「投資=損をする」という考え方は、投資をしたことがない方々にとってみると実に根深い問題です。通常、投資にリスクはつきものですが、投資をしたことがない方の特徴の1つに「リスクの大きさを考えない」ことがあげられます。
単に投資と言っても、積立投資、株式投資、不動産投資、FXなど実にさまざまな投資が存在し、それぞれの投資におけるリスクの大きさは「まったく違う」特徴があります。
そのため、投資を一色単にまとめて「損をする」と括って考えることは、自分の資産を積極的に増やして運用するといった意味では非効率的です。
このような事情を踏まえまして、本記事では、リスクが少なく投資初心者におすすめの積立投資について焦点をあて、積立投資をするときには、どのようなリスク(危険性)や悪影響を被る可能性があるかについて分かりやすく解説するほか、先に紹介した他の投資方法と比べて、積立投資はどのくらいリスクの違いがあるのかについても解説していきます。
1. 積立投資には大きく3つのリスクがある!
一般に、積立投資が投資初心者におすすめの理由として「まとまった資金がなくとも少額からすぐに始められる」ことがあげられます。現在では、ワンコイン500円から積立投資が始められ、おこづかいの一部や1回の昼食分などで済むのが最大の魅力です。
しかし、積立投資にはリスクがないというわけではなく、大きく分けて3つのリスクがあると言われます。まずは、これら3つのリスクを以下、簡単に箇条書きして紹介します。
- 元本保証ではない
- コスト(手数料)がかかる
- 一括投資のほうが利益を得られることもある
積立投資を始める前に、まずは、これらのリスクをしっかりと把握しておくことが大切になります。次項より個別に詳しく解説します。
2. 積立投資のリスク 1つ目 元本保証ではない
積立投資のリスクの1つ目は、積立投資に投資したお金(元本)は、確実に保証されるものではないことがあげられます。つまり、投資した金額よりも最終的に受け取った金額の方が少なくなってしまうこともあることになります。
おそらく多くの皆さまは、それぞれの金融機関に対して口座を複数所有しているものと思いますが、これらの金融機関の口座へお金を預け入れておくことは、積立投資のリスクとは反対に元本は基本的に保証されるメリットがあります。
積立投資のリスクや預金のメリットを賢く活用する考え方につきましては、「5.銀行に預けておけばリスクはないのか?」で解説しておりますので、本記事を読み進めていただきながら参考にしてみることをおすすめ致します。
投資信託の値下がりを起こす6つのリスク
よく聞く「リスク」にも実はさまざまな種類のリスクがあり、それぞれの特徴は異なります。ここでは参考までに投資信託の値下がりを起こす6つのリスクについて簡単に解説していきます。
価格変動リスク
価格変動リスクとは、投資対象商品の価格が変動することによるリスクのことをいいます。
為替変動リスク
為替変動リスクとは、円と外国の為替相場の変動により、外貨建て資産の価値が変動する可能性のことをいいます。
金利変動リスク
金利変動リスクとは、金利の変動により資産の価値が変動する可能性のことをいいます。
信用リスク(破綻リスク)
信用リスクとは、たとえば、お金を借りている債務者が、借金を返すことができなくなってしまうリスクのことをいいます。別にデフォルトリスク(債務不履行)ともいいます。
流動性リスク
流動性リスクとは、商品の売買などが極端に少なくなってしまうことで取引が成立しにくくなるため、結果として売りたいときに売れない可能性があるリスクのことをいいます。
繰り上げ償還リスク
繰り上げ償還リスクとは、現在運用中の投資信託が強制的に終了してしまうことをいいます。そのため、マイナスの時点で強制的に終了となってしまうこともあり、これまでに紹介したリスクの中では特に運用のプラスマイナスに大きな影響を与えるリスクと考えることもできます。
3. 積立投資のリスク 2つ目 積立投資にはコスト(手数料)がかかる
積立投資のリスクの2つ目は、積立投資にはコスト(手数料)がかかることがあげられます。積立投資を含む投資信託には、主に「販売手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」という3つのコストがあり、それぞれのコストを差し引いた後の運用損益がプラスになっていることが求められます。
たとえば、10,000円のお金を運用した結果、仮に2,000円の利益を得たとします。
この時、コストとして10%~30%を差し引かれた場合の運用損益等を比較して見ていきます。
運用益 | コスト | 運用損益 | 元本 |
---|---|---|---|
2,000円 | 1,000円(10%) | +1,000円 | 11,000円 |
2,000円(20%) | 0円 | 10,000円 | |
3,000円(30%) | ▲1,000円 | 9,000円 |
投資信託においてコストは確実に発生するものであり、より多くの運用損益を求めるためには、確実にかかるコストをできる限り少なくする必要があります。
そのためには、たとえば、ノーロードといった、販売手数料が無料の投資信託を選ぶ方法や信託報酬はできる限り安いものを選ぶなど、手数料を抑えることが投資信託で成功するための大事なポイントになります。
なお、本記事では積立投資にかかるコストの詳細や解説につきましては割愛させていただきます。同サイト内で解説している以下の参考リンクから内容をご確認下さい。
参考 積立投資超入門 積立投資で運用成績を上げるには手数料の安さが肝
4. 積立投資のリスク 3つ目 一括投資のほうが利益を得られることもある
積立投資のリスクの3つ目は、一括投資のほうが積立投資よりも利益を得られることもある場合があげられます。一括投資とは、その名前の通り1回で投資信託を購入する投資イメージになります。
積立投資は、毎月少しずつお金を投資していくことができる部分が大きな魅力でありメリットであることから、一括投資のようにまとまったお金を投じるスタイルと比較するのは、少々、投資の目的が違っているような気も致します。
とはいえ、「お金を増やす」といった根本的な目的を考慮した場合で購入した投資信託が値上がりを続け上昇傾向にある場合は、積立投資よりも一括投資の方が多くの利益を得られる可能性があることも紛れもない事実です。
ただ、購入した投資信託の商品は、今後の値動きについて予測することはできないため、長期的に見た場合に積立投資の方が安全で、かつ、多くの利益を得られることもあります。
初めて投資信託を行う人が気持ちに余裕を持った投資を行うためには、利益を優先する前に流れを優先して学び、まずは経験を積むことを優先するべきだと考えます。
確かに積立投資にすることで、せっかく手に入れることができた利益を得られないこともあるかもしれませんが、長期の投資期間において貴重な経験になることは間違いないと言い切ることができます。
5. 銀行に預けておけばリスクはないのか?
これまで積立投資のリスクについて3つ解説させていただきましたが、これらの積立投資のリスクを聞くと、おそらく多くの皆さまが「銀行に預けていた方が良いのでは?」と思うかもしれません。
確かに銀行に開設している「普通預金口座」や「定期預金口座」をはじめ、「当座預金口座」などは元本保証であるため、基本的にお金が減ることはありません。ただし、預金保険制度(よきんほけんせいど)の保証範囲から外れている場合は注意が必要です。
出典 金融庁 預金保険制度より抜粋・引用
預金保険制度の要点を大まかにまとめると以下の通りです。
- 利息が付く普通預金や定期預金は、「金融機関ごと」に元本1,000万円まで保証される
- 利息が付かない当座預金や普通預金は、元本が全額保証される
仮に普通預金や定期預金を複数の金融機関の口座に分けて分散することで、保有しているすべての口座で預金保険制度の対象となり、資産が安全に担保されることになります。
このような理由から、銀行にお金を預けておけば損をするリスクは基本的にありませんが、預金に対する金利や将来の受取金額を考慮しますと、お金を増やす目的におきまして、銀行へお金を預けっぱなしにする方法は決して正しい方法とはいえません。
また、現在の経済情勢を踏まえますと少し考えにくいことではありますが、将来的にインフレが起こった場合、預金しているお金の価値が大きく下がることもあります。
よく「お金を休ませるのではなく、お金に働いてもらう」といった表現がありますが、積立預金の感覚で始められる積立投資は、将来的にお金を貯めたい目的に即したお金の運用方法です。
たとえば、積立預金に1ヶ月1万円をすべて積み立てていくのではなく、その内の3,000円を積立投資に配分し、積立預金7,000円、積立投資3,000円のような資産配分を変えていくことで、結果として将来的に増加するお金に違いが生じることになります。
先に解説しましたように積立投資は、リスクが生じることから、積立預金7,000円が積立投資3,000円のリスクカバーの役割をしており、積立投資の3,000円がさらにお金を増やす働きをしてくれているわけです。
いわば、これはお金の守りと攻めの配分を自分で選べることを意味しています。スポーツで勝つためには、攻めと守りのバランスが重要になりますが、ご自身のお金を効率的に増やすためには、お金の配分を上手く活用し運用していかなければならないことがご理解できるのではないでしょうか。
6. できる限りリスクを最小限に抑えたいなら、バランス型ファンドorインデックスファンドの積立投資を選ぼう
前項の解説より銀行にお金を預けているだけでは、一生涯を通じて十分なお金を増やすことはできないことが分かります。また、年金不安が叫ばれている中で老後の生活資金が心配な方も多いと思います。
人によって個人差があるものの、何十年という長期の時間を有効に活用して十分なお金を低リスクで用意するためには、やはり「積立投資」をおすすめします。
とはいえ、初めて投資をする人に積立投資がおすすめと言われても、言われた本人からすると、さすがに積立投資を始める気になれないのが率直な感想だと思います。
そこで、本記事の最後に積立投資のメリットを同サイト内で公開されている記事から引用して紹介していきます。
- 積立投資は、少額から始めることができる
- 積立投資は、買うタイミングに悩まなくても良い
- 積立投資は、簡単に分散投資ができる
参考 積立投資超入門 積立投資は月々1,000円以下の少額から始められる初心者におすすめの投資手法
これらの積立投資のメリットをざっくりまとめますと、積立預金のように無理のない範囲で積み立てていくことで、多少のリスクはあるものの、積立預金よりも多くのお金を得られるといったことになります。
そして、積立投資が積立預金よりも多くのお金が得られる理由は、運用益が受取利息よりもはるかに大きくなることがあげられます。
積立投資のメリットには、前述したメリットのほかに、「複利効果」があり、元金に運用益を加算したお金を再度運用していくことで、当初の投資期間におきましては、さほど金額の変化が表れないものの、長期間を経ることで、激的な変化が生じます。
また、初めて積立投資を始める場合は、まず「バランス型ファンド」か「インデックスファンド」のいずれかを購入してみることをおすすめします。
ファンドとは、「投資信託」のことを指しており、バランス型ファンドとは、その名前の通り、バランスが安定した投資信託のことをいいます。つまり、低リスクで安定した運用ができるため、初心者には購入しやすい投資信託であるといえます。
なお、バランス型ファンドは、大きく「低リスク型」「中リスク型」「高リスク型」「資産配分変動型」といったように、さらに細かく分けられる特徴があるため、単にバランス型ファンドだから大丈夫といった誤った考え方は払拭しておかなくてはならない点があることも併せて押さえておきましょう。
一方、インデックスとは「指数」のことを指しており、インデックスファンドとは、よくニュースで見聞きする「日経平均株価」や「東証株価指数=TOPIX」などの指数に合わせて投資信託を購入する方法になります。こちらもバランス型ファンドと同様に値動きが極端ではないことから初心者には購入しやすい投資信託であるといえます。
なお、インデックスファンドを選ぶ際は、「パッシブ運用」といった安定した運用方法をまずは選択することをおすすめします。パッシブ運用は、インデックスに連動した運用方法であり、コストも比較的安い特徴があるため、初心者には向きの投資方法になります。
これらの詳しい内容につきましては、以下のリンクより確認することができますので、お時間のある方は、併せて読み進めてみることを強くおすすめ致します。
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