つみたてNISAは、平成30年1月から始まった少額投資非課税制度のことをいい、これまであった「NISA」か「つみたてNISA」のいずれかを選択して活用しなければならないルールが設けられています。
そもそも、つみたてNISAには、金融庁が指定している「投資信託」もしくは「ETF」のいずれかで資産運用をしなければならない特徴がある一方、毎月積立方式でこれらの金融商品を買付することによって、長い時間をかけて大きなお金を貯めながら増やすことができる特徴も併せ持っています。
また、人生三大資金と呼ばれる「住宅資金」「教育資金」「老後資金」といったお金を準備するために、つみたてNISAを活用することができる特徴もあり、活用の仕方によって多方面で利用できるメリットが、つみたてNISAにはあります。
このようなことを踏まえまして本記事では、つみたてNISAで資産運用をすることが向いている人とはいったいどのような方々なのかについて解説を進めていきます。
1. つみたてNISAが向いているタイプとは
つみたてNISAで資産運用をすることが向いている人とは、「将来のことを考えてお金の準備をしておきたいと考えている人」に尽きます。
たとえば、将来のお金について漠然と不安や悩みをお持ちの方は多いと思いますが、これらの不安や悩みを持っている人は、すべてその内容が異なるはずです。
加えて、収入や支出、家族状況、年齢、職業などが異なることに加え、将来必要としているお金の金額も全く異なることから、「将来のことを考えてお金の準備をしておきたいと考えている人」には、年齢を問わず、つみたてNISAを活用することが向いているのは確かです。
人生三大資金と世代からつみたてNISAが向いているタイプを考える
冒頭では、人生三大資金には、「住宅資金」「教育資金」「老後資金」といった3つの種類の資金があり、これらのお金を準備するために、つみたてNISAを活用することができることをお伝えしました。
そこで本項では、人生三大資金と世代からつみたてNISAが向いているタイプを考えてみたいと思います。
20代から30代の人
20代から30代の人であれば、少なくとも「住宅資金」「教育資金」「老後資金」のいずれかのお金について不安や悩みをお持ちの方は多いと思います。
これらどのお金について準備をするにしても、つみたてNISAは有効な方法になることが考えられ、基本的には、これらの世代であれば、計画的に資産運用をすることによって大きなメリットが得られると考えられるため、基本的につみたてNISAが向いているタイプといえるでしょう。
20代や30代の人であれば、就いている職業や勤務先によって収入がまだ低い場合も考えられますが、つみたてNISAは、資産運用をするためにまとまったお金を用意する必要はないため、取り組みやすいメリットがある点も押さえておかなければならないポイントです。
40代から50代の人
40代から50代の人であれば、既婚や独身をはじめ、子育て世帯か否かによって考え方が変わると推測できます。
たとえば、40代から50代の人で子育て世帯であるとするならば、子どもの「教育資金」や将来の「老後資金」について懸念されている人も多いと考えられます。
また、すでに住宅購入を終えてあったとしても、将来のリフォーム費用や住宅修繕費用について気にしている場合も考えられるでしょう。
一方、40代から50代の人で独身であるとするならば、将来の「老後資金」をはじめ、医療や介護にかかるお金について懸念されていても不思議ではないと考えられます。
現在は、両親や周りの人の協力が得られたとしても、年齢を重ねて将来の老後生活を考えますと、既婚者や子育て世帯に比べてお金の負担やリスクが大きくなってしまうことも予測でき、このようなことに対して今から対策を取っておくといった意味では、つみたてNISAは効果的な資産形成方法であると考えられ、結果、つみたてNISAが向いている世代であると思われます。
参考 60代以上の人
60代以上の人であれば、人生三大資金について考える必要もないような気がしてしまいますが、ご自身や後世のことを考えた時、つみたてNISAで貯めながら増やしたお金は貴重な原資になり得ます。
たとえば、60代以上といった年齢から、今後、ご自身の医療費や介護費がかかってくる心配、葬式費用の心配、相続の心配など、生命保険に加入していることですでにリスク対策を取られていることも考えられる一方で、これらの心配を解決するための方法になると考えられます。
2. つみたてNISAのメリット・デメリットをまとめてみた
つみたてNISAに向いているタイプについて解説を進めてさせていただきましたが、本項では、つみたてNISAのメリットおよびデメリットについて、箇条書きでまとめて紹介していきます。
つみたてNISAのメリット
- 無理なくお金を貯めながら増やすことができる
- まとまった投資資金が無くても始められる
- 20年間、運用益に税金がかからない
- 資産運用にかかる手数料が低い
- シンプルでわかりやすい
- 日本に住んでいる20歳以上であれば誰でも始められる
つみたてNISAは、金融庁が指定した「投資信託」もしくは「ETF」のいずれかの金融商品をご自身で選択して資産運用することになりますが、毎月1万円や2万円などといった投資金額を積立しながら行う特徴があります。
つみたてNISA最大のメリットは、つみたてNISAで毎月投資信託等を買付する口座にお金を入金しておくことによって、20年後には、いつの間にか大きなお金が貯まっているといったところにあります。
こちらのイメージにつきましては、「4.つみたてNISAを始めることで、どのくらいのお金を準備することができるのか?」を参照していただければと思います。
つみたてNISAのデメリット
- 元本保証されない
- 投資商品が限られている
- 年間40万円以内といった非課税投資枠が決まっている
- 損益通算ができない
- ロールオーバーすることができない
- 買付したい時にいつでも買付することができない
つみたてNISAのデメリットを全体的に見ますと、デメリットではあるものの、メリットを活かして大きな資産形成をする上で極度にデメリットになると考えられるのは少ないと考えられます。
元本保証されないデメリットは、投資信託やETFといった金融商品の特性上、どうしても仕方のないことではありますが、たとえば、投資商品が限られているデメリットは、逆にいえば、投資商品を絞り込みやすいメリットにもあたります。
また、基本的に金融庁が指定している商品であるからこそ、優秀な商品を選べるメリットと考えることができるほか、何よりも対面型の金融機関の担当者から粗悪な金融商品を販売されるリスクを避けられます。
併せて、年間40万円以内といった非課税投資枠が決まっている点におきましても、1ヶ月あたり約33,000円以下でつみたてNISAを始めたいと考えている人にとってみますと、デメリットとはいえないでしょう。
このように、つみたてNISAのデメリットは、デメリットでありながらも直接的に関係するデメリットがさほど多くないことも理解しておく必要があります。
参考 つみたてNISAのメリット・デメリットを解説。つみたてNISAの特徴を押さえよう
3. 短期投資で大きな利益を得たいことを希望する人には、つみたてNISAは不向き
つみたてNISAは、金融庁が指定している「投資信託」もしくは「ETF」のいずれかを毎月積立投資することによって大きな利益を得るといった資産運用方法であるため、株式投資やFXなどのように、短期の投資で大きな利益を上げることはできません。
つまり、短い期間で大きな利益を得たいと希望している人にとって、つみたてNISAは不向きの投資方法であることを意味します。
次項では、つみたてNISAを始めることでどのくらいのお金を準備することができるのか、どのくらいの利益を得られるのかについて紹介させていただきますので、そちらを参考にしながら、つみたてNISAが短期投資に向いていないことを確認いただければと思います。
4. つみたてNISAを始めることで、どのくらいのお金を準備することができるのか?
つみたてNISAは、これまで解説より年代を問わず、広く多くの人に対して効果がある資産運用方法であることをご理解いただけたと思います。
ただし、実際につみたてNISAを始めることによって、具体的にどの程度のお金を準備することができるのかわからなければ、始めようがないという人もおられると思います。
そこで本記事の最後に、つみたてNISAを始めることで、どのくらいのお金を準備することができるのか?といったことについて、人生三大資金を準備するといった目的を持ったものとして、いくつか参考例を紹介しておきます。
将来の子どもの教育資金をつみたてNISAで準備するイメージ
参考 楽天証券 積立かんたんシミュレーションより管理人試算
子どもの4年間における大学資金などを準備するために1000万円を20年間で用意したいと考えている一例になります。
より確実に教育資金を用意するために、利回り3%のローリスク・ローリターンで資産運用を行うものとしており、つみたてNISAの非課税期間にあたる20年間をフルに活用した場合、1ヶ月あたり「30,460円」を積立投資することで、用意が可能といった見方になります。
仮に、1ヶ月の積立金額をもう少し抑えたい場合は、リスクを取ってミドルリスク・ミドルリターンやハイリスク・ハイリターンで用意する選択肢を持つ方法もあります。
参考 楽天証券 積立かんたんシミュレーションより管理人試算
参考 楽天証券 積立かんたんシミュレーションより管理人試算
つみたてNISAで資産運用をする商品は、ご自身で選ぶことが可能でありますから、どのように子どもの教育資金を準備したいのかといった考え方によって、選ぶべき商品が異なります。
ローリスク・ローリターンで資産運用をする場合は、1ヶ月あたり30,000円程度のお金を積立しなければならない一方で、ハイリスク・ハイリターンの場合は、1ヶ月あたり19,000円程度のお金を積立することで足ります。
将来のリフォーム資金をつみたてNISAで準備するイメージ
一般に、新築建物は20年程度で建物自体の価値は無くなってしまうと言われますが、年数が経過することによって、住宅の様々な部分に修繕箇所が生じてしまう可能性は否めません。
そのため、つみたてNISAを活用して将来のリフォーム資金(住宅資金)を準備する方法は、有効と考えられます。
住宅を購入するための資金が「住宅資金」ではありませんので、一般に、住宅資金と見聞きしますと、住宅購入に考えがいきがちですが、住宅購入後における将来のための住宅資金を少しずつ貯めながら増やして準備する方法は賢いお金の準備の仕方と考えられるでしょう。
参考 楽天証券 積立かんたんシミュレーションより管理人試算
将来の老後生活資金をつみたてNISAで準備するイメージ
年金不安などの理由から将来の老後生活資金について不安を持っている方も多いと思いますが、一般に、老後生活資金を準備するのであれば、個人型確定拠出年金(iDeCo)がつみたてNISAよりも有効だと考えられます。
ただし、つみたてNISAのように、お金の引き出しといった利便性を考えた時、iDeCoには無い大きなメリットがあり、お金を引き出す流動性や利便性を重視した時、iDeCoよりも活用しやすく、口座管理手数料といった諸費用が掛からないメリットもあります。
置かれている年齢や状況によって考え方は異なる部分でありますが、老後資金は直ちに必要となるお金ではありませんから、この辺も考慮しながら、iDeCoとつみたてNISAのどちらを活用するのか、場合によっては併用するのかを考えておきたいものです。
参考 楽天証券 積立かんたんシミュレーションより管理人試算
5. まとめ
本記事では、つみたてNISAで資産運用をすることが向いている人とはいったいどのような方々なのかについて解説を進めさせていただきました。
つみたてNISAで資産運用をすることが向いている人とは、「将来のことを考えてお金の準備をしておきたいと考えている人」に尽きるとお伝えさせていただきましたが、これまでの解説を読み進めていただいたことによって納得できた人も多かったと思います。
人生三大資金も含め、将来を考えた時に必要なお金を計画的に準備するのに対して、つみたてNISAを活用することで「お金を貯めながら増やす」考えを持つことが、これからの時代で大切なお金の考え方であることは確かです。
自分に与えられている時間を使いながら無理せずお金が増えていくわけでありますから、貯蓄をするのも大切である一方、貯蓄の一部をつみたてNISAで活用するといった資産運用や資産配分について、いま一度、確認されてみることを強くおすすめ致します。
最後に、つみたてNISAで積立投資ををスタートするためには、金融機関で専用口座を開設する必要があります。
以下のページで「どの会社で口座開設をして、つみたてNISAをスタートすべきか?」を解説していますので、ぜひ、こちらも呼んでくださいね!
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