NISA(少額投資非課税制度)で投資をすることができる金融商品の1つに「投資信託」があります。
投資信託には、「株式投資信託」「公社債投資信託」「上場投資信託」「不動産投資信託」など複数の種類が存在し、NISAの投資対象となる投資信託とNISAの投資対象にならない投資信託があることから、それぞれの投資信託がどのような特徴を持った投資信託であるのかを知っておく必要があります。
また、これらの投資信託が、そもそもNISAの投資対象であるのか、NISAの投資対象ではないのかを知ることも重要です。
このようなことを踏まえまして、本記事では、NISAで投資をする投資信託について、基本的な解説から、投資信託を選ぶポイントや注意点など、幅広く解説を進めていきます。
1. 投資信託とは、どのような金融商品?仕組みと種類から知ろう
投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの大きな資金としてまとめ、そのまとまったお金を資産運用の専門家が、投資家に代わって資産運用する仕組みの金融商品です。
出典 一般社団法人 投資信託協会 そもそも投資信託とは?より引用
投資信託は、自身が投資できるお金の範囲内で投資をすることができ、少額かつ負担がかからずに資産運用が行えるため、投資初心者の方でも比較的投資をしやすいメリットがあると言えます。
併せて、投資信託の種類やNISAの投資対象であるのか、NISAの投資対象ではないのかについても引き続き解説を進めていきます。
投資信託のイメージを定着させよう
そもそも投資信託は、1つの銘柄(商品)に、国内株式、外国株式、国内債券、外国債券などといった複数の金融商品が混ぜ合わさって資産運用をするといった特徴を持っているものもあり、よく、「幕の内弁当」に例えられることがあります。
幕の内弁当に入っている様々な種類のおかずを金融商品に例えているわけです。
これによって、バランスの良い栄養を取れるように、投資信託で資産運用をすることによって安定した利益を得られやすいといったイメージを持つことができます。
株式投資信託 ~NISAの投資対象~
株式投資信託とは、投資信託の中に、国内株式や外国株式が組み合わされている投資信託のことをいいます。
株式投資信託の大きな特徴は、後述する公社債投資信託に比べて大きな収益を上げることができる一方、値下がりをした場合におけるリスクも大きいところにあります。
株式投資信託には、様々な種類があり、国内株式型、国際株式型、バランス型、インデックス型など、投資する種類の株式投資信託によってリスクとリターンの関係が大きく異なります。
公社債投資信託 ~NISAの投資対象外~
公社債投資信託とは、投資信託の中に、前述したような株式が組み入れられていない投資信託のことをいいます。
公社債投資信託の大きな特徴は、投資したお金(投資元本)を減らすリスクが比較的小さいことがあげられ、国債や社債といった債券や短期金融商品を中心に組み入れられている特徴があります。
公社債投資信託は、NISAの投資対象外となっているため、利益がとにかく少なくても安全に資産運用をしたいと考えている方は、一般口座や特定口座と呼ばれるNISA以外の口座で資産運用をする必要があります。
上場投資信託(ETF) ~NISAの投資対象~
上場投資信託(ETF)とは、証券取引所に上場しており、上場株式と同じように取引がなされる投資信託のことをいいます。
ニュースなどで一度は、見聞きしたことがある、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)といった指数と連動して資産運用される仕組みの投資信託で、いわば、株式と投資信託の両方の特徴を合わせ持った金融商品といえます。
上場投資信託(ETF)は、証券取引所の取引時間であれば、いつでも売買することができる部分が大きな特徴でもあり、リアルタイムに確認することができる株価指数の値動きを確認しながら、利益の出るタイミングで取引できる点はメリットと言えるでしょう。
不動産投資信託(REIT) ~NISAの投資対象~
不動産投資信託(REIT)とは、不動産で資産運用をする投資信託のことをいい、株式と同じように、証券会社を通じて証券取引所で売買をする投資信託です。
不動産投資信託(REIT)は、投資法人と呼ばれる会社が発行した証券を、投資家が購入し、証券を購入されることによって集まった資金でオフィスビルやマンションをはじめ、商業施設といった不動産を投資法人が購入します。
そして、購入した不動産から生じる賃料や物件の売却益を、投資家の投資分に基づいて収益分配する仕組みとなっています。
2. NISAで投資信託を選ぶべき3つの理由
投資信託のイメージや投資信託の種類をご理解いただいたところで、実際に、NISAで投資信託を選んだ方が良いと思われる理由についてここでは3つ解説をしていきます。
本項も含めて、以降の解説は、特に、これからNISAを始める予定がある方や資産運用に興味がある方には、じっくりとお目通しいただきたいと思っています。
最低100円から投資をはじめることができる
NISAで投資信託を始める場合、金融機関によって最低投資金額が異なりますが、現在、インターネット証券会社(ネット証券)の一部では、最低投資金額が100円から投資信託を購入して資産運用をすることが可能になっています。
100円から投資信託を購入できるのは、インターネット証券会社(ネット証券)で、積立投資(投信積立)の場合に限定しているのが見受けられるものの、「お試し」や「投資経験を積む」といった目的におきましては、気軽に始めやすいメリットがあります。
1つの投資信託でリスクを分散できる
リスクを分散するとは、たとえば、1つのかごに入っている卵を誤って落としてしまった場合、すべての卵が割れて台無しになるリスクが伴います。
しかし、複数のかごに分けて卵を入れておきますと、たとえ、1つのかごを誤って落としてしまったとしても、すべての卵を失わなくて済みます。
これが、リスクを分散する=分散投資の考え方になります。
投資信託は、すでに分散投資されている金融商品であり、デメリットを打ち消し合ってメリットを活かすような商品の組み合わせになっているため、リスクを分散する効果を発揮することができる特徴があります。
プロが運用してくれるので安心・安全
購入した投資信託の資産運用は、プロの専門家にあたるファンドマネージャーが行うことになるため、少なくとも自分でデータ分析や専門的なことを学ぶ時間を費やす必要もないことから、手間が省け、楽なのは確かです。
投資経験を少しずつ積みながら、空いた時間に投資を学びながら資産運用を続けていけることは、効率的かつ安心・安全なのではないでしょうか?
3. NISAで投資すべき投資信託を選ぶときの4つのポイント
NISAで投資信託を選ぶべき理由がご理解できたところで、さらに投資信託で利益を上げるためのポイントを4つに絞って解説を進めていきます。
なお、本項の解説にあたりましては、投資信託を毎月購入する積立投資(投信積立)で資産運用を行うものとし、一時的な買付(通常買付)を行わないものとしています。
毎月分配型ではなく再投資型である
NISAは、最大非課税投資期間が5年間ですが、この間、積立投資(投信積立)で資産運用をするのであれば、毎月分配型ではなく再投資型を選択して投資信託を購入することをおすすめ致します。
購入した投資信託によって運用実績は異なりますが、一般に、毎月分配型よりも再投資型の方が受け取る金額が多くなるためです。
参考 積立投資をする場合、毎月分配型を選んではいけない
参考 積立投資なら再投資型ファンドを選ぼう!再投資型のメリット・デメリットを紹介
ノーロード&信託報酬が安い
積立投資(投信積立)で資産運用を行う場合は、ノーロード&信託報酬が安いといった条件は絶対に欠かすことができません。
一般に、投資信託を購入しますと「購入時手数料(販売手数料)」といったものを金融機関に対して支払わなければなりませんが、積立投資(投信積立)のように毎月購入する都度、このような手数料が発生することは大きなロスに繋がります。
このような手数料がない投資信託を「ノーロード投資信託」といいますが、積立投資(投信積立)をする上で欠かすことのできない考え方になります。
参考 積立投資ではノーロード投資信託しか選んではいけない。その理由は?
なお、信託報酬は、投資信託で資産運用をしている以上、必ず発生する手数料となりますが、こちらは、投資信託の銘柄(商品)を選ぶ際にできる限り低いものを選ぶように心掛けたいものです。
インデックスファンドである
インデックスファンドとは、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)といった指数に連動した資産運用をするために、コンピューターを利用することで機械的に資産運用をする投資信託で、別にパッシブ型と言われることもあります。
たとえば、日経平均株価が1,000円上昇したとすると日経平均株価に連動したインデックスファンドの基準価額も1,000円上昇するといったように値動きが連動することになるため、日々の変動を把握しやすいメリットがあります。
通常、株式市場の状態が好調で日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)が上昇している時ほどインデックスファンドの利益も得やすくなるほか、大まかな利益のプラスマイナスは、毎日のテレビニュースで確認することができるため気持ち的にも余裕が持てる投資信託と言えます。
参考 積立投資ではインデックスファンドを複数組み合わせるのが王道
手間をかけたくない場合は、バランス型投資信託
仮に、投資初心者の方で、できる限り手間をかけたくない方であれば「バランス型投資信託=バランスファンド」を選んでみるのも良いでしょう。
バランス型投資信託は、1つの商品(銘柄)で国内株式と国内債券や外国株式と外国債券といったように複数の資産に投資をすることができるため、投資金額が少額であったとしても分散投資をすることができます。
また、バランス型投資信託は、リバランスと呼ばれる調整を自分でやる必要もないため、いわば「すべておまかせ」といった考えの方には、とても重宝される投資信託でしょう。
参考 積立投資に手間と時間を掛けたくないならバランス型ファンドを選択すべし
参考 積立投資におけるリバランスとは?方法とタイミングを解説
4. NISAで投資信託へ投資する前に確認しておきたい3つの注意点
本記事の最後に、NISAを活用して投資信託へ投資をする前に確認しておきたい3つの注意点についてそれぞれ解説をしていきます。
投資信託の目論見書を確認する
目論見書(もくろみしょ)とは、投資信託の重要事項を説明する書類のことをいい、ざっくり言ってしまえば、「取扱説明書」のようなものです。
投資信託を販売する証券会社や銀行などでは、投資家に対して目論見書は必ず交付しなければならないものとなっており、インターネット証券会社(ネット証券)で投資信託を購入する場合は、購入前にWEBにて目論見書の閲覧とそれを行ったことについて同意をしなければ投資信託を購入することができないようになっています。
細かなことがたくさん書かれていて、読み進めるのが面倒だと思いますが、目通しを忘れずに行い、投資目的や特色などをしっかりと確認しておくようにしましょう。
投資信託の運用報告書を確認する
運用報告書とは、投資信託の「成績表」にあたり、これを見ることによって運用実績がどのようになったのかを知ることができます。
また、運用実績を上げるために、どのように運用をしたのかといった「運用概況」やこれからどのように運用していくのかといった「今後の運用方針」といったものも併せて確認しておくことが大切です。
これらすべてが、良好でなければ、自身が投じたお金が増えるような気がしないですよね?
投資信託の格付けを確認する
こちらは参考情報となりますが、可能であれば、ご自身が投じる予定の投資信託について格付けがどのようになっているのかも確認しておきたいものです。
投資信託の格付けは、投信評価機関と呼ばれるところが第三者の立場で行っており、主なものとして以下のようなものがあります。
- 格付投資情報センター
- モーニングスター
- ロイター
- ブルームバーグ
- 時事通信 など
上記の評価機関によって格付けの評価が異なりますが、ご自身の購入する予定の投資信託は、全体的に評価が高いのかどうかを念のため確認しておくことは良いと思われます。
5. まとめ ~NISAで投資するべき投資信託について解説。オススメの投資信託も紹介~
本記事では、NISAで投資をする投資信託について、基本的な解説から、投資信託を選ぶポイントや注意点など、幅広く解説を進めさせていただきました。
NISAを活用した投資でどのように利益を上げたいのかによって投資をするべき金融商品が変わってくることになりますが、少なくとも投資信託を活用することはマイナスに働くことはないと予測されます。
また、こちらは余談となりますが、仮に、将来のためにお金を貯めておきたいけれども、投資に回せる金額は、数万円程度までといった方であれば、「つみたてNISA」で資産運用を検討してみるのも良いでしょう。
平成30年1月から制度が開始されるつみたてNISAは、将来のためにお金を貯めておきたいけれども、投資に回せる金額は、数万円程度までといった方には正に適した投資方法であると考えられ、子どもの教育資金、住宅購入資金、将来の老後資金といったお金を用意するのにとても有効な制度です。
NISAで投資をするときには投資信託を選ぶのをおすすめ致しますが、投資金額が少額で長い時間をかけてより確実にお金を貯めたい方であれば、つみたてNISAを選んでみてはいかがでしょうか?
参考 積立投資超入門!!つみたてNISA
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