積立投資でお金を増やすためには、積立投資にかかるコストをいかに削減することができるのかが1つの大きなポイントになります。
もちろん運用成績の良い投資信託を選んで購入することも大切ですが、積立投資にかかるコストを比較検討した上で、できる限り安いものを選ぶことは、投資の知識がある、なしに関わらず誰にでもできることだと思われます。
つまり、積立投資でお金を増やすためには基本的なことを確実にこなしておくことが重要であることが分かります。
そこで本記事では、積立投資の基本でありお金を増やしていくための基本知識である「ノーロード投資信託」に焦点をあてて、詳しく解説していきたいと思います。
1. ノーロードとは購入手数料がかからない投資信託のことです
投資の世界では「横文字」が多くて用語が分かりづらいと感じている方も多いと思いますが、「ノーロード」とは、投資信託を購入する際の購入手数料が無いという意味になります。
「ノー=無い」「ロード=購入手数料」を意味していることから、ノーロード投資信託は、購入手数料がかからない投資信託と直訳することができるわけです。
参考:東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型) 『愛称:円奏会』
通常、投資信託は、販売会社から購入する流れとなりますが、その際、「販売手数料」というものを購入の都度、販売会社に支払わなければなりません。
積立投資の場合、毎月少しずつ投資信託を購入し続けて運用しお金を増やすスタイルであるため、この販売手数料(購入手数料)を毎月、都度差し引かれてしまっては、長い目で見た時に大きなロスになってしまいます。
購入時期 | 毎月購入金額 | 販売手数料 | 投信の購入に 充てられる金額 |
---|---|---|---|
1月 | 10,000円 | 300円 | 9,700円 |
2月 | 10,000円 | 300円 | 9,700円 |
3月 | 10,000円 | 300円 | 9,700円 |
4月 | 10,000円 | 300円 | 9,700円 |
5月 | 10,000円 | 300円 | 9,700円 |
6月 | 10,000円 | 300円 | 9,700円 |
合計金額 | 60,000円 | 1,800円 | 58,200円 |
上記は毎月10,000円ずつ積立投資を始めているもので購入手数料が3%を想定したものになります。単純計算となりますが、1年で3,600円の購入手数料が差し引かれ、30年で108,000円のロスとなります。
仮に積立金額が10,000円と想定していることから、積立金額が大きくなればなるほど、購入手数料が大きくなり、その分、ロスも大きくなることがご理解できるのではないでしょうか。こちらに関しましては、次項で詳しく触れていきます。
なお、購入した投資信託の運用自体は販売会社ではなく、運用会社がすることになるため、どこで買っても運用力に差はつかないため、それぞれの販売会社で販売している同じ投資信託であればノーロードになっている販売会社から投資信託を購入するのが鉄則と言えます。
2. 購入手数料がかかる場合、どれくらいコストがかかるかを計算してみた
積立投資のように毎月投資信託をコツコツ購入するスタイルでは、購入手数料が大きなロスにつながることが分かりました。とても重要なポイントになりますので、金額を大きくしてもう一度、内容をおさらいしていきます。
仮に毎月10万円ずつ積立投資をする場合で、購入手数料が1.0%かかるとした場合、1ヶ月あたりにかかる購入手数料は1,000円になります。
100,000円×1.0%=1,000円(1ヶ月あたりの購入手数料)
積立投資の場合は、原則として毎月投資信託を購入することになるため、仮に1ヶ月あたり1,000円の購入手数料がかかったとしますと1年間では12,000円、10年間では12万円、20年間では24万円、30年間では36万円も購入手数料が取られることになります。
1,000円×12ヶ月=12,000円(1年あたりの購入手数料)
12,000円×10年=120,000円(10年あたりの購入手数料)
12,000円×20年=240,000円(20年あたりの購入手数料)
12,000円×30年=360,000円(30年あたりの購入手数料)
さらに、購入手数料は購入した金額から差し引かれることになるため、仮に毎月10万円ずつ積立投資をする場合で手数料が1.0%かかる場合、購入した投資信託100,000円から購入手数料1,000円が差し引かれた99,000円が実際の投資金額となります。
購入手数料が1%の場合 100,000円-(100,000円×1.0%)=99,000円(実際の投資金額)
購入手数料が3%の場合 100,000円-(100,000円×3.0%)=97,000円(実際の投資金額)
購入時手数料が、直接差し引かれることにロスが生じるだけでなく、運用に回すことができるお金が減ることから、実際に運用益を上げた場合、購入手数料が引かれる前よりも運用益が少なくなってしまうことから「二重でロスが生じる」と考えることもできます。
以下、購入手数料だけに着目して長期的に積立投資をした場合、どれくらいの差(ロス)が出るかを計算してまとめてみました。
★65歳まで月10万円の積立投資をした場合、手数料のあり・なしでどれくらいの差が出るかを計算
ノーロード | 手数料1.0% | 手数料3.0% | |||
100,000円 | 99,000円 | 差額 | 97,000円 | 差額 | |
20歳 | 114,037,297円 | 112,896,924円 | -1,140,373円 | 110,616,178円 | -3,421,119円 |
25歳 | 92,605,950円 | 91,679,891円 | -926,059円 | 89,827,772円 | -2,778,178円 |
30歳 | 74,156,366円 | 73,414,802円 | -741,564円 | 71,931,675円 | -2,224,691円 |
35歳 | 58,273,688円 | 57,690,952円 | -582,736円 | 56,525,478円 | -1,748,210円 |
40歳 | 44,600,782円 | 44,154,774円 | -446,008円 | 43,262,759円 | -1,338,023円 |
45歳 | 32,830,200円 | 32,501,898円 | -328,302円 | 31,845,294円 | -984,906円 |
※楽天証券「積立かんたんシミュレーション」を使って算出
積立投資は、長期の時間をかけてコツコツ運用することで大きな資産形成を達成するといった運用スタイルであるため、運用期間が長ければ長い程、大きな効果が期待できる投資手法です。
一方、表の比較結果を見てお分かりのように、年齢が若ければ若い程(運用期間が長ければ長い程)多くの購入手数料がロスとなっていることが確認できます。
つまり、「ノーロードの投資信託を選ぶ」というだけで、運用益が多くなるのと同時に万が一の運用損も減らせることができると考えられるわけです。
3. 銀行や証券会社がノーロード以外の商品を勧めてくる理由
これまでの解説から積立投資をするときには、明らかにノーロードの投資信託を購入するのが良いことがご理解できたと思います。
しかし、銀行や証券会社はノーロード投資信託以外の商品をオススメしてくる場合が比較的多い傾向にあります。その理由は、言うまでもなく銀行や証券会社などにとって購入手数料が自分たちの利益となるからです。
そのため、できるだけ購入手数料がかかる商品や手数料の大きな投資信託をオススメとして紹介してくるのが定石です。
おそらく、本記事をお読みになって下さっているユーザー様のほとんどが何かしらの生命保険に加入されていると思いますが、生命保険を販売する保険会社の社員や保険代理店から、あれもこれも保障をつけて提案された経験はないでしょうか。
ノーロード投資信託以外の商品をオススメしてくる場合とは、正にこの例と酷似しておりなかには投資に詳しくない高齢者などを騙すようにして、手数料がかかる商品を売るような人もいるのが現状です。
実際には、投資信託の購入や保険契約の締結は、いずれも金融商品の購入(締結)にあたることから、意向確認や重要事項説明を受けた確認など、一定書類に署名および捺印することから、どうしても言った、言わないといった水掛け論におきましては、購入者側(契約側)が不利になってしまいます。
このようなトラブルを防止するためにも、先に紹介した営業に惑わされることなく、積立投資を始める時はノーロードの商品を選ぶようにするべきでしょう。
4. ノーロードの投資信託を選ぶときには信託報酬のチェックも忘れずに!
ノーロードの投資信託は、積立投資を始める上で欠かすことのできない条件ですが、コストを比較検討する上で「信託報酬」のチェックも欠かさずに比較検討することを忘れないようにして下さい。
信託報酬とは、投資信託を販売している販売会社のほか、管理会社や運用会社に対して支払われる報酬のことで、信託財産(積み立てたお金)から日割りで毎日天引きされる仕組みになっています。
ノーロード投資信託は、購入手数料が無料である代わりにこの信託報酬が割高となっている商品もあるため、長期間、積立投資をするときにおいて、購入手数料と同じように信託報酬金額が大きなコストになってしまいます。
そのため、ノーロードというポイントだけに気をつけるのではなく、信託報酬についても比較検討して確認することを忘れないように心掛ける必要があります。
参考 積立投資で運用成績を上げるには手数料の安さが肝 3-1.信託報酬(運用管理費)の数%違いは、投資結果に大きく影響する
5. 積立投資をするときにオススメできるノーロードの商品はあるのか?
投資信託で「絶対お金が増える」といった保証はないことから、数多くあるノーロード投資信託から「コレがよい!」と言い切ることは残念ながらできません。
しかし、初めて積立投資をするときにオススメしてもらえるノーロードの商品を知りたいという想いは誰でもお持ちだと思います。
そこであくまでも参考ではありますが、管理人がオススメしたいノーロードの商品(セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド)を1本特別に詳しく紹介していきたいと思います。
以下、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの特徴解説となりますが、同投資信託に対する運用の成果を保証するものではありませんのであらかじめご了承ください。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの特徴
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの最大の特徴は、このファンド(投資信託)を1本購入するだけで世界中の株式市場や債券市場に投資できるところにあります。
さらに株式と債券の比率が半々であることから、値動きが緩やかで比較的安定して資産運用をすることができる特徴も併せ持っています。
本商品は、本記事のメインでもある「ノーロード投資信託」であるほか、信託報酬も年1%を切る水準となっている特徴があり、短い期間(1ヶ月)から長い期間(10年)までのトータルリターンがすべてプラスである特徴もあります。
これらに加えて、純資産総額も平成29年4月30日時点で約1356億円となっており、販売当初から順調に純資産総額を増やしていることも確認できます。
この投資信託を購入するには、セゾン投信に口座を開くほか、月々5,000円から積立投資が可能である特徴がありますが、毎月5,000円を積立投資に回しても問題ない方には、管理人が強くおすすめしたい1本になります。
参考 積立投資に手間と時間を掛けたくないならバランス型ファンドを選択すべし 5-2.セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
なお、ノーロードというのは、あくまでも積立投資で投資信託を購入する上での最低条件であるため、あとはどのような資産形成を目標にするのか、そのための資産配分はどのようにするのかといったことを踏まえて購入する商品を選択することが大事になります。
6. 専門家FPから聞いた!積立投資でお金を増やすためにそもそも必要な考え方とは
積立投資で安定してお金を増やし続けていくためには、購入する投資信託の運用成績をできる限り長期間で比較して見ることが大切になります。
ここでユーザーの皆さまに考えていただきたいこととして、よく、投資信託は「プロが投資したお金を運用するから大丈夫」などと言われますが、はたして本当にそうなのでしょうか。
たとえば、プロ野球の選手がいて1軍選手も2軍選手も同じ「プロ野球選手」と括る場合が多いと思いますが、これを投資信託の運用のプロ(ファンドマネージャー)に置き換えてみるとどうでしょうか。
実績や結果を残しているファンドマネージャーもいれば、逆のファンドマネージャーもいるということになります。
たとえをさらに付け加えて考えていただきたいと思いますが、過去5年間の打率が3割であるプロ野球選手と今期1年間の打率が3割であるプロ野球選手は、どちらが将来、安定して成績を残していけると予測しますか。
お金の専門家であるFPから聞いた、購入する投資信託の運用成績をできる限り長期間で比較して見ることが大切な理由に納得できたのは管理人だけではないと思いますがいかがでしょう。
7. まとめ~積立投資でノーロードの投資信託を選んだ方が良い理由~
本記事では、積立投資でノーロードの投資信託を選んだ方が良い理由について詳しく解説をさせていただきました。再度、本記事の要点を箇条書きで紹介していきます。
- 積立投資で運用益を上げるためにはノーロードの投資信託を選ぶのが鉄則
- ノーロードの投資信託を選ぶときには信託報酬のチェックも忘れない
- 積立投資で安定してお金を増やし続けていくためには、購入する投資信託の運用成績をできる限り長期間で比較して見る
これら3つのことを比較して確認することは、投資の経験が長い、短いといったことに関わらず誰でも行うことができます。当然、投資経験の長い方が有利な面もありますが、基本的な部分を疎かにしては安定した運用益を上げ続けることなどできません。
本記事の内容を再度、読んでいただきまして積立投資で安定した運用益を上げられる1つのきっかけとしていただければと思います。
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