つみたてNISAは、毎月一定金額ずつ投資信託等を購入して資産運用をする積立投資にあたり、10年や20年といった長い時間をかけてお金を貯めながら増やすことができる少額投資非課税制度になります。
少額投資非課税制度は、これまであったNISAが代表的ですが、平成30年1月よりつみたてNISAも始まったことに伴い、NISAかつみたてNISAのいずれかを選択して活用することができるようになっています。
つみたてNISAは、ご自身が決めた金額を指定した日に証券口座などを通じて投資金額が自動的に引き落としされて投資信託等を買付する仕組みになっているのですが、ボーナスの一部をつみたてNISAで上乗せ投資することも可能となっており、使い方1つで効率よくお金を貯めながら増やすことができます。
このようなことを踏まえまして本記事では、つみたてNISAでボーナスを上手く使った投資方法について焦点をあて、幅広く紹介を進めていきたいと思います。
1. つみたてNISAの投資上限金額について
つみたてNISAには、年間の投資上限金額が設けられており、毎年1月1日から12月31日までの1年間で40万円以内となるように投資金額を設定しておかなければなりません。
また、つみたてNISAは、ご自身で決めた一定金額を毎月積立投資する必要があることから、1ヶ月に積立投資することができる金額は、単純計算で約33,333円となります。
2. つみたてNISAでは、ボーナス月の設定ができる場合がほとんど
先に解説をさせていただきましたように、つみたてNISAは、ご自身が決めた一定金額を毎月積立投資するのが原則的な投資方法ですが、年2回までボーナス月の設定をすることで、上乗せで投資することができる特徴があります。
ただし、つみたてNISAを始める金融機関によっては、ボーナス月の設定ができない金融機関もあるため、ボーナスも併用した資産運用を検討している方、もしくは、将来を考慮した時にボーナスも併用した資産運用をするかもしれないと感じている方などは、つみたてNISAを始める金融機関選びを慎重に行う必要があります。
つみたてNISA(NISA含む)は、1人1口座までの開設しかできないことに加え、複数の金融機関でつみたてNISAの口座を開設することはできませんので、仮に、つみたてNISAの口座を開設した金融機関でボーナス月の設定ができない場合、ご自身が意図している資産運用ができないデメリットが生じます。
一度開設したつみたてNISA口座を他の金融機関へ移換することは可能ですが、手続きに手間や時間がかかるため、無駄な労力を避けるためにも、当初から先を見据えて金融機関を選ぶことが大切です。
3. ボーナスを使えば、年間上限額40万円ピッタリの投資ができる
つみたてNISAは、1年間の投資上限金額が40万円と決まっているため、仮に、1ヶ月あたり33,333円を積立投資したとしても、年間の投資上限額をフルに活用することはできません。
逆に、1ヶ月あたりの積立金額を少なく設定し、ボーナスの時に多く上乗せしたいと考えている方にとってみますと、ボーナスを併用することによって、40万円までフルに投資枠を活用することも可能です。
なお、ボーナス設定を活用するイメージは以下の通りです。
- 例1:月々の積立 10,000円 ボーナス 140,000円×2回
- 例2:月々の積立 20,000円 ボーナス 80,000円×2回
- 例3:月々の積立 30,000円 ボーナス 20,000円×2回
上記のように、つみたてNISAでボーナスを活用することによって、年間上限金額までフル活用することができるのですが、やはり気になることと言えば、このような資産運用を継続することによって、どのくらいのお金を準備することができるのかといったことではないでしょうか。
そこで次項では、つみたてNISAでボーナス設定する効果はどの程度得られるのか検証したものを紹介していきたいと思います。
4. つみたてNISAでボーナス設定する効果は、どの程度得られるのか?
つみたてNISAは、少額から始められ、手元にまとまったお金が無くても始められる資産運用であることから、広く多くの皆さんが始めやすい特徴がある制度です。
とはいえ、毎月つみたてNISAへ回すことができる金額やボーナス設定することが可能な金額というものは、個々によって異なることが考えられるため、本項では、原則的なつみたてNISAの資産運用方法とボーナスも併用した資産運用方法の結果を併せて紹介していきたいと思います。
また、資産運用の仕方につきましても、低いリスクでとにかく安定した資産運用を希望している方から、高いリスクを取ったとしても大きなリターンを得たい方まで考え方が様々であることも考慮し、ローリスク・ローリターンで資産運用をした場合から、ハイリスク・ハイリターンで資産運用した場合まで幅広く検証しております。
ご自身が、つみたてNISAで資産運用したい方法を参考にしていただくことで、よりイメージがわきやすいものとなっておりますので、以下、シミュレーションの前提条件を確認しながら目通しされることをおすすめ致します。
シミュレーション(検証)の前提条件
- 利回り3%は、ローリスク・ローリターンの資産運用としております
- 利回り5%は、ミドルリスク・ミドルリターンの資産運用としております
- 利回り7%は、ハイリスク・ハイリターンの資産運用としております
- 例1のケースは、月々の積立 10,000円 ボーナス 140,000円×2回とします
- 例2のケースは、月々の積立 20,000円 ボーナス 80,000円×2回とします
- 例3のケースは、月々の積立 30,000円 ボーナス 20,000円×2回とします
- 20年間、資産運用を継続して行うものとし、途中換金はしないものとします
利回り3%で20年間、資産運用した場合
資産運用方法 | 20年間の総投資金額 | 概算資産形成金額 | 20年間の概算運用益 |
---|---|---|---|
毎月1万円ずつ | 240万円 | 3,268,381円 | 868,381円 |
毎月2万円ずつ | 480万円 | 6,536,916円 | 1,736,916円 |
毎月3万円ずつ | 720万円 | 9,805,464円 | 2,605,464円 |
例1のケース | 800万円 (40万円×20年) |
10,848,101円 | 2,848,101円 |
例2のケース | 10,868,196円 | 2,868,196円 | |
例3のケース | 10,888,282円 | 2,888,282円 |
利回り5%で20年間、資産運用した場合
資産運用方法 | 20年間の総投資金額 | 概算資産形成金額 | 20年間の概算運用益 |
---|---|---|---|
毎月1万円ずつ | 240万円 | 4,057,832円 | 1,657,832円 |
毎月2万円ずつ | 480万円 | 8,115,880円 | 3,315,880円 |
毎月3万円ずつ | 720万円 | 12,173,930円 | 4,973,930円 |
例1のケース | 800万円 (40万円×20年) |
13,430,608円 | 5,430,608円 |
例2のケース | 13,471,761円 | 5,471,761円 | |
例3のケース | 13,512,896円 | 5,512,896円 |
利回り7%で20年間、資産運用した場合
資産運用方法 | 20年間の総投資金額 | 概算資産形成金額 | 20年間の概算運用益 |
---|---|---|---|
毎月1万円ずつ | 240万円 | 5,075,107円 | 2,675,107円 |
毎月2万円ずつ | 480万円 | 10,150,488円 | 5,350,488円 |
毎月3万円ずつ | 720万円 | 15,225,827円 | 8,025,827円 |
例1のケース | 800万円 (40万円×20年) |
16,751,343円 | 8,751,343円 |
例2のケース | 16,822,611円 | 8,822,611円 | |
例3のケース | 16,893,863円 | 8,893,863円 |
シミュレーション結果を全体的に見て考えられることとして、ボーナスを併用してつみたてNISAを行う場合、リスクの取り方によってリターンの違いはあるものの、積立金額が1万円であろうと3万円であろうと、最終的に形成される概算資産形成金額に大きな差が生じていないことが確認できます。
つまり、つみたてNISAでボーナスを併用して資産運用することによって、20年間で準備できるお金は、概ね決まることになると考えられ、後は、ご自身が選択したリスクの取り方(ローリスク、ミドルリスク、ハイリスク)によって、自ずとリターンも決定することになるといえます。
例1のように、1ヶ月あたり10,000円ずつ資産運用し、年2回のボーナス時に140,000円をそれぞれ投資するのは、少々現実味から外れていると思われますが、例2の月々の積立 20,000円、ボーナス80,000円×2回や例3の月々の積立30,000円、ボーナス 20,000円×2回といった投資方法であれば、現実的な方法であるように感じられます。
これらのシミュレーション結果を踏まえますと、たとえば、月々25,000円ずつでボーナス時にそれぞれ50,000円ずつや月々15,000円ずつでボーナス時にそれぞれ110,000円ずつなどの方法によっても、概算資産形成金額がさほど変わらないと推測できます。
5. ボーナス設定は、無理をしない範囲内で行いましょう
ボーナスは、「不確定給与」と呼ばれることもあり、公務員などを除き、必ずしも支給されるものではないお金に加えて、勤務先の業績に大きく左右される特徴があるものになります。
そのため、つみたてNISAでボーナス設定をする時は、無理をしない範囲内で行うことが最低条件として求められます。
つみたてNISAでボーナス設定をすることによって、毎月積立投資をする場合に比べて大きな資産形成をすることができるのは確かである一方、重要なことは、つみたてNISAを始める際にあらかじめ決めた投資目標金額について、ボーナスを設定しなければ達成できないのか、ボーナス設定しなくても達成することができるのか、ご自身で把握しておくことになります。
たとえば、子どもが大学へ進学するための教育資金をつみたてNISAで準備しておきたいと投資目的を決め、そのための金額として4年間での総額900万円を見積もったと仮定します。
この時、1ヶ月あたり30,000円を積立することができるのであれば、たとえ、ローリスク・ローリターンであったとしても、ボーナス設定をすることなくお金を準備できることがわかります。
利回り3%で20年間、資産運用した場合
資産運用方法 | 20年間の総投資金額 | 概算資産形成金額 | 20年間の概算運用益 |
---|---|---|---|
毎月1万円ずつ | 240万円 | 3,268,381円 | 868,381円 |
毎月2万円ずつ | 480万円 | 6,536,916円 | 1,736,916円 |
毎月3万円ずつ | 720万円 | 9,805,464円 | 2,605,464円 |
例1のケース | 800万円 (40万円×20年) |
10,848,101円 | 2,848,101円 |
例2のケース | 10,868,196円 | 2,868,196円 | |
例3のケース | 10,888,282円 | 2,888,282円 |
このように、つみたてNISAを始める上で投資目的と投資目標金額が明確であれば、自ずとボーナス設定をするべきなのか、ボーナス設定しなくても良いのかが確認できるため、この2つの点につきましては、特に注意を払っておきたいものです。
6. まとめ
つみたてNISAで資産運用をする上で、ボーナスを活用し、年間投資上限金額をフルに活用することで大きな資産形成を成せることは確かです。
ただし、投資上限金額が決まっていることから、ボーナスを活用したとしても20年間で準備することができる金額には限りがありますので、投資目的や投資目標金額が、つみたてNISAを始める目的と合致しているかどうかについては、必ず確認しておくようにして下さい。
また、ボーナスを併用した積立投資と資産形成金額のシミュレーションは、複雑なこともあるため、つみたてNISAを始める予定の金融機関、もしくは、FPなどの専門家へシミュレーションを依頼するなどして、投資目的や投資目標金額をより確実に達成できるためには、どのようにしたら良いのか確認してみることをおすすめします。
最後に、つみたてNISAで積立投資ををスタートするためには、金融機関で専用口座を開設する必要があります。
以下のページで「どの会社で口座開設をして、つみたてNISAをスタートすべきか?」を解説していますので、ぜひ、こちらも呼んでくださいね!
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