積立投資におけるリバランスとは?方法とタイミングを解説

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積立投資において、安定した運用を心掛けるためには「リバランス」という知識を持っておくことが必須となります。「バランス」というものは、様々な物事を考える上でとても大切な要素になりますが、投資の分野におきましても考え方は同様です。

特に、積立投資におきましては、毎月少額のお金を積み立てながら投資を行っていくため、日々価格が変動する市場との関係性において、当初、理想としていた株式や債券との投資比率のバランスが崩れてしまうことがあります。

積立投資は、長期間に渡って安定した運用をすることができる投資手法であり、ここに大きな強みがある投資であるだけに、リバランスの有無が、将来の運用益に大きな影響を及ぼすことは言うまでもありません。

そこで本記事では、積立投資で成功を収めるための「リバランス」について、その方法やタイミングなどについて詳しく解説していきます。

1. リバランスとは自分が希望する資産配分にするために調整をすること

はじめに「リバランス」とは、どのようなものなのかについて、もう少し詳しく解説していきます。

リバランスとは、積立投資で購入した投資信託のバランス(投資比率)を、調整することを言います。一般的に積立投資を実際にはじめるときには、まず自分なりの資産分散のバランス(=ポートフォリオ)を考えて、投資信託を購入します。

通常、時間が経過することによって市場の価格変動が生じるため、定期的(後述します)にリバランスを行わなければ、積立投資をはじめる際に考えた自分なりの資産配分(ポートフォリオ)が崩れてしまい安定した資産運用ができなくなってしまう可能性があります。

解説内容だけではよく分かりませんので、一例とイメージ図を見ることでリバランスのイメージを膨らませていきます。

たとえば、国内株式30%:海外株式30%:国内債券20%:海外債券20%という資産配分(ポートフォリオ)を組み、毎月10万円の投資金額をそれぞれの資産に分けると、1ヶ月あたり国内株式3万円:国内債券2万円:海外株式3万円:海外債券2万円という内訳になります。

当初設定した資産配分

積立投資を1年間続けたとすると、上記図のように、国内株式36万円:国内債券24万円:海外株式36万円:海外債券24万円(=合計120万円)となります。

ここで仮に、積立投資から1年後に、国内株式50万円:国内債券:20万円:海外株式46万円:海外債券24万円(=合計140万円)と値上がりが起こったとしますと、トータルの資産は20万円(140万円-120万円)増えていることが分かります。

ここで注意すべきポイントは、値上がりしたことによって運用益が生じたことではなく、当初構成したポートフォリオのバランス確認をするところにあります。国内株式30%:国内債券20%:海外株式30%:海外債券20%(株式60%:債券40%)をグラフに表すと以下の通りです。

当初設定した投資割合

一方、1年後にそれぞれの資産価格が変動したことによって、国内株式36%:国内債券14%:海外株式33%:海外債券17%(株式69%:債券31%)というバランスに変化していることも確認することができます。

1年後の投資割合

このように継続して積立投資をしていると、それぞれの資産価値が変わることで、いつのまにか想定以上のリスクをとっていたり、期待できるリターンが小さくなったりする可能性が生じてしまいます。

結果、自分が当初考えていた資産運用ができなくなる可能性が高まることで安定した運用が継続して行えなくなってしまうことを避けるために、リバランスを定期的に行う必要があるわけです。

2. リバランスの方法は「売買」と「買い増し」の2通り

実際に行うリバランスの方法には、「手持ちの投資信託を売買してバランスを整える方法」と「新たに投資信託を買い増ししてバランスを整える方法」の2通りがあります。

以下、それぞれのリバランスの方法について詳しく解説していきます。

手持ちの投資信託を売買してバランスを整える方法=「売買」

手持ちの投資信託を売買してバランスを整える方法は、保有資産の中で割合が増えた投資信託を売却し、割合が少なくなった投資信託を購入するという方法です。

投資割合(リバランス前)

たとえば、投資当初の資産配分が、国内株式30%:国内債券20%:海外株式30%:海外債券20%(株式60%:債券40%)で上記図の投資割合を手持ちの投資信託を「売買してバランスを整える方法」でリバランスするものとしますと、国内株式を6%分売却、国内債券を6%分買い足し、海外株式を3%分売却、海外債券を3%分買い足しすればよいことになります。

仮に評価額が、国内株式50万円:国内債券20万円:海外株式46万円:海外債券24万円(=合計140万円)であったとすると、リバランスをして、国内株式8万円分の売却、海外株式4万円分の売却、国内債券8万円分の買い足し、海外債券4万円分の買い足しを行うことで当初設定した資産配分を保つことができます。

計算例 国内株式の場合

140万円(評価額)×30%(当初の資産配分)=42万円
50万円-42万円=8万円(過剰分=売却)

当初設定した投資割合(リバランス後)

このリバランスの方法が、「手持ちの投資信託を売買してバランスを整える方法=売買」となります。

なお、この方法でリバランスを行う場合、売却をしたときに税金や解約手数料(信託財産留保額)がかかるほか、新たに投資信託を購入する時に購入手数料(ノーロードではない場合)が発生してしまうため、極度にリバランスを行いすぎることは運用損益の面でかえってマイナスになってしまう可能性が生じるため注意が必要と言えます。

新たに投資信託を買い増ししてバランスを整える方法=「買い増し」

2つ目のリバランスの方法は、新たに投資信託を買い増ししてバランスを整える方法=「買い増し」です。

たとえば、評価額が110万円であったとして、資産配分の内訳が、国内株式30万円:国内債券18万円:海外株式42万円:海外債券20万円であったとします。

保有資産=評価額110万円(リバランス前)

これを投資当初の資産配分、国内株式30%:国内債券20%:海外株式30%:海外債券20%(株式60%:債券40%)に新たに投資信託を買い増ししてバランスを整える方法=「買い増し」で行うと以下のようになります。

保有資産=評価額110万円(リバランス後)

具体的なリバランス方法として、国内株式を12万円追加購入、国内債券を10万円追加購入、海外債券を8万円追加購入、合計30万円分を追加購入したことによって当初の「国内株式30%:国内債券20%:海外株式30%:海外債券20%(株式60%:債権40%)」というバランスに戻すことができました。

実際のところ、これら2つのリバランスの方法は、専門家の間でも意見が分かれており、どちらのリバランスが正しい方法とは言い難いのが現状です。

売却によるリバランスは、税金やコストが必要となる一方で、買い増しによるリバランスは、ある程度一定の資金を保有していなければ行うことができないため、それぞれ投資家の立場や状況を考慮してケース・バイ・ケースでリバランスの方法を使い分けることが望ましいと考えることができます。

3. リバランスをするタイミングは「期間」or「乖離率(かいりりつ)」

実際にリバランスをするタイミングは、私たち投資家の任意ではありますが、大事なのは「半年に1回」「1年に1回」といった自分なりのルールを決めて定期的にリバランスを行うところにあります。

このほか、特定の資産の値動きが大きく上下変動した場合などにおかれましては、適宜、確認してリバランスをするなどといった対策も必要になると考えられます。

定期的にチェックするなら年1~2回

積立投資のように長期の資産運用で運用益を安定してあげていくためには、資産配分を確認してリバランスを定期的に行っていくことが必須です。具体的には、半年に1回の年2回もしくは、1年に1回定期的にリバランスを行うことをおすすめ致します。

理由は、言うまでもなく安定した長期の資産運用を継続していくためです。

中には、「リバランスが面倒」「リバランスが難しそう」と感じる方もおられると思います。このような皆さまには、後程、解説する「バランスファンド」の購入がおすすめです。

バランスがプラスマイナス10%になったらリバランスをする

保有している資産と当初の資産配分がずれてしまうことを「乖離(かいり)」といい、これを割合に表したものを「乖離率」と言います。

この乖離率が大きい程、リバランスが必要となりますが、実際のところプラスマイナス10%になったらリバランスをするのも一策です。

ただし、実際に積立投資で運用している金額が大きい場合は、当然に乖離率が低くとも大きな差額が生じてしまうこともありますので、あくまでもプラスマイナス10%は目安であり、ケース・バイ・ケースで判断をする必要があります。

仮に数千万円単位での運用であれば、乖離率は、5%あたりを1つの目安としリバランスをするのも一策でしょう。

4. どうしてもリバランスが面倒な場合は、バランス型ファンドを選ぼう

積立投資では、定期的なリバランスをすることで、リスクとリターンを管理しながら安定した資産運用をすることができます。

しかし、「どうしてもリバランスをするのが面倒だ」「リバランスが難しい」という場合には「バランスファンド」という投資信託を購入することをオススメします。

バランスファンドというのは、国内や海外の株式・債券に分散投資ができる投資信託であり、これ1本を購入するだけで、自分でリバランスをしなくとも投資信託会社が代わりにリバランスをやってくれます。

ざっくり言ってしまえば、「ほったらかし」「面倒」「時間をかけたくない」「資産運用に煽られたくない」といった考えをお持ちの皆さまにはバランスファンドの購入が向いていると言えます。

ただし、バランスファンドには「信託報酬(手数料)」が普通のインデックスファンドよりも高く投資している実感がわきづらいなどのデメリットもあります。以下、バランスファンドのメリットとデメリットを簡単にまとめて紹介します。

バランスファンドのメリット

  • リバランスは、運用会社が自動で行ってくれる
  • 自分でリバランスをする手間がかからない
  • リバランスにかかる手数料や税金は不要
  • 積立投資でバランスファンドを購入すれば極めて楽に投資が行える

バランスファンドのデメリット

  • 自分が望んでいる割合の資産配分がパックとなった投資信託がない場合がある
  • 信託報酬などの運用コストが高め
  • 資産配分があらかじめ決まっている
  • 投資している実感がわきづらい

総合的に考えて、リバランスを自分で行う必要はありますが手数料などのコストを抑えたいのならばインデックスファンドを、コストはかかっても手間も時間も省きたいと考えているのならバランスファンドを選んでみるのをオススメします。

なお、積立投資におけるバランスファンドの活用については「積立投資に手間と時間を掛けたくないならバランス型ファンドを選択すべし」で詳しく解説しております。参考にしてください。

5. まとめ ~安定した資産運用のための「リバランス」の方法を解説~

本記事では、積立投資で成功を収めるための「リバランス」について、その方法やタイミングなどについて詳しく解説させていただきました。リバランスを行う方法は、以下の2つです。

  • 手持ちの投資信託を売買してバランスを整える方法=「売買」
  • 新たに投資信託を買い増ししてバランスを整える方法=「買い増し」

売買によるリバランスは税金やコストがかかる、買い増しによるリバランスは、まとまった資金が必要となるといったデメリットがあります。

また、リバランスが面倒であれば、バランスファンドを購入してリバランスは投資信託会社(運用会社)へ任せる方法を検討します。ただし、信託報酬は高めですので、できる限り信託報酬が安いものを選ぶといった賢い工夫も必要です。

つまり、リバランスを考える上におきましては、コストと手間のどちらを優先するのかによって選ぶべき商品は異なるということになり、コストを優先するのであれば「インデックスファンド」、手間を優先するのであれば「バランスファンド」を検討してみましょう。

こちらはインデックスファンドを購入する際の余談となりますが、積立投資のように毎月コツコツ継続して投資信託を購入する場合、購入する都度かかる「購入時手数料」は、長い目で見ると大きなロスとなります。

そのため、「ノーロード=購入時手数料無料」の投資信託を選んで購入することで、買い増しによるリバランスにおいて、長期的な大きなロスを避けられるといった方法もあらかじめ視野に入れておきたいものです。

売買と買い増しによるリバランスは、どちらが正しい方法とは決して言い切ることはできません。あくまでも投資家である私たち1人ひとりが、自身の状況に合わせて判断し意思決定するべきものであることを忘れないようにしたいものです。

ちなみに、積立投資の始め方は以下のページで詳しく解説しています。

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