投資信託でお金を増やすためには、自分自身が「いつまでにいくら増やすのか」といった明確な投資目標を持つことが重要になります。そして、その投資目標によって選ぶべき投資信託の種類というものがそれぞれ異なります。
たとえば、投資信託の購入方法の1つである「積立投資」は、毎月一定金額の投資信託をコツコツ購入しながら投資する仕組みですが、「10年後・20年後・30年後に〇万円用意する」というような投資目標には、最適な投資手法であるのと同時に投資初心者やまとまった投資資金が手元になくても簡単に始められるといった特徴があります。
本記事では、この積立投資で選ぶべき投資信託に焦点をあて、投資信託の種類には、どのような区分や特徴があるのかといった基本的な部分をはじめ、そもそも積立投資ではどのような投資信託を選ぶのが良いのかといったポイントについて詳しく解説していきます。
1. 投資信託の種類は5,000種類以上
一般社団法人投資信託協会が公開している「2017年4月末の統計」によると、6,078本もの投資信託があるとされており、単純にその種類の多さに驚いてしまいます。
大まかに投資信託の数は、ざっくり5,000種類以上あり1つ1つ特徴が違っているのであれば、これらの膨大な種類から自分に適した複数の投資信託を探すのも正に至難の業と言えます。
しかしながら、冒頭で軽く触れましたように仮に「投資目標」が明確に定まっていれば、投資信託の投資商品である「株式・債券・REIT」、投資先である「国内・海外」、投資条件である「手数料の有無・手数料の高さ」「分配型・再投資型」「償還までの期限」「インデックスファンド・アクティブファンド」などといった細かい内容が自然と絞り込まれて自分の条件に合った投資信託を見つけられることが大半です。
次項からは、投資商品・投資先・投資条件が自分の投資金にどのような影響を与えるのかもう少し詳細に解説していきます。
2. 「株式・債券・REIT」×「国内/海外」でリスク・リターンが変わる
投資信託は、株式や債券などの投資商品を1つの箱へ詰め合わせたようなものであり、どのような商品をどの程度詰め合わせるのかでリスクやリターンが変わってくるものです。
それぞれの投資商品と投資先の特徴は以下の表の通りです。
投資商品 | 投資先 国内 | 投資先 海外 |
---|---|---|
株式 | 日本株式や国内株式と呼ばれ、これらの投資はハイリスク・ローリターンの傾向が続いている特徴が見られる | 株価が上昇することで大きな利益が見込まれるほか、種類が豊富なため目的に合わせて選ぶことができる |
債券 | 日本債券や国内債券と呼ばれ、基本的に安全資産と言われるものの、日本国内では日本銀行のマイナス金利政策によって満期保有の利回りがマイナスに陥る事態が生じた | 為替変動のリスクが大きいが、長期的な投資においてのリスクヘッジ対策としては効果的 |
REIT(リート) | 日本国内の不動産投資信託のことで賃料や売却益から利益を出す投資信託 | 海外の不動産投資信託のことで賃料や売却益から利益を出す投資信託。基本的にハイリスク・ハイリターン |
通常、投資信託で多くのお金を得たいという投資目標があるのであれば「債券」よりも「株式」の方が「ハイリスク・ハイリターン」という特徴を持っているため、投資の割合を株式へ多くすれば良いことになります。
また、投資先は国内よりも海外の方が「ハイリスク・ハイリターン」と考えられているため、たとえば、同じ株式でも日本株式よりも外国株式の方がより「ハイリスク・ハイリターン」ということになります。
これらの関係を具体的にまとめたのが以下の図になります。
※参照:http://myindex.jp/study/global_allocation.html
2011年12月までの分布図を例に解説しているため、あくまでも参考かつ分布図の見方といった意味を含めたものとして以下、解説を続けていきます。
仮により多くの資産を増やしたいのであれば「ハイリスク・ハイリターン」のものを選ぶべきではありますが、たとえば、上記図の「日本株式」のように「ハイリスク・ローリターン」になっているものへ投資するべきではありません。
ただし、長期的な投資目標を掲げており、日本株式の値上がりを待って売却益を得るという目的があるのであれば、あえて日本株式に投資を続け、値上がりをしたポイントで売却するといった方法はある意味、理にかなっている投資方法と考えることができます。
いずれにしましても、上記分布図の状態から投資目標を達成するためには、外国株式や世界REITを多く含んだ投資信託を選ぶほか、外国債券や日本債券を含めてリスクを回避するための商品もバランスよく投資しておくべきと読み取ることができます。
また、単に海外と言っても「北米・欧州」などもあれば「中南米・中近東・オセアニア」などの新興国のものなどによって、「ハイリスク・ハイリターン」が異なるため、リスクとリターンのバランスを考えることが重要になります。
逆に無難な投資を目標に掲げているのであれば日本債券や外国債券へ多めに投資する方法もありますが、直近では、日本銀行がマイナス金利政策を施行したことによって日本債券を満期まで保有したとしても「利回りがマイナス」というとんでもない現象が生じました。
そのため、現在(平成29年5月現在)では一概に「債券が安心」と言える時代ではなくなっており、投資する債券もしっかりと吟味して選ばなければならないことに注意が必要と言えます。
これまでの要点をまとめますと、積極的な投資をして多くのリターンを希望するならば「株式が多め」の投資信託を選ぶべきであり、特に海外株式を多めの資産配分(アセットアロケーション)にするべきでしょう。
3. 手数料の安い商品であることが絶対条件。「ノーロード」で「信託報酬が低い投信」を選ぼう
積立投資で選ぶべき投資信託に「ノーロード投資信託」があります。
ノーロード投資信託とは、投資信託を購入する際に発生する「購入時手数料=販売手数料」が無料の投資信託のことを言い、「購入時手数料=販売手数料」は、投資信託を選ぶときに気をつけなければならない手数料の内の1つです。
通常、投資信託には「販売手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」の3つがあり、投資信託の運用益からこれらの手数料を差し引いた分が「正味の運用益」になることから、決して疎かにすることができないポイントになります。
それぞれの手数料と簡単な解説は以下の通りです。
販売手数料とは、投資信託(ファンド)を購入するときに発生する手数料のことを言います。販売手数料は、別に購入時手数料と呼ばれることがあり、大きく「対面型」と「ネット型」に分けられます。
信託報酬は、別に運用管理費とも呼ばれ、投資したお金を運用し増やしてもらうために運用会社、販売会社、管理会社などに支払うお金のことをいいます。
信託財産留保額とは、積立投資などで運用したお金を換金する場合や解約する場合にかかる手数料のことをいいます。
積立投資で投資信託を選ぶときには「販売手数料は0円(ノーロード)のものを選ぶ」「ランニングコストである信託報酬や信託財産留保額はできるだけ安く」というのが大事なポイントになるため、必ずこの2つのポイントは抑えるようにするべきです。
4. 積立投資をするのであれば「再投資型」で「無期限」であることが大事
投資信託のなかには、利益が毎月もしくは毎年支払われる「分配型」と、分配された利益を再度そのまま投資していく「再投資型」の2つに分けられる特徴があります。
また、購入した投資信託が運用される期間も1年未満~無期限(=解約するまで)までのものがあり実に多種多様です。
投資信託を購入する上で投資目標である「毎月の投資信託で発生した利益をどうするか?」「いつまで運用できる投資信託にするのか?」といったことにつきましては、各々の具体的な考え方に委ねる必要がありますが、仮に積立投資をするのであれば「再投資型で投資期間が無期限のもの」を選ぶべきでしょう。
積立投資は、長期間に渡ってコツコツ投資信託を購入しながら「再投資型」で無期限に運用し続けることで、元金と運用益を効率良く増やすことができる「複利効果」を有効に活用することができます。
積立投資における「醍醐味(お金が増える仕組み)」について、同サイト内の記事で詳しく解説しておりますので、できる限り目通しされることを強くおすすめ致します。
5. 積立投資ではインデックスファンドをバランス良く買い続ける
投資信託(ファンド)には、大きく「インデックスファンド」と「アクティブファンド」という2つの投資信託があります。
インデックスファンドとは、投資信託の運用成績が「インデックス」と呼ばれる市場全体の動きを表す指数と同じになることを目指して運用するタイプの投資信託のことを言います。
よく聞く「日経平均株価」や「TOPIX」、「ニューヨークダウ」といったものがインデックス(指数)にあたり、この指数を目標に合わせて投資運用を行うことで安定した資産運用と平均的なリターンを期待できるメリットが得られます。
一方、アクティブファンドとは、先に紹介したインデックス(指数)よりも高い運用成績を目指す投資信託であり、インデックスファンドよりも大きなリターンを期待することができると言われています。
とはいえ、アクティブファンドの現状として、インデックスファンドに比べて信託報酬などのコストが高いほか、インデックスファンドよりも運用成績が上回った投資信託が少ない商品が多い結果となっています。
このような現状を踏まえますと、積立投資で長期的に安定した資産形成を目指すのであれば、アクティブファンドではなくインデックスファンドを購入することをオススメします。
先に紹介しましたように、インデックスファンドは投資目標(ベンチマークと言います)を、「指数(インデックス)」の動きにあわせるため、値動きが緩やかで、安定した資産運用がしやすいほか、運用コスト(販売手数料・信託報酬)もアクティブファンドに比べて安いため、無駄なコストを払わずに安定した運用成績を上げることが期待できると考えられます。
6. まとめ~投資信託の種類は5,000種類以上!積立投資で選ぶべき投資信託とは?~
本記事では、積立投資で選ぶべき投資信託に焦点をあて、投資信託の種類や区分をはじめ特徴といった基本的な部分から、そもそも積立投資ではどのような投資信託を選ぶのが良いのかといったポイントについて詳しく解説させていただきました。
積立投資で選ぶべき投資信託とはどのようなものなのか再度、以下へまとめて箇条書きをして紹介します
- 販売手数料は0円(ノーロード)のものを選ぶ
- 信託報酬や信託財産留保額はできるだけ安いものを選ぶ
- アクティブファンドではなくインデックスファンドを選ぶ
投資信託には、非常に多くの種類があることを冒頭で紹介させていただきましたが、販売されている投資信託の内、自分自身の意向に沿ったものを探せることは非常に稀です。
そのため、自分の思い描いていた投資をするために一般的には、複数のインデックスファンドを購入しながら株式・債券・REITなどの投資バランスを調整する方法がオーソドックスな方法と言えます。
実際には、積立投資をする個人によって、選ぶべき投資信託の種類は変わってきますが、どのような投資をしたいのか?といった「投資目標」を明確に決めて投資信託を購入することが、投資を始めるスタートラインに立つ上で重要なポイントであることは言うまでもありません。
すでに投資信託を購入して投資を始めている方としましても、大切な考え方であることから、本記事が投資を続けていく上での再確認事項と捉えていただければと思います。
ちなみに、積立投資の始め方は以下のページで詳しく解説しています。
これから老後の生活費など、将来のために資産形成を始めようと考えている方は、ぜひ読んでくださいね!
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