つみたてNISAは、平成30年1月より始まった少額投資非課税制度のことをいい、最大で20年間、投資で得た利益に対して税金がかからない制度です。
つみたてNISAは、これまでにあったNISAと同じように、金融機関でNISA口座を無料で開設する手続きなどを経て始められるものとなりますが、日本に住んでいる方でつみたてNISAを始める年の1月1日時点で20歳以上であれば、誰でも始められます。
つみたてNISAが、従来のNISAと特に異なる点は、20年間税金がかからないことに加え、広く多くの年齢や世帯の方が、将来に向かって「お金を貯めながら増やす」といった一石二鳥の効果を長い時間をかけながら得られるようになったところにあります。
このようなことを踏まえまして本記事では、それぞれの年代がつみたてNISAを始めることによって得られる効果や活用方法について解説を進め、併せて、つみたてNISAを始めることでどの程度のお金を貯めながら増やすことができるのか?といった、多くの皆さまが気になる点についても紹介していきます。
1. つみたてNISAの活用方法を年代別に考えてみる
はじめに、つみたてNISAを様々な年代で始めた場合に得られる効果や活用方法について解説を進めていきますが、その前に、つみたてNISAの大まかな仕組みについて確認しておきましょう。
つみたてNISAは、金融庁が指定した投資信託やETF(上場投資信託)で資産運用(お金を貯めながら増やす)をすることになるのですが、毎月一定金額の投資信託やETF(上場投資信託)を積立方式で購入しながら資産運用をする方法に限られるといった特徴があります。
また、投資金額は年間で40万円までとされており、1ヶ月あたりの投資金額は、約33,000円が最高投資金額となりますが、つみたてNISAを始める金融機関によっては、1ヶ月あたり100円から始められるところもあるため、投資初心者であったとしても、大きな経済的負担を抱えずにお試しで始められるメリットもあります。
これらを踏まえた上で、つみたてNISAの活用方法を年代別に考えていきますので、以下、参考にしていただければと思います。
つみたてNISAを20代から始めた場合の活用方法
つみたてNISAを20歳から29歳といった20代から始めた場合の活用方法は、非常に幅が広く、一例として以下のような活用が考えられます。
- 将来のための結婚資金
- 住宅購入のための頭金や住宅購入資金
- 子どものための教育資金
- 自動車購入資金
- 将来のための老後資金
20歳から29歳といった20代は、上記のような将来起こり得る「ライフイベント」が多々あると考えられるため、ご自身の考え方によって、どのような資金として活用することも可能な点は、つみたてNISAを始める上での大きな強みと言えるでしょう。
一般に、独身の20代は、「自由に使えるお金が多い」とされる一方で、20代全体は、収入がさほど高くないといった特徴があることから、自由に使えるお金が多いものの、余裕のある範囲は広くないと考えられます。
そのため、将来に向けてある程度まとまったお金について、計画的に時間をかけて用意するつみたてNISAは、無理なく始められ、かつ、預金に比べてリターンが大きな特徴があるため、お金を貯めながら増やすといった意味において活用しやすいものと考えられます。
なお、つみたてNISAは、金融機関によって1ヶ月あたり100円から始められる特徴があることから、いわば超少額からでも始められるため、お金に余裕がないときや投資経験を得るといった目的で始めてみるのも良いでしょう。
つみたてNISAは、「長期間の資産形成ができる」「いつでも解約して現金化することができる」といったことも理解した上で、将来に向けて賢く活用したいものです。
つみたてNISAを30代から始めた場合の活用方法
つみたてNISAを30歳から39歳といった30代から始めた場合の活用方法は、20代と同じように幅が広く、かつ、まとまったお金が今後、入り用な世代でもあると考えられます。
つみたてNISAを30代から始めた場合の考えられる活用方法は以下の通りです。
- 住宅購入のための頭金や住宅購入資金
- 子どものための教育資金
- 自動車購入資金
- 将来のための老後資金
30歳から39歳といった30代も、基本的には20代と主な活用方法は変わりませんが、ある程度、収入が安定してくる一方で、将来起こり得る様々な「ライフイベント」に不安や懸念を抱く年代でもあると思われます。
30代の夫婦世帯や共働き世帯といった状況にあるのであれば、夫婦それぞれがつみたてNISAを始めることで、懸念している様々なライフイベント対策になることは確かです。
そのため、夫婦で話し合いをしながら、家計の懐具合を確認し、賢くつみたてNISAを始めることができれば、将来に向けてかなり余裕の持った家計が形成できると考えられます。
つみたてNISAを40代や50代から始めた場合の活用方法
つみたてNISAを40歳から59歳といった40代や50代から始めた場合の活用方法は、20代や30代に比べて、子どもではなく、自分達の将来のために備える目的が主だったものになると考えることもできます。
つみたてNISAを40代や50代から始めた場合の考えられる活用方法は以下の通りです。
- 将来のための老後資金
- 子どもの結婚資金
- 孫の教育資金
- 将来の老後にかかる医療費、介護費用、葬式費用の備え
40歳から59歳といった40代や50代は、ケース・バイ・ケースではありますが、子どもの高校や大学等へ進学する教育費用をはじめ、時には、両親の医療費、介護費用、葬式費用といったお金まで負担しなければならない場合もあると考えられます。
まとまったお金がとにかく入り用な世代であることが多いと考えられるため、早い年代からつみたてNISAを始めておくことに越したことはありませんが、40代や50代は、大きなお金を支出してしまう機会が多い可能性があることを踏まえますと、将来に備えた自分達の対策がどうしても疎かになってしまうことも考えられます。
そのため、夫婦で話し合いをしながら、家計の懐具合を確認し、ご自身の将来も視野に入れた資金対策が求められるでしょう。
つみたてNISAを60代以降から始めた場合の活用方法
つみたてNISAを60代以降から始めた場合の考えられる活用方法は以下の通りです。
- 孫の結婚資金
- 孫の教育資金
- ご自身の医療費、介護費用、葬式費用の備え
- 相続や贈与対策
これまでの年代とは活用方法が大きく異なっている部分があることも確認できますが、やはり、子どもや孫といった後世に対してお金の面で迷惑をかけないようにするためにも、特に「ご自身の医療費、介護費用、葬式費用の備え」は、しっかりとできているか再度確認しておきたいものです。
つみたてNISAで貯めながら増やしたお金は、「ご自身の医療費、介護費用、葬式費用の備え」のいずれにも活用することができるほか、すでに生命保険等で対策がしっかりと取れている場合は、「相続や贈与対策」として財産を後世に残してあげられる1つのきっかけになることは確かです。
子や孫へ経済的な負担をかけることは、後世に対する今後の人生に影響することも決して否めませんので、できる限り、ご自身にかかるお金のことは、自分達で解決できる対策をとっておくことが望ましいでしょう。
2. つみたてNISAで貯められる金額を投資金額別に紹介します
つみたてNISAの活用方法を年代別に紹介させていただきましたが、実際に、つみたてNISAを始めることで、どのくらいのお金を貯めながら増やすことができるのか?やはり気になるところだと思います。
そこで本項では、つみたてNISAを毎月1万円、2万円、3万円、3.3万円を20年間、継続して資産運用を行った場合に、貯められる概算金額を表にまとめて紹介します。
現在、銀行の預金へお金を預けたとしても、利息収入に期待することはできず、将来に必要な十分なお金を用意しておくためには、預金をすること自体も大切なことである一方、お金を貯めながら増やすといった柔軟な考えと行動が求められる時代になっています。
この辺を踏まえた上で、以下、紹介する表の金額を参考に、つみたてNISAを活用して将来の必要なお金を用意するための対策を取っておきたいものです。
なお、以下、シミュレーションにかかる注意事項となります。
- 表の金額は、あくまでもシミュレーションであり、将来の成果を約束するものではありません
- 期待利回りは、分配金を再投資し複利計算を行ったものです
- 申込手数料や税金等は控除しないものとします
つみたてNISAを月10,000円ずつ投資した場合の資産形成金額を計算してみた
利回り | 総資産額(お金を貯めながら増やせた金額) | 総投資額(20年間で貯めることができたお金) | プラス額(20年間で増やすことができたお金) |
---|---|---|---|
1% | 2,655,612円 | 2,400,000円(10000円×12ヶ月×20年) | 255,612円 |
3% | 3,283,020円 | 883,020円 | |
5% | 4,110,337円 | 1,710,337円 | |
8% | 5,890,204円 | 3,490,204円 |
つみたてNISAを月20,000円ずつ投資した場合の概算資産形成金額
利回り | 総資産額(お金を貯めながら増やせた金額) | 総投資額(20年間で貯めることができたお金) | プラス額(20年間で増やすことができたお金) |
---|---|---|---|
1% | 5,311,225円 | 4,800,000円(20000円×12ヶ月×20年) | 511,225円 |
3% | 6,566,040円 | 1,766,040円 | |
5% | 8,220,673円 | 3,420,673円 | |
8% | 11,780,408円 | 6,980,408円 |
つみたてNISAを月30,000円ずつ投資した場合の概算資産形成金額
利回り | 総資産額(お金を貯めながら増やせた金額) | 総投資額(20年間で貯めることができたお金) | プラス額(20年間で増やすことができたお金) |
---|---|---|---|
1% | 7,966,837円 | 7,200,000円(30000円×12ヶ月×20年) | 766,837円 |
3% | 9,849,060円 | 2,649,060円 | |
5% | 12,331,010円 | 5,131,010円 | |
8% | 17,670,612円 | 10,470,612円 |
つみたてNISAを月33,000円ずつ投資した場合の概算資産形成金額
利回り | 総資産額(お金を貯めながら増やせた金額) | 総投資額(20年間で貯めることができたお金) | プラス額(20年間で増やすことができたお金) |
---|---|---|---|
1% | 8,763,521円 | 7,920,000円(33,000円×12ヶ月×20年) | 843,521円 |
3% | 10,833,966円 | 2,913,966円 | |
5% | 13,564,111円 | 5,644,111円 | |
8% | 19,437,674円 | 11,517,674円 |
参考:楽天証券 積立かんたんシミュレーションより
3. つみたてNISAとNISAは、併用することができない点に注意
つみたてNISAは、これまであったNISAと同様に金融機関を通じて「NISA口座」と呼ばれる証券口座を無料で開設する手続きが必要になります。
この口座が無事開設されることによって、つみたてNISAを始められることになるのですが、注意点として、つみたてNISAとNISAの制度をどちらも活用することは認められておらず、いずれか一方の制度を選択しなければなりません。
そのため、初めてつみたてNISAもしくはNISAを始める方は、それぞれの制度の特徴をしっかりと把握した上で、どちらの制度を活用するのが得策なのか、あらかじめ検討しておく必要があります。
ちなみに、株式投資や投資金額が年間120万円までの投資を行う予定があるのであれば、「NISA」、月額約33,000円までの投資金額で、長い時間をかけて、より確実にお金を貯めながら増やしたいと考えている方であれば「つみたてNISA」が適していると思われます。
なお、すでにNISA口座を開設されている方は、つみたてNISAに変更をすることが可能となりますが、1月1日から12月31日までの1年間を通じて、すでにNISA口座を活用して資産運用をしている場合は、つみたてNISAに変更になるのが翌年からとなりますので、注意が必要であり、あらかじめNISA口座を開設している金融機関へ問い合わせてみることが望ましいでしょう。
4. つみたてNISAに回すお金について考えてみよう
つみたてNISAは、投資信託もしくはETF(上場投資信託)を活用した資産運用にあたることから、いわば「投資」としての性質があることは確かですが、株式投資やFXといった短期的に利益を上げるためのものではないことを確実に理解しておかなければなりません。
また、つみたてNISAは、長期の資産運用によって将来のためのお金を「貯めながら増やすことができる」といった性質のものであることも理解しておく必要があります。
つまり、本来ならば、投資は余裕のある資金の範囲内で行うべきものではあるものの、つみたてNISAは、普段から将来のことを考えて貯めている「貯蓄」の方法を変えることで事足りることを意味します。
たとえば、1ヶ月あたり1万円を貯蓄しているだけならば、5000円を貯蓄へ回し、残りの5000円をつみたてNISAへ回すといった配分を工夫するだけで足りるといった意味です。
どちらの方法も将来のお金を貯めるといった共通の目的があるため、自分の懐具合に合った無理のない貯め方を実行することが重要であり、つみたてNISAへ回すお金を捻出するために、無理な節約やストレスを抱えることは得策とは言えません。
このような考え方を実行することができるだけで、将来のお金を貯めながら多く増やすことができ、かつ、効率的であることを知っておきたいものです。
5. まとめ ~つみたてNISAは20歳から始められる!いくつから投資を始めるべきか?~
つみたてNISAは、基本的に日本国内に住んでいる20歳以上の方が誰でも始められる制度であり、「お金を貯めながら増やす目的」があれば、現在の年齢を問わず、何歳からでも始めるべきものであると考えられます。
なぜならば、仮に、同じ時期に20歳からつみたてNISAを始めたとしても40歳からつみたてNISAを始めたとしても、同じ銘柄の投資信託等で20年間、資産運用をした結果は同じになるためです。
つまり、資産運用の非課税期間が最大で20年間といった範囲があるため、たとえば、個人型確定拠出年金(iDeCo)のように、資産運用の終わりが60歳までで、20歳は40年間の資産運用期間、40歳は20年間の資産運用期間といったような差が、つみたてNISAの場合は生じることがありません。
そのため、年齢が何歳であったとしても、将来に向かって「お金を貯めながら増やす目的」があるのであれば、積極的につみたてNISAを活用する方が得策とだと考えられるわけです。
ただし、一般的にお金のことを考えた時、子どもが誕生してから社会人になって自立するまでに多くのお金が入り用になるといったライフプランを考えますと、やはり、20代や30代といった若い内からつみたてNISAを活用して備えをしておくのが効果的かつ効率的だと考えることができそうです。
最後に、つみたてNISAで積立投資ををスタートするためには、金融機関で専用口座を開設する必要があります。
以下のページで「どの会社で口座開設をして、つみたてNISAをスタートすべきか?」を解説していますので、ぜひ、こちらも呼んでくださいね!
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