つみたてNISAは、平成30年1月より始まった少額投資非課税制度のことをいい、金融庁が指定している投資信託等を積立で投資することで、20年間に渡って、これらの投資で得た利益に対して税金がかからない仕組みです。
つみたてNISAは、積立方式で始められる資産運用になりますので、手元にまとまったお金が無くてもすぐに始められるほか、20歳以上であれば、年齢を問わず、誰でも簡単に始められる大きな特徴も併せ持っています。
とはいえ、初めて投資を始める方にとってみますと、そもそもつみたてNISAでどのような商品に投資をしたら良いのか知りたい方が多いのも現状です。
そこで本記事では、つみたてNISAで投資する投資信託の選び方についてわかりやすく解説を進めていきます。
1. つみたてNISAで投資信託を選ぶ前の注意点
冒頭、つみたてNISAは、金融庁が指定している投資信託等を積立で投資することで、20年間に渡って、これらの投資で得た利益に対して税金がかからない仕組みであることをお伝えしました。
金融庁が指定しているつみたてNISAの対象銘柄は、徐々に増加傾向にあり、平成30年3月現在において、141本が投資対象となっており、いわば、つみたてNISAを始めるということは、この141本からご自身で商品銘柄を選ぶことを意味します。
実際のところ、つみたてNISAを始める金融機関によって、つみたてNISAの対象となっている商品銘柄の取り扱い本数は全く異なっていることから、どこの金融機関を選んだとしても、すべての商品銘柄を選べるといった誤った考え方は厳禁です。
そのため、つみたてNISAを始める以前において、ご自身が選んだ金融機関では、どの程度、つみたてNISAの投資対象本数があるのか、本記事を読み終えた後に、ご自身の考えと合致している商品銘柄が取り扱い対象となっているのか、などをしっかりと確認しておくことが大切です。
2. つみたてNISAで投資信託を選ぶときの3つのポイント
つみたてNISAで投資をすることができる投資信託を選ぶときは、後述する3つのポイントをすべて満たしているような商品銘柄を選ぶことが望ましいとされています。
できる限り信託報酬が低いこと
つみたてNISAで投資をすることができる投資信託は、商品銘柄や投資信託の種類によって信託報酬と呼ばれる手数料が全く異なります。
そもそも信託報酬とは、投資信託を保有している間、ずっとかかり続けるコストにあたり、購入した投資信託の資産運用や管理を行ってくれている、運用会社、販売会社、受託会社に対して支払う手数料です。
つみたてNISAにおける信託報酬は、信託報酬率の上限があらかじめ決められており、それに合致した商品銘柄のみが投資対象となっているため、極端に高い信託報酬を支払わなければならないといった問題が生じることは基本的にありません。
投資信託の種類 | 型式 | 信託報酬率の上限 |
---|---|---|
指定インデックス投信 (バランスファンド含む) |
国内型 | 0.5% |
海外型 | 0.75% | |
アクティブ運用投信等 | 国内型 | 1.0% |
海外型 | 1.5% |
参考:金融庁 つみたてNISA つみたてNISA対象商品の概要について
たとえば、投資元金が100万円で30年間資産運用をしたと仮定し、以下の条件で比較した時に生じる信託報酬の違いは次の通りです。
- Aファンド 信託報酬0.5% 利回り3.5% 概算資産形成金額 242.7万円
- Bファンド 信託報酬1.5% 利回り3.5% 概算資産形成金額 181.1万円
概算資産形成金額の差額は、30年間で61.6万円となったことから、仮に、選んだ投資信託の信託報酬が高い場合、最終的な概算資産形成金額に大きな影響を与えることになるため、できる限り信託報酬が低い商品銘柄を選ぶようにすることをおすすめ致します。
信託報酬ができる限り低い投資信託を選ぶことは、誰にでも確実に行える対策であることは確かですので、目に見える数字や目先の部分だけに着目するのではなく、20年後、30年後に大きな影響を与えることを理解しておく必要があります。
ちなみに、つみたてNISAの非課税期間は、20年間ですので、それまで資産運用をすることで形成されたお金も信託報酬の高低によって、少なくとも大きな影響を受けることは言うまでもないでしょう。
選んだ投資信託の純資産総額ができる限り高いこと
投資信託の純資産総額とは、大勢の投資家から集めたお金の総額のことをいいます。
つみたてNISAで投資信託を選ぶ時は、選んだ投資信託の純資産総額ができる限り高いことが望ましく、この理由は、「安全性が高い」ところにあります。
一般に、投資信託の純資産総額が増加する要因として考えられることは、選んだ商品銘柄における運用がうまくいっていることによって純資産総額が増加している場合と大勢の投資家から人気があることによって、投資をする人が増加したことによる要因の2つの場合が考えられます。
つまり、選んだ投資信託の収益性や注目度合いが高いことが考えられ、これによって、投資信託の現在価値を表す「基準価額」が増加します。
保有している投資信託の基準価額が増加するということは、すでに保有している投資信託の価値が値上がりしていることを意味するわけですから、保有している投資信託を売却した時に売却益が得られることに繋がります。
このようなことから、つみたてNISAで選ぶ投資信託は、できる限り純資産総額が高いものを選ぶのがおすすめです。
なお、つみたてNISAは、平成30年1月から始まった制度であることから、まだまだ販売されて歴史が浅い投資信託もあるのですが、先に解説した信託報酬が低く、純資産総額が高い商品銘柄もありますので、証券会社などのホームページでしっかりと確認しておくことが大切といえます。
インデックスファンドかバランスファンドを選ぶこと
つみたてNISAで選ぶことができる投資信託には、「インデックスファンド」「アクティブファンド」「バランスファンド」の3種類があるのですが、その内、インデックスファンドとバランスファンドで約9割を占めています。
これは、つみたてNISAで資産運用をするということは、安定した資産運用と資産形成ができることを金融庁が推奨している1つの表れとも捉えることができ、長い時間を賢く活用することで、誰でも時間をお金に変えられる方法であると考えることができます。
つみたてNISAで資産運用をするのであれば、インデックスファンドかバランスファンドを選ぶことを推奨致しますが、この理由として、これらのファンドは、アクティブファンドに比べて、手数料が安いこと、値動きが安定していること、投資初心者の方や資産運用に詳しくない方であっても気楽に資産運用できるといった理由が考えられます。
何よりも、アクティブファンド全体に比べてインデックスファンドの方が多くの運用益を上げられているといったデータもあることから、多くの時間や手間を消費したあげく、楽に資産運用をすることができるインデックスファンドやバランスファンドに比べてパフォーマンスの劣ったアクティブファンドを選んでしまっては本末転倒です。
そのため、最初からアクティブファンドで大きな運用益を狙おうとするのではなく、安定した資産運用と、少しずつお金が増えていく感じを掴んでいくためにも、まずは、インデックスファンドやバランスファンドを選ぶことをおすすめ致します。
3. つみたてNISAでおすすめの投資信託を紹介
本項は、参考情報として、これからつみたてNISAでの資産運用を検討している方にお役立ていただきたいと思っておりますが、平成30年3月現在において、つみたてNISAでおすすめの投資信託を紹介していきます。
なお、国内とは「日本」、先進国とは、アメリカやドイツなどといった経済発展が大きく進んでいる国、新興国とは、「中国やインド」などといった経済発展途上の国を指しています。
国内株式ファンド
つみたてNISAで国内株式ファンドを選ぶのであれば、「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)」をおすすめします。
この理由として、信託報酬が、年率0.17%と非常に低いことに加え、インデックスファンドであることが大きな理由です。
すでに解説した純資産総額といった部分につきましては、販売されてから歴史が浅いものの、純資産総額が増加傾向にあり、かつ、信託報酬も低いことから、長い目で見た時に期待することができる商品銘柄であると考えられます。
先進国株式ファンド
つみたてNISAで先進国式ファンドを選ぶのであれば、「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」をおすすめします。
この理由として、信託報酬が、年率0.12%と非常に低いことに加え、インデックスファンドであることのほか、基準価額および純資産増額が増加傾向にあることが大きな理由です。
先進国株式ファンドの中では、信託報酬が非常に低いものであることに加え、今後の商品銘柄自体の成長性が期待でき、平成30年3月現在における先進国株式ファンドの中では、一押しと自信を持って言い切れる商品銘柄です。
新興国株式ファンド
つみたてNISAで新興国株式ファンドを選ぶのであれば、「EXE-i つみたて新興国株式ファンド」をおすすめします。
つみたてNISAで新興国へ投資するものの中では、最も信託報酬が低いことから、投資の対象になる商品銘柄であると思われる一方、新興国であるからこそのリスクやリターンの関係性もよく理解した上で投資をすることをおすすめ致します。
新興国株式ファンドに投資をするのであれば、国内株式ファンドや先進国株式ファンドと織り交ぜながら、資産配分(ポートフォリオ)をしっかりと考えた上で投資をしたいものです。
バランスファンド
つみたてNISAでバランスファンドを選ぶのであれば、「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) 」をおすすめします。
つみたてNISAの投資対象となっているバランスファンドの中では、最も低い信託報酬ではありませんが、国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内REIT、先進国REITといった8つの資産にそれぞれ12.5%ずつ組み入れた商品銘柄となり、安定度は抜群です。
ただし、つみたてNISAのように長期の資産運用で大きな資産形成をするためには、債券が含まれていることで残念ながら大きなリターンを期待することはできないため、この辺をよく考えた上で、投資対象とするかどうかを決めておくことが良いでしょう。
お金を預金へ寝かせておくくらいであれば、少しでも資産運用でより安定して増やしたいといった方であればバランスファンドもおすすめですが、20年間といった長い時間をフルに活用して大きな資産形成をしたいと考えている方であれば、投資対象に債券を含まずにすべて株式が組み入れられている投資信託で資産運用をすることが得策です。
4. まとめ ~つみたてNISAで投資する投資信託の選び方を解説~
本記事では、つみたてNISAで投資する投資信託の選び方についてわかりやすく解説を進めさせていただきましたが、どの銘柄商品を選んだとしても、あらかじめリターンやリスクを踏まえながら選ぶことが大切です。
安定した資産運用がしたいのか、大きな資産形成をしたいのか、それぞれの考え方によって資産運用の仕方や選ぶ商品銘柄は異なってきますが、つみたてNISAのように20年間といった長い時間をかけてじっくり資産運用をすることができる投資の場合、毎月少しずつ購入した投資信託の総保有数量が大きな効果を生じさせます。
徐々に値上がりした時も運用益を出すことができるほかに、値下がりを繰り返したとしても、最終的に「V字回復」のような値動きをした場合は、どんなにパフォーマンスが悪いダメなファンドであったとしても、最終的な運用益を出すことができる可能性のある投資が「つみたてNISA」です。
つまり、保有する投資信託の量を増やすことができれば、仮に、パフォーマンスの悪い投資信託を購入したとしても、投資信託の基準価額が回復して増加していくタイミングで運用益が出せることになるわけです。
そのため、様々な種類の商品銘柄に投資をするよりも1つに絞って多くの量を確保した方が大きな資産形成が成されることも確かなのです。
このような特徴や仕組みをしった上で、つみたてNISAでどのような商品銘柄を選び、どの程度の金額を投資するのか、ご自身の資産運用の仕方が、最終的な資産形成金額に直接結びつくわけでありますから、いま一度、本記事を再度確認いただきまして、迷うことのない資産運用を行っていただくことを切に願います。
最後に、つみたてNISAで積立投資ををスタートするためには、金融機関で専用口座を開設する必要があります。
以下のページで「どの会社で口座開設をして、つみたてNISAをスタートすべきか?」を解説していますので、ぜひ、こちらも呼んでくださいね!
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