おそらく多くの皆さまが、銀行の窓口にお金を引き出しに行った時などに、「投資への勧誘」をされたことがあると思います。
単に投資と聞くと多くの皆さまが損をするといった嫌悪感を抱いてしまうようですが、正しい知識を持って投資を行うことは、自分の資産(お金)を効率的かつ効果的に増やしていくことができるだけでなく、大きなゆとりが生じることになります。
では、正しい投資の知識を持った上で、銀行でのセールストークを信用して良いものなのでしょうか?
答えは「NO」です。
本記事では、積立投資(投信積立)を例に、銀行などのセールストーク対策について幅広く解説を進めていきます。
1. こんなセールストークに騙されてはいけない!騙されやすい5つのセールストークとは
はじめに、銀行や証券会社などの窓口におけるセールストークで騙されやすい5つのセールストークを以下、箇条書きで紹介していきます。
- 生活状況を聞かず、将来の不安を煽ってくる
- まとまったお金で投資することを推してくる
- 手数料(販売手数料・信託報酬)の説明がアバウト
- 分配型の投資信託をオススメしてくる
- アクティブファンドをオススメしてくる
以下、それぞれのセールストークについて、どのような部分がNGなのか、その理由について個別に解説をしていきます。
生活状況を聞かず、将来の不安を煽ってくる
積立投資を始めるにあたり、最低限持っておかなければならないことは「投資目的」です。
通常、銀行や証券会社などでセールストークを受けた時点では、明確な投資目的がはっきりしていないと判断することができるわけでありますから、仮に、投資に興味を持っていたとしても、一旦そのまま自宅に持ち帰るのが本来の正しい在り方になります。
投資を勧誘する側としては、相手の生活状況について知る訳もなく、将来に対する不安などについて煽ることや資産運用の大切さについて話してくることが十分予測されますが、積立投資を始めるべきか否かは、個々の生活状況によって異なってきます。
充分な収入や資産がある場合には、わざわざ積立投資をする必要がないかもしれませんし、マニュアル通りのセールストークとして、不安だけを煽るようなセールストークをしてくる担当者や銀行などは信頼できないと思われます。
まとまったお金で投資することを推してくる場合も
実のところ、法律上、投資信託などの金融商品を勧誘する場合には、誰でもところ構わず勧誘して良いわけではなく、保有している金融資産がある程度なければ勧めてはならないことになっています。
たとえば、お金の無い人に投資を勧めて、生活ができない程、お金を減らすような要因を与えてしまったり、借金をしてまでお金を投資するような考え方に至ってしまいますと、顧客にとっても社会全体にとってもマイナスの効果しか生じないことになります。
極端な例えかもしれませんが、これでは、日本経済全体がマイナスの方向に作用してしまうことに繋がります。
通常、積立投資は、投資信託を毎月一定金額もしくは一定数量購入して資産運用することを言いますが、あえて保有資産が多い顧客に対しては、初期投資を多くして、販売手数料を多く取ろうと考えている可能性も否めません。
初めて積立投資を始めるのであれば、まずは、積立投資とはどのような投資なのか、どのようにして資産形成していく仕組みなのかを知って、実際に少しずつ始めながら大きく投資することも可能であるため、仮に、まとまったお金で積立投資することを推されたとしても冷静に対処することが大切です。
手数料(販売手数料・信託報酬・信託財産留保額)の説明がアバウト
積立投資は、長い時間をかけて少しずつ積立をしながら資産運用することで大きな資産形成が成される特徴となっていることから、たとえ、少額の手数料であったとしても、長い目で見ますとそれなりの金銭負担となってしまいます。
おそらく投資初心者の皆さまにとってみますと、1%から2%程度の手数料について大きな差がないように思えるかもしれませんが、長期の積立投資では、その数%の手数料の差が、実際に受け取る金額にかなり大きな影響を与えることになります。
たとえば、「儲かるファンド」という名前の投資信託があったとし、A社とB社のいずれも販売の取り扱いをしていたとします。
この時、「儲かるファンド」の信託報酬は、A社、B社共に同じですが、A社およびB社の儲けにあたる販売手数料は、それぞれ異なるため、他社の手数料などの説明もせず「ほとんど変わりません」と手数料の説明がアバウトなセールストークには騙されないようにしたいものです。
分配型の投資信託をオススメしてくる
投資信託には、「分配型」といって、運用結果に応じて毎月お金が受け取れるタイプの投資信託があります。
ここの部分だけ見たり聞いたりしますと、非常に魅力的な投資信託である一方、大きな落とし穴があることもまた事実です。
たとえば、投資信託に100万円を投じていたと仮定し、1ヶ月後に2万円を分配金として受け取ったとします。
この時、1万円が普通分配金、残る1万円が特別分配金(元本払戻金)であったとしますと、現在保有している投資信託の現在価値は、99万円となってしまい、資産運用の効率が悪くなってしまいます(以下、イメージ図のAパターン)
出典 日本証券業協会 「毎月分配型の投資信託」とは?より引用
日本国内では、投資信託を分配型で保有されている方が多い傾向にあり、わかりやすい表現をしますと「人気がある」のですが、資産運用は言うまでもなく人気で行うべきものではありません。
仮に、投資信託の売れ筋や人気があるといった理由で分配型をオススメしてくることがあったとしても、すでに触れましたように「投資目的」に沿った資産運用をすることが重要になります。
アクティブファンドをオススメしてくる
あらかじめ語弊の無いように申し添えておかなければなりませんが、アクティブファンドが悪いファンド(投資信託)であるという意味ではありません。
アクティブファンドは、基本的に手数料が高いことに加え、現状として安定した資産運用の代表格とも言えるインデックスファンドに比べて運用成績が全体的に劣っているといった理由があるため、たとえば、積立投資の初心者が始めて投資をする上で適切なファンドとは言えないと考えることもできるでしょう。
また、アクティブファンドは、より大きな運用益を上げるために積極的な資産運用をするタイプの投資信託であることから値動きがインデックスファンドに比べて激しくなることも理由の1つとしてあげられます。
仮に、リスクを問わず、リターン重視で、自分の投資目的に沿っているアクティブファンドであれば、それは、少なくとも適したファンドであると考えられることから、積極的に投じて資産運用してみるべきでしょう。
2. 積立投資のセールストークに騙されないための考え方とは
積立投資のセールストークに騙されないためには、まず、その場で投資をすることを即決することなく、一度自宅に持ち帰って冷静に考えることが最優先です。
そして、投資目的や投資目標を明確にしておく必要があります。
積立投資は、長期の資産運用に向いている投資方法であるため、1年や2年といった短い期間で大きな運用益を上げることには不向きな投資方法です。
そのため、投資目的や投資目標によっては、積立投資そのものが適切な投資方法ではないことも考えられることから、自分にとって有益になる投資であるかどうかを確実に判断しなければなりません。
積立投資の良い部分は、セールストークによって十分聞かされることになると思いますので、あえて積立投資の弱い部分(デメリット)について、ご自身で理解しておくように努めなければならないと考えることもできるでしょう
3. 積立投資で安定した資産運用と資産形成をするために大切な4つのポイント
投資をする目的には個人差があることから、目的をより確実に達成するための型にはまった正しい答えを導き出すことは残念ながらできませんが、たとえば、積立投資で安定した資産運用と資産形成をしたいといった投資目標があった場合、その目標をより確実に達成するための大切なポイントがあることは確かです。
本項では、参考までに積立投資で安定した資産運用と資産形成をするために大切な4つのポイントを「インデックスファンドを選ぶこと」「再投資型の投資信託を選ぶこと」「ノーロード&信託報酬が安いものを選ぶこと」「長い時間をかけて積立投資を継続すること」の4つに分けて解説を進めていきます。
安定した資産形成のためにインデックスファンドを選ぶこと
積立投資で安定した資産運用と資産形成を望んでいる方であれば、できる限り、インデックスファンドを選ぶことをおすすめ致します。
インデックスファンドは、アクティブファンドに比べて手数料が安いだけでなく、値動きが比較的安定していることから、初めて積立投資を始める方には安心して資産運用ができることに繋がると考えられます。
複利のパワーを活かすため再投資型を選ぶこと
出典 SBI証券「積立という「仕組み」が、将来の資産形成をサポート!」より引用
購入する投資信託を分配型ではなく再投資型にすることで、上記イメージ図のような大きな曲線を描いた資産形成が期待できます。
これは、複利のパワー(複利効果)といい、分配型のように実際に投資信託で得た運用益を都度受け取るのではなく、毎月の投資元本に加算して再投資することで、時の経過と共に資産形成が大きく期待できる合理的な仕組みです。
参考 積立投資なら再投資型ファンドを選ぼう!再投資型のメリット・デメリットを紹介
ノーロードで、信託報酬が安いファンドを選ぶこと
積立投資は、毎月投資信託を購入する特徴があるわけでありますから、購入する都度、発生する購入時手数料(販売手数料)は、できる限り抑えることが重要になります。
たとえば、ネット証券などで販売されている「ノーロード投資信託」は、購入時手数料(販売手数料)が無料の投資信託のことをいい、積立投資を始める上で「鉄則」と言っても決して過言ではありません。
また、信託報酬は投資信託で資産運用する上で必ず発生するコストにあたることから、できる限り、信託報酬が安い投資信託を選ぶようにしたいものです。
参考 積立投資ではノーロード投資信託しか選んではいけない。その理由は?
長い時間をかけて積立投資を継続すること
これまで解説した3つのことに加え、長い時間をかけて積立投資を継続することで、大きな資産形成をすることができます。
- 老後の生活資金のために30年間、積立投資を継続する
- 子どもの大学費用の捻出のために18年間、積立投資を継続する
- 住宅購入の頭金として10年間、積立投資を継続する
上記例のように長い目で積立投資を継続して行い、かつ、投資のゴールが長期的な場合に少しずつ資産運用を継続することで、大きな結果を得られることに繋がります。
4. まとめ ~積立投資のセールストークには騙されるな!セールストークに惑わされないコツ~
投資信託を売る側の銀行や証券会社などは、販売することで得られる購入時手数料(販売手数料)などが利益になることから、当然、推してくる投資信託の良い部分に説明が寄ってしまうことは致し方のないことだと思います。
だからこそ、重要になるのは、自分で投資信託のことを知り、積立投資のメリットおよびデメリットをしっかりと理解しておくことであるはずです。
積立投資で資産形成をする期待は高い一方で、目標に準じた資産形成が絶対にできるわけではないことを踏まえますと、銀行や証券会社の積立投資についてのセールストークを鵜呑みにしてはいけないこともご理解できるのではないでしょうか。
これらの販売会社は、運用損が生じたとしても責任を問われることはないことを再度認識しておくことで、自分の資産を守り、自分の資産を殖やして形成するためには、これまでの解説や最後のまとめは最もだと感じてもらえると信じています。
できる限りセールストークに惑わされることなく、積立投資に適した商品を選ぶようにして欲しいと思っております。
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