個人型確定拠出年金(iDeCo)とNISAを徹底比較。どちらを選ぶべきか解説

「資産運用」や「自助努力」といった言葉を見聞きする昨今におきまして、個人型確定拠出年金(iDeCo)やNISAといった国の制度をいかに活用するのか?といったことが、将来の自分を守っていくための1つの課題となっています。

しかしながら、実際のところ、個人型確定拠出年金(iDeCo)やNISAについて、よくわからない、どちらを選べば良いのかわからない、自分にはどの方法が最適なのか知りたいなどの思いから、中には、いずれの制度も有効に活用できていないユーザーの皆さまも多いと思われます。

このようなことを踏まえまして本記事では、個人型確定拠出年金(iDeCo)とNISAを徹底比較することで、それぞれの制度について解説を進め、併せて、どのような場合にどちらの制度を活用したら良いのかといったことについても解説していきます。

なお、解説を進めるにあたり、個人型確定拠出年金(iDeCo)およびNISAのいずれの制度を活用する場合におきましても、投資信託を毎月購入して資産運用する積立投資で行うものとします。

1.個人型確定拠出年金(iDeCo)とNISAの違いを解説します!

はじめに、個人型確定拠出年金(iDeCo)とNISAの特徴の違いについて、以下、表にまとめて解説を進めていきます。

比較項目 個人型確定拠出年金(iDeCo) NISA
年間の投資上限 6万円~81万6000円 120万円
運用期間 60歳まで(10年間延長可能) 5年(最長10年)
運用時の課税 非課税 非課税
お金を引き出すときの課税 課税 非課税
途中換金 不可 可能
損益通算 不可 不可
取扱い商品 定期預金・投資信託・保険商品 株・投資信託・ETF・REIT
資産の引き出しタイミング 60歳になったタイミング いつでもOK
口座維持費 あり なし

個人型確定拠出年金(iDeCo)とNISAは、いずれも国の制度となりますが、比較項目を見て比べるとその違いは一目瞭然です。

注目するべきは、「比較項目そのもの」であり、たとえば、自分が何のために積立投資をするのか?といった目的によって、個人型確定拠出年金(iDeCo)とNISAのどちらの制度を利用するのか決めることが重要になります。

2.個人型確定拠出年金(iDeCo)は、職業や将来を考えて選ぶことが重要

前項では、自分が何のために積立投資をするのか?といった目的によって、個人型確定拠出年金(iDeCo)とNISAのどちらの制度を利用するのか決めることが重要と解説させていただきました。

ここでいう目的とは、具体的には「老後のため」「子どもの教育資金のため」「住宅購入の頭金のため」「とにかく自分のお金を殖やしたいため」などの目的を持つということを指しています。

たとえば、「子どもの教育資金のため」といった目的を持ち、積立投資で資産運用する場合、個人型確定拠出年金(iDeCo)を選択したとしたら、それは「大間違い」となります。

なぜなら、個人型確定拠出年金(iDeCo)は、原則としてお金を60歳まで引き出すことができないこととなっている(比較表、資産引き出しのタイミングを参照)ため、子どもが進学して必要な時に資産運用をしたお金を引き出すことができないためです。

今度は、職業が専業主婦の方で、個人型確定拠出年金(iDeCo)で「老後資金のため」に積立投資で資産運用する場合を考えてみます。

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、原則としてお金を60歳まで引き出すことができない特徴があることから、少なくともそれまで資産運用をして形成されたお金をまとまって受け取ることができると考えられるため、資産運用の目的には合致している方法と言えます。

ただし、個人型確定拠出年金(iDeCo)は、節税効果が極めて高い制度であることから、たとえば、専業主婦で、かつ、夫の扶養の範囲内でパート勤務をしている方などであれば、十分な節税効果を活かしきれないといったロスが生じるデメリットもあります。

これまでの解説を見ていきますと、個人型確定拠出年金(iDeCo)が良い制度でないような誤解を与えてしまいそうですが、次項では、どのような場合に個人型確定拠出年金(iDeCo)を活用するのが良いのかについて解説を進めていきます。

3.会社員等で老後資金を貯める目的なら個人型確定拠出年金(iDeCo)が断然有利

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、職業が会社員等で老後資金を貯める目的で積立投資を行うのであれば、断然有利な制度となります。

実際のところ、老後の資産形成をするのであれば、個人型確定拠出年金(iDeCo)が最強と言われる程、老後の資産形成といった目的におきましては、絶大な効果を発揮するのが同制度です。

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、資産運用をする期間が60歳までと決まっており、その間、原則としてお金を引き出すことはできないデメリットがあるものの、以下、3つの時点で節税効果が認められるため、老後の資産形成のように長期の資産形成目的向けに作られた制度と言えます。

  • 確定拠出年金保険料は、「小規模企業共済等掛金控除」として全額所得控除の対象
  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)で資産運用した運用益は全額非課税
  • 60歳から受け取るお金は、一括受取、分割受取のいずれも控除が適用となる

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、「保険料を支払った時」「資産運用時」「お金を受け取り時」といった3つの時点でそれぞれ税金の控除や非課税などの特典が受けられるため、老後の資産形成のために、積立投資をするのであれば、個人型確定拠出年金(iDeCo)を選ぶべきです。

なお、こちらは余談となりますが、先に専業主婦は、十分な節税効果を活かしきれないといったロスが生じる旨を解説しましたが、これは、所得の少ない専業主婦の方が「小規模企業共済等掛金控除」を適用したとしても、還付されるべき税金が変わらないと推測されるためになります。

→節税効果についての詳細は「個人型確定拠出年金(iDeCo) 税金」で解説

4.NISAは、職業を問わず、投資で資産運用をする場合、積極的に活用しよう

NISAを活用する場合は、現在の職業を問わず、投資で資産運用をする際に積極的な活用をされることをおすすめ致します。

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、老後の資産形成といった目的に向いている一方、NISAは、どちらかと言えば、「子どもの教育資金のため」「住宅購入の頭金のため」「とにかく自分のお金を殖やしたいため」などのような目的向けの制度です。

NISAは、少額投資非課税制度のことをいい、1年間で120万円までの投資で得た運用益に対して、本来課されるべき20.315%の税金が課されることがないといった特長があります。

極端な例ではありますが、1年間で120万円の株式投資を行い、その結果、株が値上がりし売却したことによって100万円の運用益を得た場合、本来ならば、203,150円の税金が徴収されることになりますが、NISAを活用することで、203,150円の税金が徴収されることはないといったイメージになります。

冒頭では、解説を進めるにあたり、個人型確定拠出年金(iDeCo)およびNISAのいずれの制度を活用する場合におきまして、投資信託を毎月購入して資産運用する積立投資で行うものとするとしましたが、NISAで積立投資を行う場合、株式投資ほど大きな効果は得られないのは確かです。

この理由として、積立投資は株式投資と異なり、長期の時間をかけて資産運用しながら資産形成をしていく投資手法であり、5年や10年などといった期間で保有している投資信託を売却することがあまり考えられないためです。

そのため、NISAは株式投資のように短期的な投資や大きな運用益が期待できる投資ほど、大きな効果が得られると考えられることもあります。

以下、参考までにNISAがこのような短期での投資向きと呼ばれることもある2つの理由について紹介していきます。

4-1.NISAの非課税運用期間は5年までしかない

NISAは、1年間で120万円までの投資で得た運用益に対して、税金がかからないことはすでに解説した通りですが、実際にNISAで運用益が非課税となる期間は5年までと決まっています。

言うまでもなく、積立投資を5年間、継続して運用したとしても大きな運用益を得るのが限りなく難しいだけなく、株式投資などに比べると効果が薄まるのは明らかです。

4-2.短期投資向きの金融商品で大きな運用益を得られる可能性がある

株式投資、ETF(上場投資信託)、国内REIT(不動産投資信託)などは、積立投資に比べて大きな運用益を得られる可能性が高いと推測されます。

NISAは、運用益が生じることで初めて効果が発揮されることになるため、運用益がより大きい程、制度の活用効果が高くなると考えられます。

ただし、ハイリスク・ハイリターンの関係性が崩れることはありませんので、この辺のリスク管理を徹底した上でNISAを活用することが大切です。

4-3.はたして、NISAで長期の資産形成をする積立投資は、本当に向かないのか?

投資による資産運用は、絶対に儲かるといった保証がないことから、有識者の間でも様々な考えがあることは紛れもない事実です。

たとえば、前項では、NISAが短期的な投資に向きであるといった理由について2つ紹介をしましたが、一方で、NISAが積立投資のような長期の資産運用に向いているといった考えを持った有識者もおります。

NISAが積立投資のような長期の資産形成に向いているとされる理由として、NISAの非課税枠は一度売却をすることで使えなくなることから、長期間保有して値上がりを待つタイプの投資(積立投資)が向いているといった理由からです。

ここで大きな誤解を招かないようにしておかなければなりませんが、「NISAの非課税枠は一度売却をすることで使えなくなる」とは、5年間すべての非課税枠が使えなくなるということではなく、その年の非課税枠がすべて使えなくなることを意味しています。

そのため、NISAの範囲内(年間120万円までの投資)を限度額いっぱいに活用して積立投資を行い、非課税枠が終了する直前で、かつ、利益が生じている状態の中で売却するのが望ましいといった考え方もあります。

このことから、NISAは、単に短期投資・長期投資といったことだけではどちらが良いと言い切れないことが確認できます。

5.大切なことは「お金の振り分けバランス」!どちらの制度も併用しよう!

これまで、個人型確定拠出年金(iDeCo)とNISAの両方について解説を進めてきましたが、できる限り、どちらの制度も併用して活用することをおすすめ致します。

特に、現在20代や30代などといった若年者の方であれば、将来の老後資金の確保や子どものための教育資金の準備、住宅購入のための頭金の用意など、まとまったお金が必要となるライフイベントが到来する可能性が高くなります。

このような場合に、個人型確定拠出年金(iDeCo)とNISAのいずれか一方のみに偏った資産運用は、正しい資産運用とは言えず、どちらの制度も併用しながら「お金の振り分けバランス」を変化させることが大切となります。

たとえば、1ヶ月に20,000円まで資産運用に回すことができると仮定した場合、子どもが大学に上がるまでは、個人型確定拠出年金(iDeCo)に5000円、NISAに15,000円などの振り分けにし、住宅購入の頭金と子どもの教育資金を同時に確保しながらも、老後資金も準備するといった両制度の併用方法も良いかもしれません。

ポイントは、お金が必要となる時期が早いライフイベントに照準を合わせて、いつでもお金が引き出せるNISAに振り分けを多くしているというところです。

そして、子どもが大学などへ進学し、子どもの教育資金の確保が不要となった場合に、今度は、個人型確定拠出年金(iDeCo)に20,000円、NISAに0円(非課税運用終了)と振り分けを変えて、将来の老後資金に重きをおいて準備するなどの方法もあるでしょう。

これは、あくまでも一例ですが、長期間に渡って資産形成が成される積立投資におきましては、個人型確定拠出年金(iDeCo)とNISAの強みをそれぞれ活かした併用がおすすめです。

6.まとめ~個人型確定拠出年金(iDeCo)とNISAを徹底比較。どちらを選ぶべきか解説。~

本記事では、個人型確定拠出年金(iDeCo)とNISAを徹底比較することで、それぞれの制度について解説を進め、併せて、どのような場合にどちらの制度を活用したら良いのかといったことについて解説を進めさせていただきました。

どちらの制度を選ぶべきなのか?といった答えは、ユーザーの皆さま1人ひとりの投資目的や職業などによって決めるべきものであると考えられます。

平成30年1月からは、本記事で解説した個人型確定拠出年金(iDeCo)とNISAのほかに「つみたてNISA」という制度がスタートすることになり、積立投資で資産運用する考え方や金額になどによっては、さらに有利な選択肢が増えることになっています。

そのため、本記事の内容を再度、読み返してご確認いただきながら、「つみたてNISA」についてもどのような制度であるのかなどについて確認されることを強くおすすめ致します。

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