世界経済インデックスファンドの特徴を解説

つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)といった投資制度を活用した積立投資は、将来のお金を準備するために非常に効果的です。

その一方で、投資できる商品には、具体的にどのような特徴があって、その投資商品が良いのか悪いのかそこのところを知りたいといった方も多いと思います。

そこで本記事では、つみたてNISAで投資をすることができる「世界経済インデックスファンド」の特徴について解説を進めていきます。

なお、本記事の解説は、執筆時点で交付されている投資信託説明書(交付目論見書)の内容も交えて進めていきますので、今後の内容が少なからず変わる可能性があることをあらかじめご留意ください。

1.世界経済インデックスファンドの特徴

世界経済インデックスファンドは、日本国内、先進国及び新興国の公社債及び株式に分散投資することでリスクの低減をはかり、投資信託財産の中長期的な成長を目指すバランスファンドです。

なお、2018年2月末現在における世界経済インデックスファンドの基本組入比率は、以下の通りです。

出典 三井住友トラスト・アセットマネジメント 世界経済インデックスファンド ポイント2 世界経済全体の発展を享受します。より引用

全世界の株式と債券にそれぞれ半分ずつ投資をしていることが確認できますが、内訳を見ますと、日本国内は、株式および債券が5%、先進国は、株式および債券が30%、新興国は、株式および債券が15%といったわかりやすい組入比率になっています。

なお、上記で紹介した世界経済インデックスファンドの基本組入比率は、世界経済全体の発展を享受する目的から、地域別(日本、先進国、新興国)のGDP(国内総生産)総額の比率を参考に決定します。

そのため、世界経済に占める各地域のGDPシェアの変化に応じて、原則として年1回地域別構成比の見直しを行う場合がある特徴も併せ持っています。

2.商品概要

世界経済インデックスファンドについて、大まかな商品概要を以下、表にまとめて紹介します。

おすすめ度(5段階評価) ★★
販売手数料 販売会社によってかかる場合があるものの、つみたてNISAの場合は無料
信託報酬 年率0.54%(税込)
信託財産留保額 0.1%
運用スタイル インデックス
運用会社 三井住友トラスト・アセットマネジメント
ファンドの種類(どこに投資をしているか?) バランスファンドで日本国内外へ投資
総資産額 581.06億円
リターン(5年) 6.32
リスク 9.86

おもな金融機関別における取り扱い(販売)の有無

金融機関 取り扱いの有無
SBI証券
楽天証券
マネックス証券
カブドットコム
野村證券 ×
大和証券 ×
松井証券
GMOクリック証券 ×
岡三オンライン証券
東海東京証券 ×
みずほ銀行 ×
三菱UFJ銀行 ×
三井住友銀行 ×

上記表は、世界経済インデックスファンドの運用会社である三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社のホームページを参考にまとめております。

実際に、世界経済インデックスファンドが販売されている金融機関を調べると、インターネット証券会社や対面型の銀行での販売が多く確認できました。

国・地域別組入比率と組入上位の銘柄

世界経済インデックスファンドの交付目論見書(投資信託説明書)では、主要な資産の状況として、日本国内の株式・債券、先進国の株式・債券、新興国の株式・債券について、それぞれ2つずつしか掲載していないことが確認できました。

出典 世界経済インデックスファンド 交付目論見書(使用開始日2018年4月21日)より引用

投資家に交付する投資信託説明書(交付目論見書)としては、実際にどこの国のどのような金融商品に対して多く投じているのかについて知ることが重要であるものの、残念ながら、このような交付目論見書では、情報提供不足と言わざるを得ないでしょう。

運用実績

世界経済インデックスファンドの運用実績(2009年1月16日~2018年2月28日)は、以下の通りです。

出典 世界経済インデックスファンド 交付目論見書(使用開始日2018年4月21日)より引用

世界経済インデックスファンドは、世界経済全体の発展を享受する目的を持って運用されていることを踏まえますと、年間収益率の増減は、その時々の世界経済の事情によって左右されるものでありながらも基準価額や純資産総額が右肩上がりになっていることから、世界経済全体では発展しているとも大まかに捉えることができます。

3.世界経済インデックスファンドのポイント解説

世界経済インデックスファンドについて、特徴や商品の概要などについて紹介してきましたが、ここでは、同ファンドの押さえておきたいポイント解説します。

現状では選びにくいファンド。負担する手数料が、同じ種類のファンドに比べて高め

世界経済インデックスファンドは、現状販売されているバランスファンド全体で考えた時、信託報酬といった負担する手数料が、同じ種類のファンドに比べて高めで、さらに、保有している投資信託を売却して現金化する時も信託財産留保額といった手数料がかかるデメリットがあります。

一般に、投資信託で資産運用をするということは、将来に渡って形成される資産が確定しているわけではないため、投資家側としては、信託報酬や信託財産留保額といった手数料をいくらでも抑えることが重要です。

また、世界経済インデックスファンドの組入比率のところでも紹介しましたが、日本国内、先進国、新興国の株式と債券に分散投資をし、基準価額や純資産総額が右肩上がりであることはプラスの要素であるものの、交付目論見書に記載されている情報が少ないのもデメリットと言えます。

4.同じようなファンドと比較するとどうなのか

世界経済インデックスファンドを同じようなファンドと比較するとどうなのかについて、以下、大まかなものについて表にまとめています。

なお、バランスファンドであることから、投資指標としているベンチマークについては、数が多く、かつ、紹介しているバランスファンドのそれぞれについて紹介すると煩雑になるため、ここでは割愛をしていますので、あらかじめご了承ください。

ファンド名称 信託報酬(税込) 純資産総額(億円) ファンド設定日
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) 0.17% 144.74億円 2017/5/9
ニッセイ・インデックスバランスF(6資産均等) 0.17% 1.02億円 2017/10/13
DCニッセイ ワールドセレクトF(標準) 0.22% 220.96億円 2003/1/10
ダイワ・ライフ・バランス50 0.22% 96.59億円 2005/6/6
三井住友・DCつみたてNISA世界分散ファンド 0.23% 1.1億円 2017/10/3
つみたてバランスファンド 0.23% 6.46憶円 2017/10/26
野村-野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型 (愛称:Funds-i内外7資産バランス・為替ヘッジ型) 0.54% 72.8億円 2013/9/12
世界経済インデックスファンド 0.54% 581.06億円 2009/1/16

平成30年8月現在

これまで、投資信託の中でもバランスファンドと呼ばれる商品は、信託報酬などの手数料が高い一方、リバランスと呼ばれる細かな調整作業を行う必要もなく、ほったらかして安定した資産運用ができる特徴がありました。

しかし、つみたてNISAが、平成30年1月から始まったことに伴い、それ以前から手数料が低く、投資初心者でも資産形成がしやすいファンドを多くの運用会社が販売し始めているのが現状です。

これは、バランスファンドと呼ばれる投資信託も同様で、現状では、バランスファンドでも信託報酬が低く、安定した資産運用ができる商品が出揃っているため、それぞれの投資家にとってみると、世界経済インデックスファンドのように、特に高い手数料を負担する必要がなく、ロスを大きく抑えられる投資環境が整っています。

5.まとめ

これからつみたてNISAを始める方や積立投資で資産形成をされる予定の方が、世界経済インデックスファンドを選んで投資することは、現状ではとてもおすすめできません。

この理由は、くどいようですが、手数料の負担が大きいことに加え、同じようなバランスファンドで手数料の低いものが多く販売されているためです。

そのため、仮に、長期に渡って積立投資を継続した場合、10年後や20年後といった将来受け取る金額に多額の差が生じ、大きなロスにつながりますので、もしも、株式と債券が50%ずつのバランスファンドを仮に選ぶのであれば、少なくとも「DCニッセイ ワールドセレクトF(標準)」や「ダイワ・ライフ・バランス50」あたりのファンドを選んだ方が得策でしょう。

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