平成30年1月から「つみたてNISA」が始まりました。現行のNISAで資産運用をされている方も多いと思います。
実際に、現行のNISAで資産運用をされている方であれば、すでにNISA口座を開設している金融機関よりつみたてNISAに移行するための手続きについて案内がされているはずです。また、金融機関のホームページで手続き方法が案内されています。
しかしながら、実際にNISAからつみたてNISAに移行する上でのいくつかの注意点があり、どちらの制度を活用しようか悩んでおられる方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、つみたてNISAに移行するときの注意点についておさらいをしつつ、それに加えて、NISAからつみたてNISAへの移行方法について解説を進めていきます。
1. まずは、つみたてNISAの注意点を再度確認しよう
はじめに、つみたてNISAに関する注意点について、再度おさらいをしてます。
ここでは、金融庁のホームページに記載されている内容をもとに解説を進めていきます。

出典 金融庁「つみたてNISAの概要 つみたてNISAに関する注意点」より引用
現在、NISAで資産運用をされている方は、NISAとつみたてNISAは、併用することができません。つまり、どちらか一方の制度を利用しなければならないということです。
また、現在、取引している金融機関にNISA口座を開設している場合は、別の金融機関で新たにつみたてNISA口座を開設することもできません。
NISAおよびつみたてNISAの口座は、1人1口座が原則です。
なお、現在、NISAを活用し、つみたてNISAに変更をする場合は、変更手続きに対して期限が設けられており、たとえば、平成30年からつみたてNISAで資産運用をしたい場合は、平成29年10月から12月中にNISA口座を開設している金融機関に対して変更の手続きを行う必要があります。
一般に、NISAとつみたてNISAは、年単位での資産運用となりますが、平成30年はつみたてNISAを活用、平成31年は、NISAを活用といった具合にご自身の状況に応じた変更をすることは可能です。
2. NISAからつみたてNISAに切り替える場合における保有資産の取り扱いと注意点
現在、NISAを活用して資産運用をされている場合、つみたてNISAに切り替えることによって現在保有している投資資産の取り扱いや注意点が気になると思います。
そこで本項では、これらの取り扱いや注意点について個別に解説を進めていきます。
NISAで投資している商品をつみたてNISAに移行することはできません
現在、NISA口座で資産運用している商品(銘柄)を新たにつみたてNISAに変更することによって移行(ロールオーバー)することはできないことになっています。
なお、ロールオーバー(非課税期間終了時)の解説は、以下の通りです。
非課税期間が終了した際には、NISA口座・ジュニアNISAで保有している金融商品を翌年の非課税投資枠に移行(移管)することができます。この移管のことを「ロールオーバー」と呼んでいます。なお、ロールオーバー可能な金額に上限はなく、時価が120万円を超過している場合も、そのすべてを翌年の非課税投資枠に移すことができます
出典 金融庁「用語集 ロールオーバー(非課税期間終了時)とは」より引用
そのため、NISA口座で運用したお金をつみたてNISAの運用式にしたい場合は、1つの方法として一度保有しているすべてを売却する方法があります。
以下、「スイッチング」について解説しておりますので参考までにお目通しいただくことをおすすめ致します。
スイッチングとは、保有している金融商品を売却し、別の金融商品を購入することで入れ替えることです。このスイッチングをNISA口座・ジュニアNISA口座で行う場合、売却しても、その分の非課税投資枠を再利用できず、購入するためには、その年の非課税投資枠を新たに利用することになります。
出典 金融庁「用語集 スイッチングは非課税投資枠を使用する」より引用
これまでのNISAで作った資産は、5年間は非課税
NISAからつみたてNISAに変更する際、現在までにNISAで資産運用した保有資産につきましては、引き続き非課税期間内までは保持することが可能となっています。
そのため、スイッチングを行って保有している資産をすべて売却しなければならないわけではなく、NISAの非課税期間内までなら追加投資はできないものの、資産を引き続き持ち続けることは可能となります。
3. 同じ金融機関でNISA口座からつみたてNISA口座に切り替える方法
これまで、つみたてNISAの注意点について再確認をしてきましたが、ここからは、NISA口座からつみたてNISA口座に変更するための方法について解説を進めていきます。
なお、本項における変更手続き解説につきましては、同じ金融機関内で行うものとし、他の金融機関につみたてNISA口座を移行する場合につきましては、現在、NISA口座を開設している金融機関に問い合わせ、同金融機関の指示に従うようにして下さい。
年内に通常NISAで投資を行っていない場合
年内に通常NISAで投資を行っていない場合でつみたてNISAで資産運用をする場合は、つみたてNISAの口座開設をする必要があります。
実際に、株式投資や積立投資(投信積立)をしている方で、NISA口座を未開設で、かつ、NISA口座を活用していないという方は、あまり多くはないと思いますが、いずれにしましても、通常NISAで投資を行っていない場合でつみたてNISAで資産運用をする場合は、取引している金融機関に対してつみたてNISAの口座開設をする必要があります。
以下、参考までに、SBI証券でつみたてNISAの口座開設をする流れについて、同社ホームページを参考に紹介します。
- STEP 1 NISA口座(NISA/つみたてNISA)開設に必要な書類請求をする
- STEP 2 必要書類を申込金融機関に対して返送する
- STEP 3 金融機関が、必要書類を確認し、代わりにNISA口座開設を税務署に申請します
- STEP 4 申込金融機関よりNISA口座開設完了の連絡がくる
参考 SBI証券「NISA・つみたてNISA 口座開設の流れ」
基本的にNISAやつみたてNISAの口座開設の手続きにおいて、金融機関による違いというものはなく、どこの金融機関においても流れは共通しています。
通常、金融機関より、NISAスターターキットと呼ばれるものが郵送で届き、案内にしたがって手続きを進めることで簡単に手続きを終えることができますが、マイナンバーのほか、住民票や戸籍関係のいずれかの公的証明書が手続きには必要となりますので、役所等で早めに準備し返信することがポイントです。
仮に、手続上、書類への不備があった場合は、言うまでもなく口座開設が遅れ、時には、1年を通じてNISA口座やつみたてNISA口座で資産運用ができなくなるといった恐れもあることから、日数や時間には、余裕を持った手続きが必要になると考えることができるでしょう。
年内に既に通常NISAで投資を行っている場合
年内に既に通常NISAで投資を行っている場合でつみたてNISA口座に切り替える場合は、すでに解説をさせていただきましたように、年内10月から12月中にNISA口座を開設している金融機関に対して変更の手続きを行う必要があります。
具体的には、NISA口座を開設している金融機関に対して、NISAからつみたてNISAに変更する旨を申出することで、後日、郵送等で変更手続きに必要な書類が自宅へ届きます。
これに署名し、金融機関へ返信するだけで後の手続きは金融機関で行うことになり、数日後には、変更完了の連絡がメールなどでお知らせされる流れとなります。
4. つみたてNISAへの変更は、投資の目的にあわせて切り替えるかを決めよう!
これまで、つみたてNISAに移行する解説を進めさせていただきましたが、やはり大切なことは、投資の目的に合わせて切り替えるかどうかを決めることになります。
つみたてNISAは、少額の投資金額が非課税の対象ではあるものの、その非課税期間が20年と長い特長があることから、たとえば、子どもの教育資金や結婚資金のための投資目的で利用するのも向いている活用の仕方であると思われます。
少なくとも、長期的な資産形成を考えているのであれば、NISAよりもつみたてNISAの方が有効活用できることが十分考えられることから、投資目的が長期の資産形成ということであれば、NISAよりもつみたてNISAを活用することをおすすめ致します。
ただし、株式投資などで大きく短期的な利益を狙いたいのであれば、そもそもつみたてNISAは、投資対象とならないことから、従来通りNISAを引き続き活用するべきでしょう。
このように、投資する目的が何なのか?によって、NISAを活用するのか、つみたてNISAに切り替えるのか?を決める必要があります。
5. まとめ ~NISAからつみたてNISAへの移行方法を解説。どのように切り替えれば良いかを知ろう~
NISAからつみたてNISAへの移行に関しましては、NISA口座を開設している金融機関に対して連絡することで費用もかかることがなく簡単に変更手続きをすることが可能です。
ただし、新規でつみたてNISA口座を開設する場合や現在の金融機関から他社の金融機関へつみたてNISAの口座を移行する場合は、手間や時間がかかることも考えられるため、時間には余裕を持って手続きを行いたいものです。
特に、平成30年1月からつみたてNISAで資産運用を開始するためには、現在のNISA口座からの変更手続きを平成29年12月中に行う必要がありますので、注意が必要です。
最後になりますが、NISAとつみたてNISAの切り替えは基本的に簡単ではありますが、どちらの口座で資産運用を行っていくのがご自身にとって得策であるのか?といったことを明確にしてから行動に移すことが大切です。
NISAおよびつみたてNISAの特徴を再度比較検討した上で、有意義な資産運用を実現していきたいものです。
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