初めて積立投資を始める方からしますと、どのような投資信託商品を購入すれば良いのか「はっきり知りたい」と思うのではないでしょうか。ズバリ、結論から申し上げると、積立投資の初心者は「バランス型ファンド」を選択するべきです。
このバランス型ファンドについては、本記事中で詳しく解説させていただきますが、積立投資そのものが投資初心者に向いている理由として「毎月の預金感覚で手間がかからず投資できる」ことがあります。
投資と聞くと「損をする」といったイメージが先行されがちではありますが、「百聞は一見に如かず」と言われますようにまずは本記事について最後まで目通しいただければと思っております。
本記事では、投資初心者を対象にバランス型ファンドの基本的な部分を幅広いだけに留まらずできるだけ分かりやすく解説していきます。
1. バランス型(バランスファンド)とは、分散投資ができる商品のこと
バランス型ファンドとは、1つの投資信託の商品でさまざまな資産にバランスよく分散投資することができる投資信託になります。
バランス型ファンドは、リスクをコントロールすることができるファンド(投資信託)であるため、安定した投資運用がされやすく、投資初心者から投資のベテランまで幅広い層で人気のあるファンドになります。

バランス型はこのような人にオススメ!
バランス型ファンドは、投資初心者から投資のベテランまで幅広い層で人気のあるファンドと解説しましたが、この理由は、バランス型ファンドという名前の通り資産運用のバランスが取れていて安定した収益が期待できるためです。
こちらはあくまでも参考ですが、バランス型ファンドの購入が向いているタイプを具体的に示してみると、以下のようなタイプの人がオススメと言えます。
- 個別株を選び、売買価格を見極める手間・時間が取れない
- 個別株の銘柄選びに自信がない。
- 投資に回せるお金が少ない。
- 一度に多くのお金を投資に使うのが不安
- 知識はないが、より安全に資産形成をしたい(多くの銘柄に分散投資したい)
- 長い時間をかけてより確実な資産形成をしたい
仮に投資の目的が「短期間」で「大きな金額」を求めている方にとってバランス型ファンドをはじめ、積立投資という投資手法は不適切な方法です。
あくまでも「長期的」で「より確実な資産形成」と考えている方向けの投資が積立投資でありバランス型ファンドであることをまずもって理解しておく必要性があります。
実のところ、金融市場を読むことは、プロでも難しい・厳しいと言われていることから、バランス型ファンドは、投資初心者から投資のベテランまで幅広い層に人気がある理由がここにはあるのです。
2. バランス型が投資初心者にオススメされる2つの理由
バランス型ファンドが投資をする多くの方へ向いているものであることが分かりましたが、本項では、特に投資初心者の方を焦点にあて、バランス型ファンドをオススメできる2つの理由について詳しく解説します。
1本の投資信託で全世界の株式・債権・REITに分散して投資ができる
バランス型ファンドが投資初心者へオススメできる1つ目の理由は、1つのファンドで日本国内の株式や債券をはじめ全世界の株式・債券・REIT・コモディティなどへ分散して投資できることがあげられます。
これによってリスクをコントロールすることができ、投資になれていない方でもバランス型ファンドを購入することで難しいとされる分散投資が自動で行えることがオススメ理由の1つ目になります。
このほか、どれにどのくらい投資すればよいのかといった「投資比率」を考えるのも投資初心者には至難の業であることは言うまでもありません。これを自動的に調整してくれる点が、後述するバランス型ファンドを初心者にオススメできる2つ目の理由となります。
面倒なリバランスもプロが対応してくれる
バランス型ファンドが投資初心者へオススメできる2つ目の理由は、面倒なリバランスを定期的に行ってくれるところにあります。
リバランスとは、バランス型ファンドのように複数の資産に分散投資した後、一定期間が経過することで値上がりする資産や値下がりする資産が生じることによって、購入当初における資産の組み合わせ(ポートフォリオ)を定期的に見直すことを言います。

定期的にリバランスをしなければ、継続して安定した運用を図ることができないと考えることができます。そのため、減っている資産を買い足してリバランスを取る方法や多い資産を売約して、その売却したお金で足りない資産を買い足してリバランスを取る方法の2つの方法から、ケース・バイ・ケースで方法を選択してリバランスを取る必要があります。

バランス型ファンドは、このような投資信託を購入する側の手間を省いて手軽に分散投資ができるメリットがあります。さらに、定期的なリバランスを行うほか投資信託会社が資産の組入比率も決めて運用することから、投資初心者の人にとってみては、良くも悪くも「丸投げ」でコツコツ積立投資ができるため無駄な負担がかかりません。
3. バランス型の3つのデメリット
バランス型ファンドは、安定して資産運用ができることから、投資初心者でも取り扱いやすいファンドとなっていることがお分かりいただけたと思います。
とはいえ、バランス型ファンドにもいくつかデメリットがあり、具体的には「安定はしているが、高い利回りにはならないこともある」「信託報酬が高い」「投資している実感がわきづらい」などがあげられます。
本項では、これら3つのデメリットについてそれぞれ解説していきます。
バランス重視なので、他の商品よりリターンが低くなることもある
バランス型ファンドのデメリットの1つ目は、リターンがあまり高いとは言えないことがあげられます。そのため、運用益からコストを差し引いた正味の利益はかえってマイナスになってしまう可能性があることもあらかじめ知っておく必要があります。
ただ、先に解説しましたように投資目的が「長期の資産形成」という考えであれば、安定したバランス型ファンドが適しているため、一概にデメリットと言い切れない部分もあります。
信託報酬が少しだけ割高
バランス型ファンドにおけるデメリットの2つ目は、信託報酬が割高なことがあげられます。この理由として、一般の投資信託のように株式や債券に投資をするスタイルではなく、すでにある「ファンド=投資信託」に投資する「ファンド・オブ・ファンズ」といった投資スタイルが多いためです。
具体的には、ファンド・オブ・ファンズに投資する際にまずは信託報酬が発生します。さらにファンド・オブ・ファンズが投資するそれぞれの投資信託に対して信託報酬がかかるため、ざっくり言ってしまえば、信託報酬が二重にかかってしまうため、儲けを得るためには、より多くの運用益を出す必要性が生じます。
【参考】:バランスファンドの信託報酬(2017年3月末日現在):
大和-iFree 8資産バランス 0.2484%
ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスF 4資産均等型 0.3672%
三井住友TAM-世界経済インデックスファンド 0.54%
【参考】:インデックスファンドの信託報酬(2017年3月末日現在):
●外国株式インデックス
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 0.216%
ニッセイ-〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ外国株式インデックスファンド 0.216%
●先進国債券インデックス
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国債券インデック 0.1836%
ニッセイ-〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ外国債券インデックスファンド 0.1836%
●国内株式インデックス
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内株式インデックス 0.1944%
One-たわらノーロード TOPIX 0.1944%
●国内債券インデックス
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内債券インデックス 0.1512%
ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンド 0.1566%
同じグループ会社や同じ値動きのものに投資している懸念が生じる
バランス型ファンドは、先に解説した「ファンド・オブ・ファンズ」が多いだけに留まらず、実績のある投資信託ではなく、同じグループ会社のファンドが起用されて偏るといった大きな問題もあります。
さらに、新興国の株式やヘッジファンドをはじめ、石油や金などのコモディティがバランス型ファンドに組み入れられていることもあり、中身が「同じ値動きによる分散投資ではない」可能性も否めません。
バランス型ファンドといったことだけで購入の意思決定をするのではなく、ファンドの実績や構成の中身を確認した上で本当にバランスが取れているのか自分の目で確認することが大切だと言えます。
4. 積立投資で長期の資産運用をすれば、目標とする資産形成はしっかりできる
積立投資の強みは、「長期間」を有効活用して「少額の投資」で「大きな資産形成」をするところにあります。以下、年間利回りを3%に設定して資産運用し、公的年金が支給開始となる65歳まで積立投資を行ったものとしてシミュレーションした結果が以下の表になります。
→積立投資額↓投資を始める年齢 | 5,000円 | 10,000円 | 30,000円 | 50,000円 |
---|---|---|---|---|
20歳 | 5,701,865円 | 11,403,730円 | 34,211,189円 | 57,018,648円 |
25歳 | 4,630,298円 | 9,260,595円 | 27,781,785円 | 46,302,975円 |
30歳 | 3,707,818円 | 7,415,637円 | 22,246,910円 | 37,078,183円 |
35歳 | 2,913,684円 | 5,827,369円 | 17,482,107円 | 29,136,844円 |
40歳 | 2,230,039円 | 4,460,078円 | 13,380,235円 | 22,300,391円 |
45歳 | 1,641,510円 | 3,283,020円 | 9,849,060円 | 16,415,100円 |
50歳 | 1,134,863円 | 2,269,727円 | 6,809,181円 | 11,348,634円 |
55歳 | 698,707円 | 1,397,414円 | 4,192,243円 | 6,987,071円 |
よく聞く話ではありますが、65歳から男女の平均寿命(男性約80歳・女性87歳)に渡って「豊かな老後生活」を送るためには、約3,000万円必要と言われます。
これはあくまでも個々の基準によって金額が上下変動するべきものではありますが、表の結果を参考に長期間に渡ってコツコツ積み立ててお金を運用する積立投資は、将来のお金を用意する対策として極めて有効な資産運用と言えるでしょう。
5. バランス型ならどのファンドを購入するべきか?
これまでバランス型ファンドの基本的な部分について幅広く解説してきましたが、最後にサイト管理人がオススメするバランス型ファンド「世界経済インデックスファンド」と「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」の2つの特徴を解説します。
ユーザーの皆さまで「結局、どのようなバランス型ファンドを購入すればよいのか分からない」といった方には参考になる内容だと思います。
なお、バランス型ファンドを購入する前に確認しておきたいポイントを大まかにまとめておりますので、ぜひ、参考にしてみることをおすすめ致します。
項目 | 確認ポイント |
---|---|
手数料 | 購入時手数料・信託報酬・信託財産留保額の割合確認 |
運用実績 | 過去の運用実績はどうなのか |
投資対象 | どのような資産を投資対象にしているか(日本国内および海外の株式・債券・REITなど) |
資産配分 | 資産配分の割合と配分根拠の確認 |
運用方法 | パッシブ運用なのかアクティブ運用なのか |
上記の確認ポイントについて意味がよく分からない場合は、まずそれぞれの意味をしっかりと確認し理解した後にバランス型ファンドを購入するように心掛けていただきたいと思います。
プラスの収益を得るために絶対に欠かすことのできない確認ポイントでありますので、すべての確認について妥協なく行うことをおすすめ致します。

世界経済インデックスファンド
世界経済インデックスファンドは、国内、先進国および新興国の公社債および株式(DR(預託証券)を含みます。)に分散投資することでリスクの低減をはかり、投資信託財産の中長期的な成長を目指すバランス型ファンドです。

国内外の株と債券に半分ずつ投資する配分となっており、投資比率は地域別のGDP総額の比率に応じて決定されます。ネット証券大手のSBI証券や楽天証券などといったネット証券を利用して購入することもでき、月々500円や1,000円といった少額のお金を積み立てて投資をすることも可能となっています。
世界経済インデックスファンドは、株式の比率を50%から75%へ引き上げた「株式シフト型」や債券の比率を50%から75%へ引き上げた「債券シフト型」といったものもあり、ご自身のリスクとリターンの取り方によって投資比率を変更することもできます。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、「国際分散投資」「株式と債券への分散投資」「低コスト」の3つの特徴を併せ持ったバランス型ファンドです。

一般に値動きが対称とされる「株式」と「債券」の投資比率を半々にすることによって安定した運用をすることができるだけでなく、多くの世界の金融資産に対して投資することができる点も値動きが安定する一因と言えます。

運用益に絶対に欠かすことのできない手数料について、販売手数料は0%であり手数料を支払わなくてもよいことが確認できます。長期的に継続して運用するのであれば、さほど関係がありませんが、いわゆる解約手数料にあたる信託財産留保額は0.1%となっています。
なお、積立投資を始める際の最低金額は5,000円からとなっている点に注意が必要です。
6. まとめ~手間と時間をかけずに積立投資をはじめたいならバランス型ファンドがオススメ~
本記事では、投資初心者を対象にバランス型ファンドの基本的な部分を幅広いだけに留まらずできるだけ分かりやすく解説させていただきました。本記事におけるバランス型ファンドの要点を以下、箇条書きでまとめて紹介します。
- 投資初心者や慎重に投資をしたい人にはバランス型ファンドが適している
- バランス型ファンドは、多くの世界の金融資産へ分散して投資をすることができる、お得なパック商品
- バランス型ファンドは、リバランスも定期的に行ってくれる
管理人が紹介した2つのバランス型ファンドは、積立投資を行うことができる金額で使い分けるのも一策です。たとえば、5000円以上積立投資をすることができるのであれば、販売手数料が無料の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」を選びたいものです。
一方、ネット証券を通じて500円や1000円といった少額の積立投資を始めようと検討している方であれば、世界経済インデックスファンドを購入してみるのもよいかもしれません。
積立投資で運用益を上げるためには、本記事で解説したバランス型ファンドの特徴をはじめ、同サイト内で公開している「手数料」や「そもそもの積立投資の特徴」といったあたりも合わせて押さえておきたいポイントと言えます。
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