つみたてNISAではドルコスト平均法で投資をしよう!ドルコスト平均法について解説
平成30年1月から始まる「つみたてNISA」の開始まで残りわずかではありますが、金融庁や日本証券業協会をはじめ、ネット証券のホームページなどから、つみたてNISAの概要や投資商品の詳細についてしっかりと確認できる状況が整うようになりました。
一例として、つみたてNISAで資産運用する金融商品は、投資信託や上場投資信託(ETF)に限られており、さらに、金融庁が定めたつみたてNISAの対象商品でなければならないことになっています。
また、つみたてNISAで資産運用をする時は、「積立方式」でなければならないとされていることから、資産運用の途中で対象商品を買い増しするようなこともできません。
このように、つみたてNISAには、様々なルール(縛り)があるのですが、本記事では、このルールの1つにあたる「ドルコスト平均法」について解説を進めていきます。
1. つみたてNISAで活用する「ドルコスト平均法」とは
一般に、投資信託等を毎月少しずつ購入して資産運用をする積立投資の方法には、「定額購入方法(ドル・コスト平均法)」や「定量購入方法」といった方法があります。
定額購入方法(ドル・コスト平均法)とは、毎回一定金額ずつ投資信託等を買い付ける方法のことをいい、たとえば、1ヶ月あたり10000円ずつに設定した場合、投資信託等の価格が高くても低くても10000円で買えるところまで買うといった積立投資方法になります。
一方、「定量購入方法」とは、毎回一定数量ずつ買い付ける方法のことをいい、たとえば、投資信託を1ヶ月あたり10000口(単位を口で表します)ずつに設定した場合、投資信託等の価格が高くても低くても10000口を買うといった積立投資方法になります。
定額購入方法(ドル・コスト平均法)」と「定量購入方法」をざっくりまとめたイメージは、以下の通りです。
「定額購入方法(ドル・コスト平均法)」は、投資信託の価値にあたる基準価額が安いときは多く購入し、基準価額が高いときは少なく購入することになるのですが、この結果、平均購入価額を安くすることができます(詳しくは、4.ドルコスト平均法によって、平均購入価額を安くできることってどういうこと?で解説します)
つまり、毎月均等額で定期的に投資信託等を購入するということは、「基準価額が上がった場合は、購入する数を減らし、基準価額が下がった場合は、購入する数を多くする」といった方法を自動的に行うことができるわけです。
これによって、専門的な知識や相場を判断するといったことは一切必要なく、機械的に投資信託等を購入していくことになるため、手間や負担がかからなくなるほか、どのようなタイミングで投資信託等を購入すれば良いのかといったことも考える必要がなくなります。
2. つみたてNISAは、買付方法が「ドルコスト平均法」に限られている
前項では、投資信託等を毎月少しずつ購入して資産運用をする積立投資の方法には、「定額購入方法(ドル・コスト平均法)」や「定量購入方法」といった方法があることを解説させていただきましたが、つみたてNISAで資産運用をするにあたりましては、買付方法が「定額購入方法(ドル・コスト平均法)」に限られているため注意が必要です。
出典:日本証券業協会 つみたてNISA 積立投資を知る
あくまでも買付方法が限定されているだけであり、「定額購入方法(ドル・コスト平均法)」が、定量購入方法に比べてどのように良いのか次項から計算例を紹介しながら解説を進めていきます。
3. 参考:ドルコスト平均法で買付する投資信託等の口数計算について
つみたてNISAを始めますと、ドルコスト平均法で買付する投資信託等の口数計算は、つみたてNISAの口座を開設した証券会社等のシステムによって自動で計算され表示されますので、わざわざ計算方法を覚える必要はありません。
しかし、「定額購入方法(ドル・コスト平均法)」は、投資信託の価値にあたる基準価額が安いときは多く購入し、基準価額が高いときは少なく購入することによって、平均購入価額を安くすることができると解説をさせてもらったことから、ここでは、参考例として、ドルコスト平均法で買付する投資信託等の口数計算を紹介していきます。
出典:日本証券業協会 つみたてNISA 積立投資を知る
★定額購入方法(ドル・コスト平均法)における買付口数の計算例
B:基準価額が9000円の場合
(10000÷9000)×10000=11,111口
C:基準価額が10800円の場合
(10000÷10800)×10000=9259口
こちらは余談となりますが、口数計算にあたり、小数点以下の端数処理につきましては、証券会社によって取り扱いが異なっておりますが、その多くは、切り上げ処理を行うことで、投資家の方が有利になるような処理が施されている場合が多いようです。
また、10000口を計算の基準としているのは、ずっと以前からのいわゆる「慣習」のようなものとされていることから、気にする必要はなく、実際につみたてNISAを始めて、証券会社等のシステムによって保有口数が表示される際は、10000口を基準としてため、難しく考えずに「そのようなもの」と考えておくのが無難でしょう。
4. ドルコスト平均法によって、平均購入価額を安くできることってどういうこと?
出典:日本証券業協会 つみたてNISA 積立投資を知る
上記イメージ図では、定額購入方法(ドル・コスト平均法)の1万口当たりの平均買付価格は「10,005円」、定量購入方法の1万口当たりの平均買付価格は「10,080円」となっており、定額購入方法(ドル・コスト平均法)の方が、確かに平均購入価額を安くできていることが確認できます。
では、平均購入価額を安くできることは、具体的にどういうことなのでしょう?
これは、上記イメージ図からE時点(現状)における、投資信託等の現在価値とトータルリターン(運用実績)を確認することでその答えが見えてきます。
★定額購入方法(ドル・コスト平均法)
E時点における保有投資信託等の現在価値:(11300÷10000)×49973口≒56499
トータルリターン:56499-50000(総買付金額)=6499(利益)
★定量購入方法
E時点における保有投資信託等の現在価値:(11300÷10000)×50000口=56500
トータルリターン:56500-50400(総買付金額)=6100(利益)
計算結果から明らかなように、平均購入価額を安くできることは、投資本来の目的にあたる多くの利益を得られることに繋がるわけです。
わずかな期間とわずかな金額でこのくらいの利益差が生じるということは、つみたてNISAの非課税期間が最大で20年間といったことを考慮し、この期間に渡って資産運用をすることを加味しますと、いかに多くの利益差が生じる可能性があるのかといったことがご理解できるのではないでしょうか。
つみたてNISAを活用して利益をより確実に上げるためには、見た目の金額がわずかであったとしても、ロスを確実に減らすことが求められます。
5. つみたてNISAの銘柄(商品)は、ロスが少ない!その理由とは
冒頭で、つみたてNISAで資産運用する金融商品は、金融庁が定めた対象商品でなければならない旨を伝えさせていただきましたが、これらの商品(銘柄)は、基本的に「ロスが少ない」といった特徴があります。
出典:金融庁 つみたてNISAについてより引用
つみたてNISAで資産運用をするには、上記イメージ図のように「公募株式投資信託」か「ETF」のいずれかでなければなりませんが、平成29年12月1日時点で、指定インデックス投資信託110本、指定インデックス投資信託以外の投資信託15本、ETF3本の合計128本の中から選択しなければならないことを意味します。
参考:金融庁 つみたてNISAの対象商品 つみたてNISA対象商品届出一覧(対象資産別)
一般に、投資信託は、ETFを含めると6,000種類以上もの銘柄があるとされている中で、たったの128本の中から選ばなければならないのは違和感を覚えてしまう方もおられるかもしれませんが、金融庁が指定しているこれらの銘柄(商品)は、一言でいうなれば「優良な投資信託等」に限定しているわけです。
つまり、投資初心者の方やこれからつみたてNISAで資産形成をしたいと考えている方にとってみますと、おかしな銘柄(商品)を選んでしまうリスクを減らしつつ、優良な投資信託を選べることに繋がるため、大きくはずれを引くとは考えにくいといったメリットが得られます。
金融庁としても、自助努力と自己責任の下で多くの方に資産形成を促したいといった目的があることから、厳選した投資信託等に限定し、さらに、これらを指定するための要件が定められているのです。
参考:金融庁 つみたてNISAについて
6. つみたてNISAとドルコスト平均法の組み合わせは、将来の資産形成に効果絶大
これまで、定額購入方法(ドル・コスト平均法)やつみたてNISAについて解説をさせていただきましたが、つみたてNISAとドルコスト平均法の組み合わせは、切り離すことができないものの、将来の資産形成に効果絶大であることは確かです。
たとえば、人生3大資金と言われる「住宅資金」「教育資金」「老後資金」といったまとまたお金を準備する目的で、つみたてNISAを活用して資産形成する方法は、非常に有効かつ典型的な投資目的パターンともいえます。
仮に、夫婦がそれぞれつみたてNISAで子どものための教育資金や自分たちの老後資金を準備するために資産運用を始めたものとし、標準的な平均利回り(3%)で1ヶ月15000円ずつ20年間継続投資をしたとすると、概算資産形成金額は、以下のような結果になります。
夫婦がそれぞれという設定から2人分ですと単純計算で9,849,060円が最終資産形成金額になると考えることができます。
20年間の総投資元金:3,600,000(15000×12ヶ月×20年)
20年後の概算資産形成額:4,924,530
20年間の概算運用益:4,924,530-3,600,000=1,324,530(1年あたり約66,226の利益)
また、最終的な資産形成金額を決めて逆算することも可能で、たとえば、子どもにかかる大学費用や仕送りを考慮して、2人分で2000万円を用意しておきたいと考えたとします。
参考:楽天証券 積立かんたんシミュレーション
つみたてNISAの利益に対して税金がかからない20年間で2000万円を用意するには、1ヶ月あたり60,920円の積立が必要であることが確認でき、家計の状況や将来の考え方によって柔軟にシミュレーションしてみるのも、つみたてNISAとドルコスト平均法を有効に活用するための1つの方法と言えるでしょう。
7. まとめ ~つみたてNISAではドルコスト平均法で投資をしよう!ドルコスト平均法について解説。~
本記事を通じて、つみたてNISAとドルコスト平均法の繋がりや活用するメリットについてご理解していただくことができたと思います。
「定額購入方法(ドル・コスト平均法)」は、毎月一定金額の投資になるため、ご自身や家計の懐具合に合わせて無理なく活用することができ、併せて、つみたてNISAという制度そのものを活用するための条件に大きな縛りは基本的に設けられておりません。
そのため、誰でも気軽に始められるメリットがあるほか、従来のNISAに比べて、つみたてNISAで受けられる恩恵は、広く幅広い世帯で平準化している点も大きなポイントです。
つみたてNISAは、最大で20年間という資産運用している期間が非課税であることから、投資信託等を積立で行う、積立投資(投信積立)で活用しないのは、あまりにもロスが大きすぎるのも確かです。
20年間という長期の時間を有効に活用するのも、活用しないのもご自身の考え方次第となりますが、無料でつみたてNISAを始められ、多くの方にとって必要となる「住宅資金」「教育資金」「老後資金」といった人生3大資金のいずれかを貯めるには、やはり、平成30年1月から制度が始まるつみたてNISAを検討したいものです。
つみたてNISAや従来のNISAには、それぞれのルールや特徴がありますので、本記事の解説を再確認しながら、併せて、つみたてNISA口座の開設手続き前に情報や内容をしっかりと確認されることをおすすめ致します。
最後に、つみたてNISAで積立投資ををスタートするためには、金融機関で専用口座を開設する必要があります。
以下のページで「どの会社で口座開設をして、つみたてNISAをスタートすべきか?」を解説していますので、ぜひ、こちらも呼んでくださいね!
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