投資信託を購入する方法には大きく2つの方法があり、毎月コツコツ購入していく「積立購入(以下、本記事では積立投資とします)」とまとまったお金で購入する「スポット購入(以下、本記事では一括投資とします)」があります。
投資信託を購入する際に積立投資や一括投資は、それぞれの強みがありますが、本記事では、そもそも積立投資と一括投資はどっちがお得なのか2つの購入方法を徹底比較して解説していきたいと思います。
置かれている状況によって最適な購入方法は異なりますので、ご自身の状況と重ね合わせながら読み進めてみることをおすすめ致します。
1. 「積立投資」と「一括投資」とは?
はじめに、積立投資と一括投資の違いについて以下の表へまとめたものを紹介します。
積立投資 | 一括投資 | |
---|---|---|
購入方法 | 毎月固定のタイミングで購入 | 自分の決めた日に購入 |
特徴 |
|
|
精神的安定度 | 高 | 低 |
投資知識 | 低 | 高 |
積立投資は、毎月一定のタイミングで購入する方法であるのに対して一括投資は、自分が投資信託を購入すると決めた日にまとめて購入する方法になります。特に投資初心者という方であれば「精神的安定度」や「投資知識」が初心者よりである積立投資の方が圧倒的に向いていることも確認できます。
このほか、まとまったお金がない場合は積立投資、まとまったお金があるのであれば一括投資という選択肢もあると考えることができ、この辺は、私たち投資家の置かれている状況が大きく左右する部分であると言えます。
なお、こちらは余談ですが、積立投資が投資初心者に向いている理由の1つに「ドルコスト平均法」という考え方があります。
ドルコスト平均法とは、ざっくり解説しますと毎月コツコツ投資信託を購入することで結果的に「購入単価が安くなるだけでなく、購入口数が多くなる」といった仕組みのものです。
こちらにつきましては、以下、同サイト内の記事で詳しく解説しておりますので、そちらをご確認下さい。
参考 長期の資産形成をするなら「ドルコスト平均法」で積立投資!
2. 「積立投資」と「一括投資」のどちらのほうが資産形成に有利なのか?
積立投資と一括投資のどちらの購入方法が良いのか?インターネットサイトなどで内容をリサーチしてみると「積立投資」が良いと書かれているものを多く目にします。
しかし、必ずしも「積立投資」の方が資産を多く形成できるというわけではなく、「積立投資」も「一括投資」もケース・バイ・ケースで方法を選ぶのが最適であることは言うまでもありません。
以下、積立投資と一括投資の有利になるケースを解説していきます。
積立投資が有利となるケース
以下、シミュレーションにあたり、積立投資は1ヶ月5万円ずつ年間60万円を10年間継続して投資を行ったものとし、1年間の投資信託の価格は変わらないものとします。

年数 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年 | 7年 | 8年 | 9年 | 10年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
価格 | 10,000円 | 9,000円 | 8,000円 | 7,000円 | 6,000円 | 7,000円 | 8,000円 | 9,000円 | 10,000円 | 11,000円 |
口数 | 60口 | 67口 | 75口 | 86口 | 100口 | 86口 | 75口 | 67口 | 60口 | 55口 |
はじめに10年間、積立投資を継続して行い1年目から5年目まで価格が下落し6年目から10年目まで価格が上昇したケースでシミュレーションしてみます。
口数の計算例は以下の通りです。
1ヶ月あたりの購入口数 50,000円÷10,000円=5口
1年間あたりの購入口数 5口×12ヶ月=60口
上記のような計算で10年後の価格を計算した結果は以下の通りです。
所有口数 731口
基準価格 11,000円
時価総額 731口×11,000円=8,041,000円
積立投資 5万円×12ヶ月×10年=6,000,000円
一括投資 6,000,000円÷11,000円≒545口
積立投資731口>一括投資545口
積立投資の方が一括投資よりも有利という結果になりました。
積立投資は「ドルコスト平均法」を使うことで、基準価格が下がれば、それだけ多くの口数を購入することができます。
積立投資の資産は「基準価格×口数=資産」という計算ができることから、一時的に基準価格が下落しても、最終的に一定金額まで上昇すれば、結果として投資した資産を増やすことができる特徴があります。
今度は10年間、積立投資を継続して行い1年目から10年目まで価格が上昇し続けたものとしてシミュレーションしてみます。

年数 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年 | 7年 | 8年 | 9年 | 10年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
価格 | 10,000円 | 11,000円 | 12,000円 | 13,000円 | 14,000円 | 15,000円 | 16,000円 | 17,000円 | 18,000円 | 19,000円 |
口数 | 60口 | 55口 | 50口 | 46口 | 43口 | 40口 | 38口 | 35口 | 33口 | 32口 |
口数の計算例は以下の通りです。
1ヶ月あたりの購入口数 50,000円÷10,000円=5口
1年間あたりの購入口数 5口×12ヶ月=60口
上記のような計算で10年後の価格を計算した結果は以下の通りです。
所有口数 432口
基準価格 19,000円
時価総額 432口×19,000円=8,208,000円
積立投資 5万円×12ヶ月×10年=6,000,000円
一括投資 6,000,000円÷19,000円=315口
積立投資432口>一括投資315口
購入した投資信託の基準価額が値上がりを続ける場合におきましても、積立投資でコツコツと購入し続ける方が結果として有利になることが確認できます。
一括投資が有利となるケース
今度は10年間、積立投資を継続して行い1年目から10年目まで価格が下落し続けたものとしてシミュレーションしてみます。

年数 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年 | 7年 | 8年 | 9年 | 10年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
価格 | 10,000円 | 9,000円 | 8,000円 | 7,000円 | 6,000円 | 5,000円 | 4,000円 | 3,000円 | 2,000円 | 1,000円 |
口数 | 60口 | 67口 | 75口 | 86口 | 100口 | 120口 | 150口 | 200口 | 300口 | 600口 |
口数の計算例は以下の通りです。
1ヶ月あたりの購入口数 50,000円÷10,000円=5口
1年間あたりの購入口数 5口×12ヶ月=60口
上記のような計算で10年後の価格を計算した結果は以下の通りです。
所有口数 1758口
基準価格 1,000円
時価総額 1758口×1,000円=1,758,000円
積立投資 5万円×12ヶ月×10年=6,000,000円
一括投資 6,000,000円÷1,000円=6000口
積立投資1758口>一括投資6000口
一括投資の方が積立投資よりも有利という結果になりました。
最後に10年間、積立投資を継続して行い1年目から5年目まで価格が上昇し、6年目から10年目は価格が下落し続けたものとしてシミュレーションしてみます。

年数 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年 | 7年 | 8年 | 9年 | 10年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
価格 | 10,000円 | 11,000円 | 12,000円 | 13,000円 | 14,000円 | 13,000円 | 12,000円 | 11,000円 | 10,000円 | 9,000円 |
口数 | 60口 | 55口 | 50口 | 46口 | 43口 | 46口 | 50口 | 55口 | 60口 | 67口 |
口数の計算例は以下の通りです。
1ヶ月あたりの購入口数 50,000円÷10,000円=5口
1年間あたりの購入口数 5口×12ヶ月=60口
上記のような計算で10年後の価格を計算した結果は以下の通りです。
所有口数 532口
基準価格 9,000円
時価総額 532口×9,000円=4,788,000円
積立投資 5万円×12ヶ月×10年=6,000,000円
一括投資 6,000,000円÷9,000円≒666口
積立投資532口>一括投資666口
一括投資の方が積立投資よりも有利という結果になりました。
このように購入した投資信託の価格が、どのように値動きするのかによって「積立投資」と「一括投資」の有利、不利が変わることになります。
しかし、投資信託の価格変動については、誰も100%当てることはできないため、投資信託においてできる限り運用益を上げるためには、「長期の時間」が大きな鍵になるわけです。
3. 投資初心者には積立投資がオススメ
管理人の考えとしては、投資初心者には積立投資がオススメです。
積立投資をオススメする理由としては「少額からはじめられる」「下落局面でも資産を増やせる可能性があるため、気持ちが楽」「投資するタイミングに悩まず、コツコツ投資が続けられる」などの理由があります。
そもそも投資というものは、余ったお金の範囲内で行うべきものであるため、積立投資のように家計の余ったお金の一部を積立投資に回すくらいがちょうど良い投資方法になると考えられます。つまり、無理をせずに少額から始められる点は、積立投資が投資初心者向けと言える1つ目の理由となります。
投資信託の値動きは毎日上下変動することとなりますが、それらの値動きをいちいち気にしていては気持ち的に大きな負担になってしまいます。「長期間」という長い時間をかけてコツコツ積み立てて購入口数を増やしていき、総投資額を上回った時に一部売却することで安定した運用益を上げられるわけです。
継続した運用益を上げるためには、長い時間を味方につけて、自分に有利なタイミングで売るところにあるわけです。これができるのが「積立投資」の大きな強みです。
一括投資は、たとえば、お金持ちである場合や相続で大きなお金を得ることになったなど一定の条件が絡んでくるため、あまり一般の方向けではない購入方法とも言えます。
つまり、将来のために、長期的な資産形成をしやすい方法は「積立投資」と言えます。
4. まとめ~積立投資と一括投資はどっちがお得!?2つの投資方法を徹底比較~
シミュレーションの結果から積立投資と一括投資はケース・バイ・ケースで有利、不利が異なるため一概にどちらが得とは言い切ることができないと分かりました。
ただし、これまでの解説を通じて投資初心者が投資をはじめるときには、積立投資の方が一括投資よりもがオススメであることは言うまでもありません。
また、投資初心者が積立投資を始めるにあたって最初に考えていただきたいこととして「投資目的」があります。要は、何のために積立投資を始めるのかといった目的です。
たとえば、「18年後の子どもの大学費用のため」「30年後の老後生活資金のため」「10年後の住宅購入の頭金のため」といったように、長い時間をかけてコツコツ積立投資を始めて資産形成するといった目的であれば成功する可能性が高いと言えます。
一方で、1年後や5年後といった比較的に運用期間が短期および中期的の場合や一時的に大きなお金を得るといった目標がある場合は積立投資という投資手法は不向きです。
あくまでも、長期的な資産形成を考えるのであれば、積立投資が適していると理解しておくことが大切です。そして、積立投資で資産形成を成していくために大事なのは、長期間投資を続けることに尽きると考えることができます。
ちなみに、積立投資の始め方は以下のページで詳しく解説しています。
これから老後の生活費など、将来のために資産形成を始めようと考えている方は、ぜひ読んでくださいね!
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