NISAは、少額短期非課税制度と呼ばれ、平成29年10月現在、1年間で120万円までの投資で得た配当金や売却益などに対して税金が課されない制度となっています。
ここで言う投資とは、株式投資や投資信託などの投資を指しますが、最長で5年間、各年120万円までの投資で得た運用益等に対して税金がかからないNISAは、平成30年1月より「つみたてNISA」という制度が新たに開始されることになっており、その注目度は非常に高いものになっています。
このようなことを踏まえまして、本記事では、NISAで投資信託を活用して資産運用をすることに焦点をあてて解説を進め、併せて、管理人がおすすめする投資信託の銘柄も紹介していきたいと思います。
1. NISA枠を使うときに投資信託を選んだ方が良い理由とは
冒頭でも軽く触れさせていただきましたが、現行のNISAは、最長で5年間、各年120万円までの投資で得た運用益等に対して税金がかからない制度になっていることから、できる限り、大きな運用益を上げられる株式投資の方が良いと感じる方も少なくありません。
しかしながら、NISAという制度を上手に使いこなすためには、大きな運用益を上げるということ以前に、そもそも運用益を確実に上げることを優先的に考えなければなりません。
このように考えた時、株式投資にはなく投資信託にはある2つのメリットが十分活きてくることになります。
株式投資にはなく投資信託にあるメリット 投資の分散が簡単
株式投資にはなく投資信託にあるメリットとして、投資の分散が簡単であることがあげられます。
たとえば、株式投資の場合ですと、1つの銘柄を買うのに、数十万円が必要になることが多い一方で、投資信託の場合は、投資の分散という面で考えますと、1万円程度から購入できるほか、ネット証券に限っては、月々100円から投資信託を購入できるものまで誕生している程です。
また、投資信託で国内株式投資信託を選んだとしますと、複数の株式銘柄に対して一度に投資できることに繋がるほか、投資信託は、株式だけに関わらず、債券、不動産、金などのような他の金融資産にまとめて投資することもできるため、少ない投資金額で様々な金融商品に簡単に投資でき、さらに投資を分散させることができる点が株式投資にはなく投資信託にあるメリットの1つ目になります。
株式投資にはなく投資信託にあるメリット 積立や売買のタイミングが自由
株式投資にはなく投資信託にある2つ目のメリットとして、積立や売買のタイミングが自由であることがあげられます。
通常、株式投資の場合ですと、最低の投資金額が高額である場合が多いため、1単元(株式の単位)のみしか買わないことが多いことから、株式の銘柄を「買う」「買わない」といったどちらかを選ばなければならず、売る時も「売る」「売らない」のどちらかを選ばなければならない場合が多いと想定されます。
しかし、投資信託の場合、たとえば、10種類の投資信託をそれぞれ1万円ずつ購入することができたり、同じ銘柄の投資信託を月に2回ずつ分けて購入したりするなどといったように、買う方法を工夫することができるほか、保有している投資信託を売る場合におきましても、保有している一部の投資信託のみを売ることができるため、資産運用の幅が広がるメリットがあります。
参考 NISA口座の限度枠を有効に活用するには
平成29年10月現在におけるNISA口座の限度枠は、1年間で120万円までの投資金額であることから、単純計算で1ヶ月の投資金額が10万円までであれば少額投資扱いとされることが確認できます。
人によって懐具合は異なるものの、投資は、余剰資金で行うことが大原則であることを踏まえますと、1ヶ月に10万円以上の余剰資金がある世帯というのは、中々多くないと推測することもできます。
また、株式中心の投資なのか投資信託中心の投資なのかといった点につきましても、それぞれの投資家の考え方があることから、NISA口座の利用のされ方に違いが生じるところではありますが、仮に、NISA口座の限度枠を有効に活用したいという考えの方は、以下のイメージ図を参照されることをおすすめ致します。

NISA口座を有効活用するには、投資信託だけで限度枠をすべて活用するパターンと株式投資をして余った枠に投資信託で埋め合わせるパターンの2つの方法が考えられます。
あくまでも余剰資金がなければ限度枠いっぱいまでNISA口座を活用することは難しいですが、特に株式投資を中心にされる方には、参考となる方法だと思われます。
2. NISA枠で投資信託を選ぶときの3つのポイント
実際に、NISA枠を使って積立投資をする場合、少なくとも「分配型ではなく再投資型を選ぶこと」「手数料の安い投資信託を選ぶこと」「NISA口座内で資産運用した投資信託はほったらかしにしないこと」の3つのポイントを押さえておくことが大切です。
分配型ではなく再投資型を選ぶこと
NISA枠で投資信託を選ぶ時に大切な1つ目のポイントは、「分配型ではなく再投資型を選ぶこと」です。
分配型の投資信託とは、その名前の通り、分配金が一定の日に支払われることから、ちょっとしたお小遣いの代わりとしたり、生活費の一部として貰ったお金を充てることができるといったメリットがあります。
しかしながら、NISA口座を含め、投資信託で資産運用するには、投資信託の特徴を活かした再投資型で資産運用することが大切であり、具体的には以下、3つの理由が考えられます。
分配型は、複利のパワーを最大限活用することができない
複利のパワー(複利効果)とは、実際に積み立てている元金とそれによって生じた利益を原資としてお金を生み出す方法のことをいい、再投資型は、複利のパワー(複利効果)を最大限に活かすことができる投資信託です。
たとえば、税金や手数料などを加味しないものとして100万円を年7%で運用したとしますと、1年後の元金と利益を併せた金額は107万円となります。
複利効果は、2年後の運用金額を元金のみの100万円とするのではなく、元金と利益を併せた107万円とすることで、5年後、10年後、20年後、30年後といった長期間に渡ってお金を運用する効果を効率的に大きくすることが可能になります。
仮に、分配型の投資信託を選んだ場合、都度、運用益を受け取ることになるため、複利のパワー(複利効果)を大きく活用することができず、多くのお金を受け取ることができなくなってしまいます。
分配金を再投資した場合、非課税枠を消費してしまう
実際に受け取った分配金を、再度、再投資する方はおられないと思いますが、仮に、受け取った分配金を再度、投資信託へ再投資した場合、無駄に非課税枠を消費してしまう要因になることから、結果として非効率的な資産運用に繋がります。
これでは、そもそも当初から分配型ではなく再投資型を選んでおけば済むことになりますので、できる限り、無駄になるようなロスは避けるように注意したいものです。
元本払戻金(特別分配金)があると非課税のメリットが無駄になる
分配型の投資信託から分配される分配金は、必ずしも投資信託で得た運用益であるとは限らないことがあります。
分配金の種類には、具体的に「普通分配金」と「特別分配金(元本払戻金)」があり、仮に、分配金として「特別分配金(元本払戻金)」も受け取った場合、そもそも資産運用するために投じたお金が返ってきただけに過ぎず、結果として多くの運用益を得られないことに繋がります。
これでは、資産運用をして運用益を上げるための投資効率が悪くなるだけでなく、NISAで認められている非課税制度まで活かしきれない結果となってしまうため、運用益を最大限に活用できる再投資型を選ぶようにしたいものです。
ノーロード&信託報酬が安いことは鉄則!
NISA口座内で投資信託を資産運用する際は、選んだ投資信託が、ノーロードでかつ信託報酬が安いことは鉄則となります。
ノーロードとは、投資信託を購入する際に、本来、投資信託の販売会社へ支払わなければならない購入時手数料(販売手数料)が無料のことをいい、このような投資信託をノーロード投資信託と言います。
また、投資信託の資産運用にかかる手数料として信託報酬がありますが、この信託報酬もできる限り安いものを選ぶことも鉄則です。
どちらの手数料も安いということは、結果として投資信託で得た運用益が多く手元に残ることに繋がりますので、NISA口座内で積立投資をするうえではどちらも鉄則となります。
NISA口座内で資産運用した投資信託はほったらかしにしないこと
通常、投資信託を購入した場合は、長期的に資産運用をするという目的からほったらかしにしても良いとされることもあるものの、NISA口座内で資産運用した投資信託につきましては、ほったらかしにすることに注意が必要です。
特に、NISAという制度は、運用益が生じている時に税金が非課税となるため、大きな効果を発揮するものの、逆に運用損が発生している場合におきましては、時として大きな不利益を被ることがあります。
さらに、NISAは、プラスマイナスを相殺する損益通算や損失の持ち越しができないこともあることから、攻めには強いが守りには弱いといった側面も少なからずある制度であるのは確かです。
そのため、NISA口座内で資産運用するには、株式投資のようなハイリスク・ハイリターンの投資よりも、できるだけ損失が出にくい(リスクが低い)投資信託に投資することを管理人はオススメします。
3. 管理人がオススメする投資信託の銘柄は「世界経済インデックスファンド」
本記事の最後に、管理人がオススメする投資信託の銘柄として「世界経済インデックスファンド」について軽く紹介していきます。
「世界経済インデックスファンド」は、バランスファンドと呼ばれる部類に該当し、ファンドの特色として、世界中の債券および株式に分散投資していることがあげられます。
また、債券および株式の投資割合が50:50であることから、双方のリスクとリターンの関係性に安定性が認められることから、投資信託の価値にあたる基準価額も安定した右肩上がりの傾向にあります。
バランスファンドということもあり、一般に販売されているインデックスファンドに比べて信託報酬が少々高めではありますが、安定した資産運用やリバランスと呼ばれる資産配分の調整をすることがない特徴があることから、投資初心者の方が、NISA口座で資産運用するには、おすすめの銘柄と言えるでしょう。
ただし、あくまでもご自身が持っている投資目的や投資目標を達成できる前提での話となりますので、投資信託の種類における「インデックスファンド」「アクティブファンド」「バランスファンド」などの特徴を確認し、併せて、日本国内、海外先進国、海外新興国などの違いについても、どのような特徴があるのか知っておくことも重要になります。
投資をするということは、金額が多い少ないに関わらず投資家であることに変わりはありませんので、情報収集を自らする努力や投資について学習する努力というものも少なからず必要になることは確かでしょう。
4. まとめ ~NISAを使って積立投資をするときのオススメの投資信託を紹介~
NISAを使って積立投資をするときには投資信託を選んだ方が良い理由について、本記事を通じてご理解することができたと思います。
法律や制度が年々目まぐるしく変化しておりますが、冒頭でも触れました「つみたてNISA」が平成30年1月より開始されることに伴い、NISAおよびつみたてNISAの違いを知ることも非常に重要になってきます。
積立投資をするときにNISA口座内で資産運用を行うことは確かに有意義な活用の仕方でありますが、人によっては、つみたてNISAの方がより有意義な活用の方法になることも十分考えられます。
NISAおよびつみたてNISAのいずれの制度を活用するにも、口座の開設をすることが要件として求められますが、まずは、同サイト内で公開しているつみたてNISAの特徴を確認し、自分にとってNISAおよびつみたてNISAのどちらが適しているのか自己判断してみることを強くおすすめ致します。
参考 つみたてNISA(積立NISA)のポイントを徹底解説。つみたてNISAの始め方
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