公務員と単に言っても、国家公務員や地方公務員などに分けられるほか、職種や学歴によって給料の上がり方が大きく異なる特徴があります。
公務員は、給料やボーナスが確実に支給されるほか、職場が倒産して無くなるといったことが基本的にないわけでありますから、抜群な安定度を誇っておりますが、収入の上がり方は、公務員の中でも職種や学歴によってあらかじめ決まっていて、民間の会社と異なって若い年齢から「大出世」というものはあまり見られないのも公務員の大きな特徴と言えるでしょう。
そのような公務員も、被用者年金の一元化やその他の制度改正によって、以前に比べて公務員であるからといった恩恵がだいぶ無くなってきていることも確かであり、自助努力と自己責任の下、資産形成をしなければならない時代に変化してきました。
そこで本記事では、公務員の方へおすすめの資産形成方法として、長期の資産形成に向いている積立投資について基本的な部分からおすすめの理由まで幅広く解説を進めていきたいと思います。
1. 公務員へ積立投資をおすすめする3つの理由
はじめに、公務員へ資産形成をするのにオススメしたい積立投資について、その理由を「少額からスタートできる」「プロが運用してくれるので手間がかからない」「安定した資産運用がしやすい」という3つに分けてそれぞれについて簡単に解説していきます。
投資信託への積立投資なら少額から投資をはじめられる
平成29年9月現在、積立投資は、安いものでは100円から始めることができる投資である一方、株式投資は、最低でも5万円から10万円程度のお金が必要とされます。
このように比較してみますと、積立投資がいかに少額から始められる投資であることが分かりますが、少額で投資を始められるということは、ローリスクで投資を始められることに繋がりますので、結果として積立投資を始めやすい環境が整っていると考えることができます。
また、積立投資は、長期の時間を最大限に活用して比較的早い内から資産運用を行うことで、仮に少額であったとしても結果的に大きなリターンを得られるといった期待があるところが、積立投資をおすすめできる1つ目の理由となります。
プロが運用をしてくれるので時間も手間もかからない
積立投資で購入する投資信託の銘柄は、私たち投資家が決定しますが、その資産運用は、運用会社のファンドマネージャーと呼ばれるプロが、代わりに資産運用をする仕組みになっています。
そのため、私たちは時間や手間をかけて資産運用を考えたりなどといった難しいことをわざわざ知る必要がありません。
先に解説しましたように、毎月少額から投資を始められ、さらに、難しいことはプロにお任せといった、正に至れり尽くせりの投資が積立投資です。
投資の時間に多くを割くことができない公務員の皆さんにとってみますと、積立投資で毎月の資産運用を任せておけば自動で資産形成が成される投資は、おそらく多くの公務員の皆さんに向きの資産形成方法であると考えられます。
国内外の株式・債券に投資することで安定した資産運用ができる
投資信託は、よく「幕の内弁当」に例えられることが多く、1つの箱の中にたくさんの種類の金融商品がセットになったイメージが投資信託です。
1つの銘柄の投資信託を購入しますと、その投資信託の内訳は、国内株式、国内債券、海外株式、海外債券といった複数の種類の金融資産がセットになった投資信託もあれば、国内株式に特化した投資信託など、実に種類が豊富です。
一般に、投資信託の内、国内株式、国内債券、海外株式、海外債券といった複数の種類の金融資産がセットになった投資信託の場合ですと、お互いの良い部分と悪い部分を補うような値動きになるため、非常に安定した資産運用ができ、結果として安定した資産形成ができるといったメリットがあります。
2. 積立投資は副業にあたらないため就業規則に触れることはない
多くの会社では、会社の就業規則などで、副業(サイドビジネス)を禁じておりますが、こちらに関しては、公務員も同様の取り扱いとなっています。
ただし、ここで言う副業とは、本業である公務員の仕事が終了した後に、アルバイトやパートに出て再び働くことなどを指し、仮に、副業を認めてしまいますと、疲労の蓄積などによって毎日の本業に大きな支障をきたしてしまう懸念は避けられません。
何よりも業務中にけがや死亡といった事態が発生してしまいますと、時には、職場が大きな責任を問われることになるほか、場合によっては多額の損害賠償をしなければならない大きなリスクを抱えてしまいます。
このような理由から、多くの会社では、副業を禁止しておりますが、積立投資や株式投資といった個人の資産運用についてまで副業とすることは適切ではありません。
たとえば、社会人のすべての人が持っていると言っても決して過言ではない「預金口座」ですが、預金口座にお金を預け入れしていることも立派な資産運用です。
なぜならば、預け入れしている預金に対して預金利息が付されているためです。
つまり、金額の多い、少ないといったことに関わらず、私たちは常に資産運用していることになりますが、投資信託を毎月購入して資産運用するといった積立投資も基本的には資産運用にあたり、副業(サイドビジネス)にはあたりません。
分かりやすい例として、2017年1月から国は個人型確定拠出年金を公務員や専業主婦(主夫)でも加入できるように法改正し、自分たちの老後資金を確保するために、自助努力と自己責任の下、投資することを推奨しました。
仮に、公務員が資産運用をすることに対して副業と言うのであれば、そもそも、このような法改正にはなっていなかったと解することができます。
したがいまして、「積立投資=副業ではない」ため、自助努力と自己責任の下、資産運用と資産形成を確立することを考えていただきたいと思っています。
3. 個人型確定拠出年金やNISAを上手く活用しよう!
公務員の皆さんが、積立投資を始めるのであれば、やはり、個人型確定拠出年金やNISAといった制度を賢く活用することを強くおすすめ致します。
これらの制度を有効かつ賢く活用できることで、ロスを減らし、効率の良い資産運用と資産形成ができることに繋がります。
このような理由から、本項では、個人型確定拠出年金およびNISAの押さえておきたいメリットおよびデメリットについて解説を進めていきます。
公務員の場合における、個人型確定拠出年金のメリットおよびデメリット
個人型確定拠出年金のメリットは、一言で「節税できる」ところにあります。
具体的には、「確定拠出年金の掛金を支払った時」「確定拠出年金で資産運用中」「確定拠出年金を受け取る時」といった3つの時点において、すべて節税効果があるといった非常に優れた資産運用方法です。
公務員の場合ですと、夏季や冬季のボーナスもそれなりに多く支給されることから、20代や30代といった若年者世代であったとしても年収が比較的高めになることが予測されます。
このような場合に、個人型確定拠出年金に加入することで、所得税や住民税を納める金額を減らしながら老後の資金対策が同時にできるといった制度であるため、積極的に活用したいものです。
一例として、仮に年収500万円の公務員が、1月から個人型確定拠出年金に加入し、年末調整をした場合における所得税と住民税の節税効果の違いについて比較シミュレーションしたものを紹介します。
なお、計算の便宜上、源泉徴収はなし、年収は給与のみ、所得控除は基礎控除のみとし、その他条件については加味しないものとします。
項目 | 確定拠出年金 加入 | 確定拠出年金 不加入 |
---|---|---|
年収 | 500万円 | |
給与所得 | 346万円 | |
基礎控除 | 380,000円(住民税330,000円) | |
小規模企業共済等掛金控除 (年間上限まで加入) |
144,000円 | 0円 |
納めるべき概算所得税 | 200,200円 | 214,900円 |
納めるべき概算住民税 | 301,000円 | 315,500円 |
合計 | 501,200円 | 530,400円 |
概算節税効果 | 29,200円 | - |
参考 平成29年9月現在の法令に基づいて管理人試算
平成29年9月現在、公務員が1ヶ月に個人型確定拠出年金に掛金を拠出できる上限は、1ヶ月あたり12,000円(年間144,000円)と法律で定められており、これを最大限活かしたとしますと、所得税と住民税の概算節税効果は29,200円になります。
1年間で29,200円でありますから、単純計算でこれが20年、30年と続きますと、かなりの節税効果が期待できることが分かります。
一方、個人型確定拠出年金のデメリットは、掛金として拠出したお金を「60歳まで引き出すことができない」点にあります。
つまり、お金が急きょ入り用になったとしても引き出すことや一部を取り崩すといったことができないため、本当に余裕のあるお金の範囲内で行うことが重要になります。
参考 個人型確定拠出年金(iDeCo)の金融機関はどこがお得か比較!2017年版
積立NISAを賢く利用して積立投資を始める
平成30年1月より積立NISAの制度が施行されることに伴い、多くの証券会社等では、口座開設の受付を始めています。
積立NISAは、積立投資を行う場合に限定されている特別な制度であり、従来のNISAに比べて非課税期間が5年から20年と大幅に長くなった特徴があります。
非課税金額は、1年で120万円から40万円に減額されたものの、長期の資産運用でしっかりと資産形成をしつつ、徐々に必要な時期に応じて形成した資産を取り崩していくことで、積立NISAを有効活用できる方は、少なからず、税金の面も含めて有利にお金を残すことができると考えられます。
公務員は「個人型確定拠出年金」と「積立NISA」のどちらが良い?
公務員は、「個人型確定拠出年金」と「積立NISA」のどちらも行うことが可能ですが、では、一体どちらをやった方がいいのだろう?と疑問に思う方もおられるのではないでしょうか?
結論から申し上げると、「どちらも併用して行うのが得策」です。
一般に、個人型確定拠出年金の方が、積立NISAに比べて節税効果が極めて高いため、そちらを優先して行った方が良いといった考えもあり、それは決して誤ってはいないと思います。
しかし、公務員の場合は、1ヶ月12,000円、年間144,000円までが拠出の上限となりますので、それ以外の部分は、積立NISAで資産運用するのが得策だと考えられるため、「どちらも併用して行うのが得策」だと管理人は判断致します。
また、お金を換金するといった流動性を考慮した時も「どちらも併用して行うのが得策」だと考えられ、個人型確定拠出年金で拠出したお金は、60歳以降のいわゆる老後資金対策と使える一方で、原則としてお金を引き出すことができません。
しかし、積立NISAで資産運用したお金は、どうしてもお金が入り用な時は、中途で解約して現金化することが可能になるため、個人型確定拠出年金で将来の資産形成を継続しながら一時的なお金の支出に備えられるため、どちらも併用して行うのが得策だと管理人は考えます。
なお、NISAの口座を開設する時は、特定口座(源泉徴収有り)、特定口座(源泉徴収なし)、一般口座の3つからいずれかを選んで口座を開設する形式となりますが、公務員の場合は、通常、12月の年末調整で1年間の税金が精算されることになるため、特定口座(源泉徴収有り)を選ぶことで確定申告の必要もなく楽であるのは確かです。
4. まとめ ~公務員でも積立投資をしてOK!積立投資が公務員にオススメの理由を解説~
本記事では、公務員の方へおすすめの資産形成方法として、長期の資産形成に向いている積立投資について基本的な部分からおすすめの理由まで幅広く解説を進めさせていただきました。
公務員の制度改革が徐々に変化し、以前のように公務員だから優遇されるといった風潮に多くの国民がNOを突き付けている現状があるからこそ、今後も公務員であるからといった優遇がますます無くなってくるものと予測されます。
このように考えた時、やはり、公務員でも資産形成をしなければいけない時代になっていると言えるでしょう。
積立投資は、短い時間で資産形成をすることができる株式投資などとは異なり、長期の時間をかけて、少しずつ資産運用することで、より確実に資産形成をしていく投資方法になりますので、できる限り、早い内から積立投資を始めることをおすすめしたいと思っています。
この際、個人型確定拠出年金や積立NISAといった有利になる制度をしっかりと活用し、制度の内容があいまいな場合は、FPなどの専門家へ相談するなど最善策を取った上で効果的な資産運用をしていただきたいと管理人は強く思います。
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