積立投資で常に安定した運用益を得るためには、基本的に確実に押さえておくべき知識というものがいくつか存在します。
その中の1つである「ポートフォリオを組むこと」は、長期の資産運用を行っていく積立投資において、常に安定した運用益を得るための準備対策としてしっかりと行っておかなければならない事項になります。
誰でも投資を始めるのであれば、「たくさんの運用益を得たい」と思うのが普通だと思いますが、何事も基本的な部分や準備をしっかりと行っておくからこそ、思い描いた結果を成しえることができるのではないでしょうか?
本記事では、積立投資で成功を収めるために必要不可欠である「ポートフォリオの組み方」について、徹底的に分かりやすく解説を進めていきます。
1. ポートフォリオとは「資産の組み合わせ」のこと
ポートフォリオとは、「資産の組み合わせ」のことを言います。
通常、積立投資における「資産」は、「4大資産」と呼ばれ、「国内株式」「国内債券」「外国株式」「外国債券」の4つの資産に分けられる特徴があります。
そして、これら4つの資産に、それぞれどのくらいの割合で投資をしていくかといった「資産配分」を決めることになりますが、これを「ポートフォリオを組む」や「ポートフォリオをつくる」と言います。
アセットアロケーションとポートフォリオの違い
投資用語には、似たような意味の用語があるのですが、ポートフォリオと勘違いしやすい用語に「アセットアロケーション」という用語があります。
両者の意味について違いをまとめたものが以下の通りとなります。
アセットアロケーション
アセットアロケーションとは、「投資する資金を複数の異なった資産に配分する投資戦略」のことを言います。具体的な資産の組み合わせが、後述するポートフォリオです。
ポートフォリオ
ポートフォリオとは、「資産の組み合わせ」のことを言います。
両者の投資用語を使って積立投資について解説
積立投資で安定した運用益を得るためには、はじめに、自分自身が思い描く「投資方針=投資目標」を決める必要があります。
たとえば、20年後に800万円を積立投資で得る、30年後に1000万円を積立投資で得るといったイメージです。
投資目標が決まったら、次は、投資戦略にあたる「アセットアロケーション」を考えます。
たとえば、積立投資で安定した運用をしたいと考えているのであれば、先に解説した4大資産の内、「国内債券」や「外国債券」をメインとし、「国内株式」や「外国株式」をサブとする投資戦略(アセットアロケーション)が1つの例として立てられます。
アセットアロケーションが決まったら最後に「具体的な資産配分(ポートフォリオ)」を決定します。仮に、前述したアセットアロケーションで積立投資を行っていく際のポートフォリオの一例は、以下の円グラフの通りです。

安定した資産運用をしながら、お金を増やすといったアセットアロケーションにおきましては、債券の投資割合を多めに設定し、株式の投資割合を低く抑えることで自分が理想としている投資が行えるといったイメージとなります。
もちろん、上記のポートフォリオは、ほんの一例にしか過ぎませんので、ご自身のアセットアロケーションに沿ったポートフォリオを組むことが大切です。
2. より詳細なポートフォリオの組み方を紹介
ポートフォリオを組むときに、リターンを多く得たいのならば「株式7:債券3」という割合、リスクを抑えるなら、「株式3:債券7」の割合などのように、前項で解説したような大まかな決め方でポートフォリオを組んでも良いのですが、それではちょっと不安という方のために、本項では、より詳細なポートフォリオの組み方を紹介します。
リスクやリターンを考えながら、ポートフォリオを組む方法は次の通りです。
- 1年間で許容できる最大の損失額を決める
- ツールを利用して、自分が想定するポートフォリオのリスク・リターンを調べる
- 調べたリスク・リターンで最大の損失額に収まるか計算
- 債券を加えて、リスク・リターンを調整する
以下、それぞれの手順について個別に解説を続けていきます。
1年間で許容できる最大の損失額を決める
まずは1年間でどれくらい「損をしても耐えられるのか?」といった金額を考えるところからスタートしていきます。
積立投資をするときには、どうしても多くのリターンを期待してしまいがちですが、ポートフォリオを考えるときには、まずは、リターンよりもリスクから考えるようにしてください。
ツールを利用して、自分が想定するポートフォリオのリスク・リターンを調べる
自分が想定する詳細なポートフォリオの組み方を把握するには、ツールを利用して自分が組んだポートフォリオのリスクとリターンの関係性を調べる方法が効果的です。
以下、シミュレーションおよび解説にあたり、たとえば、毎月3万円ずつ積立投資をしたと仮定し、1年間の損失許容金額は8万円、平均信託報酬を1.12%と仮定して解説をしていきます。

上記のポートフォリオから、日本株式41.67%、先進国株式41.67%、先進国債券16.67%といった資産配分になっており、国内株式と外国株式を合わせて83.34%の投資割合が確認できることから、この方は、多くのリターンを重視されていると推測することができます。
調べたリスク・リターンで最大の損失額に収まるか計算
シミュレーターで算出された期待リターンとリスクの数値を基に、以下の計算式にあてはめて最大の損失額を計算します。
最大損失額=投資金額×{期待リターン-(2×標準偏差/リスク)}
360,000円×{3.55%-(2×14.40%)}=-90,900円
計算の結果より、1年間の損失許容金額8万円をオーバーしていることから、このポートフォリオのままでは、自分が思い描いた投資をすることができないと分かります。
債券を加えるなどして、リスクを再調整する
損失額が想定よりもオーバーしている場合は「損失額を見直す」か「株式の投資割合を減らし、債券の投資割合を増やすことでリスクを調整する」といういずれかをやってみるのも1つの方法になります。

360,000円×{3.08%-(2×12.31%)}=-77,544円
再度、見直しをした後のポートフォリオでは、1年間の損失許容金額8万円を下回っていることから、当初、組んだポートフォリオに比べてリスクが低く抑えられていることが分かります。
参考シミュレーション
参考シミュレーションとして、積立投資で安定した運用をしたいと考えているものとし、先に解説した4大資産の内、「国内債券」や「外国債券」をメインとし、「国内株式」や「外国株式」をサブとする投資戦略(アセットアロケーション)で以下のようなポートフォリオを組んだと仮定します。

そして、老後の生活資金を確保することを目的として、1ヶ月あたり3万円を積立投資に回し、30年間継続して運用した場合のシミュレーション結果は以下のようになりました。


期待リターンの割合が「1.79%」という低い数値であったとしても、30年間の総投資金額1080万円に対して、期待リターンは「3110.6万円」、いちばん起こりそうな運用結果にあたる「最頻値(さいひんち)」は 2825.2万円 です。
積立投資は、低リスクで運用したとしても、長期間という時間や複利効果といった特徴を有効活用することで、最終的に大きな資産を得られる可能性が高いことが、上記参考シミュレーションの結果からご理解できたのではないでしょうか。
3. ポートフォリオの組み方は自由!
これまでの解説の通り、ポートフォリオは、投資目標やアセットアロケーションが決まった後に組まれるものであるため、基本的なポートフォリオの組み方は投資する本人の自由となります。
ただし、ポートフォリオを組むときには、リスクとリターンの関係性を考慮しながら、資産配分をすることで、長期に渡ってより安定した資産運用できるような組み合わせを維持していくことが大切です。
たとえば、前項で紹介した「参考シミュレーション」を例に、自分が組んだポートフォリオがどのような効果を生み出してくれるのか、まずはシミュレーターに数値を入れて試してみることを強く推奨致します。
4. 積立投資をするときに、詳細なポートフォリオを考えて欲しい2つの理由
最後に、積立投資をするときに、詳細なポートフォリオを考えて欲しい2つの理由について解説を進めていきます。
リスクとリターンを考えた投資をすることができる
投資目標を達成するためのポートフォリオを考えて、シミュレーションをすることによって、リスクがどれだけ高いのか?リターンはどれくらいあるのか?を目で確認することができます。
一般に、株式は債券よりもハイリスク・ハイリターンであり、逆に債券は株式に比べるとローリスク・ローリターンという関係性が存在します。
また、日本・先進国・新興国といった地域の違いによって、日本<先進国<新興国の順番にハイリスク・ハイリターンになる関係性もあります。
このような関係性を踏まえながら、積立投資による長期的な資産運用を考える場合には、リスクとリターンのバランスを考えて、より安定的に資産運用をすることが安定した運用益を得るための重要なポイントとなるのです。
仮に投資目標金額が高いのであれば、株式中心のハイリスク・ハイリターンのポートフォリオを、より安定した資産運用を考えているなら、債券中心のポートフォリオを組む法則をご理解いただければと思います。
分散投資をすることで安定した資産運用がしやすい
基本的には、ポートフォリオを考えて、国内や海外の株式および債券など値動きの違う資産に分散して投資をすることにより、安定した資産運用がしやすくなります。
投資の世界では「株価が上昇すると、債券価格が下がる」「株価が下落すると、債券価格が上がる」という法則が成り立ちます。
そのため、相反する動きをする資産に分散して投資をすることで、結果としてリスクヘッジ対策になるわけです。
ポートフォリオを組むことは、リスクとリターンの関係性を把握して投資ができるようになるだけでなく、実際に資産運用も安定させることができるため、積立投資ではポートフォリオを考えて、資産分散をさせるのが重要だと考えられているのです。
5. まとめ~積立投資をはじめるときにはポートフォリオを組むべし!ポートフォリオの組み方を解説~
本記事では、積立投資で成功を収めるために必要不可欠である「ポートフォリオの組み方」について、徹底的に分かりやすく解説を進めさせていただきました。
特に、詳細なポートフォリオを組むシミュレーターや参考シミュレーションは、これから積立投資を検討されている皆さまに対して、とても有意義な情報提供であったと感じています。
これから積立投資をするには、まず「投資目標を定め」「アセットアロケーションを決定」し「ポートフォリオを組む」といった一連の流れをしっかりとこなしてから、積立投資を始めるように心掛けて下さい。
ちなみに、積立投資の始め方は以下のページで詳しく解説しています。
これから老後の生活費など、将来のために資産形成を始めようと考えている方は、ぜひ読んでくださいね!
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