なども考慮しなければなりません。しかし、その人により状況が異なるため、ここで積立投資だけ65歳までに3,000万円を準備するためのシミュレーションをしました。

このような理由から、老後の資金を積立投資で確保するには、まずは早い段階で積立投資を無理のない範囲内で始め、状況に応じて投資額を変更するなどの対策が必要になります。焦る必要はまったくありませんので、無理をする積立投資だけは避けるように心掛けて下さい。

積立投資をするためのお金を作るには?

積立投資は、まとまったお金が無くとも始められ、さらに少額から始められる投資であることは先に解説した通りです。つまり、極端な例えではありますが、お小遣いの範囲内で始められる手頃な投資であることが分かります。

初めて積立投資を始める前には、自分が投資できる金額を確実に見極めることが必要になります。具体的には、以下の2つの条件を満たしていることが求められます。

  • 余裕のあるお金の範囲内で積立投資を行うこと
  • 5年や10年など、しばらく使う予定がないお金であること

ざっくり言うと、1ヶ月の手取収入から生活費や貯蓄などを差し引いて余ったお金の範囲内で積立投資を始めてみるのがベストな選択肢です。

この時、余ったお金を全額積立投資に回すのではなく、まずは無理のない範囲内で「お試し感覚」で始めることが大切になります。

積立投資がどんなものなのかという雰囲気や流れを把握し、慣れてきたらいよいよ目標金額を達成するために投資金額を少しずつ上げていきましょう。また購入する金融商品の利回りを考えながらバランス調整(リバランス)といった本格的な対策をしていく必要があります。

なお、1ヶ月の余裕資金がない方やギリギリの生活を強いられている方は、積立投資を含めた投資全般は行わないようにして下さい。

この場合、まずは、自己の資産形成がしっかりと構築することを最優先で考えなければならず、たとえば、お金の専門家であるFPへ積立投資も含めた総合的なプランニングをしてもらうのも一策でしょう。

積立投資をはじめるために考えて欲しい4つのステップ

これまで解説した内容を4つのステップにまとめて分かりやすく解説していきます。
ステップ1からステップ4までの手順に沿って実行していただければ、積立投資を始めるにあたり効率的にお金を運用していけると思います。

【ステップ1】何のために、いつまでに、いくら必要かを計算してみる

はじめに、積立投資の「目標金額」を決めておきます。

たとえば、子どもが産まれたので、大学の費用として「18年後に800万円を用意する」といった目標や、住宅購入の頭金として「7年後に600万円を用意する」といった大まかな目標金額を決めておきます。

積立投資は、長い時間をかけてじっくりと資産形成をする投資になりますので、「将来に向けたお金の確保」を前提とした目的で活用するべき投資方法です。そのため、短期間で大きなお金を得たいといった目的には適していない投資方法であることも念頭に入れておくようにして下さい。

【ステップ2】毎月いくら投資に回せるかを考えてみる

次に、積立投資へ毎月いくらお金を回すことができるのかを考えます。

できる限り、現在の貯蓄額から積立投資に回すお金を捻出するのではなく、1ヶ月の手取収入から1ヶ月にかかる生活費や貯蓄などを差し引いて、正味余ったお金の範囲内で積立投資を始めてみるのが安全でベストな選択肢です。

たとえば、夫婦共働きで手取収入が40万円、生活費等の支出が25万円、貯蓄が10万円だとすると正味余るお金は5万円になります。あくまでも目標金額や世帯状況によって選択肢が異なりますが、この5万円の内、積立投資は3万円程度に留め、2万円は何かの時の臨時的な支出に備えておくなど、工夫が必要になります。

ポイントは、余ったお金で積立投資を行うことであり、毎月の貯蓄は、将来や何かの時に使うお金であるからこそ、今ある貯蓄から投資へ回すことは、リスクを回避するという意味を踏まえますとあまり適切な選択とは言えません。

確かに、このページでは貯蓄から一部を投資へ回す方法も紹介し実際の積立投資の1つの方法であるのは紛れもない事実ですが、現在のご時世を考慮すると、正味余ったお金の範囲で積立投資を行うことが安全であり、貯蓄が、万が一の損失リスク回避策になっている訳です。

【ステップ3】現在の資金で、いくらまで資産を増やせるかをシミュレーションする

ステップ1で目標金額を設定し、ステップ2で1ヶ月に積立投資に回せる金額が確定しました。ステップ3では、目標金額を達成するための利回りをシミュレーションして確定させます。

たとえば、子どもが産まれたので、大学の費用として「18年後に800万円を用意する」といった目標金額を決めて、月々1万円ずつ積立投資に回すとした場合、いったいいくらの利回りで運用したら良いのかといったことを考えていかなければなりません。


参考 モーニングスター金融電卓を下にシミュレーション

シミュレーション結果から1ヶ月1万円を18年間で800万円にするには、「12.4%」といった利回りが必要である結果になりました。利回りが大きければ大きい程、リスクが高くなる見方ができるため、この場合、リスクが高すぎることから再度検討する必要があります。

あくまでも目安となりますが、「利回りが8%を超える場合」は、積立投資に回すお金を再度見直す必要や目標金額を見直す必要性があります。

ここでは、積立投資に回すお金を月々1万円から2万円に引き上げて再度シミュレーションしてみます。


参考 モーニングスター金融電卓を下にシミュレーション

月々の積立投資の投資額を1万円から2万円に変更したことで、利回りが「6.3%」とより現実味を帯びた運用ができる結果となりました。それでも利回り6.3%は、全体的に高い利回りです。リスクを伴う積極的な運用をしなければ目標金額を達成することができないと考えることもできます。

仮に積立投資で安定した資産運用と低リスクを求めのであれば、バランスファンドかインデックスファンドがオススメです。バランスファンドやインデックスファンドの利回りは大体「3%程度」を想定して計算することができます。

なお、老後の資金を貯めたいと考えている人が、積立投資を年金が支給開始となる65歳まで利回り3%で運用した場合の一覧表は以下の通りです。

積立投資を65歳まで利回り3%で運用した場合

何歳から積み立てるか? 積立金額
10,000円 15,000円 20,000円 25,000円 30,000円 50,000円
20歳から 11,403,730円 17,105,595円 22,807,459円 28,509,324円 34,211,189円 57,018,648円
25歳から 9,260,595円 11,123,455円 14,831,273円 18,539,091円 22,246,910円 37,078,183円
30歳から 7,415,637円 8,741,053円 11,654,738円 145,68,422円 17,482,107円 29,136,844円
35歳から 5,827,369円 8,741,053円 11,654,738円 145,68,422円 17,482,107円 29,136,844円
40歳から 4,460,078円 6,690,117円 8,920,156円 11,150,196円 13,380,235円 22,300,391円
45歳から 3,283,020円 4,924,530円 6,566,040円 8,207,550円 9,849,060円 16,415,100円
50歳から 2,269,727円 3,404,590円 4,539,454円 5,674,317円 6,809,181円 11,348,634円
55歳から 1,397,414円 2,096,121円 2,794,828円 3,493,535円 4,192,243円 6,987,071円

たとえば、現在30歳の方が65歳までの35年間(420ヶ月)に毎月10,000円を利回り3%で運用した場合に得られると予測される金額が7,415,637円ということになります。

この一覧表からわかることは、年齢が若い時から長い期間をかけて運用する程、多くのお金を得られるということです。なお、シミュレーション金額のため、絶対的な金額ではないことをあらかじめご了承下さい。

【ステップ4】毎月コツコツと積立投資をしていく

積立投資で目標金額を達成するためには、毎月コツコツと継続して積立投資をしていくことが重要です。

たとえば、プロ野球やJリーグの試合をイメージしてみますと、1シーズンを通じて勝ち負けを繰り返し最終的に多く勝ったチームが優勝するといった流れですが、積立投資もこのイメージとまったく同じです。

つまり、積立を始める年齢によって積立投資をする期間に違いはあるものの、長い期間をかけて運用損益が上下変動し最終的な投資期間終了時に目標金額に達成(優勝)していれば良いわけです。

投資で常に運用益を上げ続けることは不可能です。運用で損が出たからといってスグに積立をストップするのではなく、継続して続けることで最終的なプラスに転じる機を待つといったイメージを持っていただきたいものです。

プロ野球などで仮にチームが負け続けていれば、何らかの対策を取ります。
たとえば、スタメンを入れ替えたり、打順を替えたりなどがイメージしやすいでしょう。

積立投資も運用損が続くようであれば、購入する投資信託を変えたり、リバランスといった購入する金融商品の資産配分を変えたりといった対策が必要になります。逆に運用益が出ているのであれば、引き続き同様の方法を継続していくことで最終的な目標金額を達成できる可能性を高くします。

投資の世界のルールとして、「価格が下がって売却=損」を避け、購入し続けて「価格が上がって売却=利益」といった機を長い時間をかけて生み出すことができる投資が積立投資の醍醐味です。

そのため、長期間継続して運用益を確定させて目標金額を達成するには、とにかく無理のない範囲内でお金を運用することが必要不可欠であることが理解できると思います。

まとめ~積立投資は毎月一定額を投資していく投資方法です~

このページでは、積立投資を例に初めて投資を行う人が投資額と目標金額を設定する方法についてくわしく解説しました。

積立投資は、子どもの学費の確保をはじめ住宅購入の頭金や老後の資金などを備えるための方法として有効活用できることを理解していただけたのないでしょうか。

そして、少額からでも「ちょっと積立投資を始めてみようかな」と興味を持たれたかもしれません。そのような人のためにも再度、このページの要点を以下へ箇条書きで紹介します。

  • 積立投資は、少額から始めることができます
  • 積み立てる金額は、人それぞれでOKです。あくまでも無理をしない金額を
  • 将来的な資産形成のゴール(目標金額)を設定することも忘れないように
  • 毎月コツコツと継続して積立投資を実行しましょう(継続は力なり)

このページで解説した積立投資の4つのステップを実行することができれば、後は自動引き落としで積立投資を行うだけです。

仮に何年か継続して積立投資を続けた結果、現時点での投資額では、最終的な目標金額に届かないのであれば、途中で投資額を追加して、より目標金額に近づけるように投資をしていく対策を取ることも時には必要になります。

目的に応じた目標金額を達成するためには、積立投資や貯蓄などを賢く活用する必要があります。積立投資は長期的な資産運用であるため、お金に余裕がないときは据え置き、お金に余裕が出てきたら、投資額をプラスすることで、より多くの資産形成ができるような無理のない工夫をしていくことが大切です。

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