積立投資は、通常、投資初心者向けで長期の資産運用に向いている投資手法と言われます。
一般に、株式投資やFXといった、ハイリスク・ハイリターンの投資と比べると積立投資は、値動きが緩やかなことから、運用の仕方1つによって、ローリスク・ローリターンで長期の資産運用をすることも十分可能です。
安定志向やバランス重視の投資を目標としている投資家の皆さんは、大変多く、投資全般におかれましては、「債券への投資」が基本中の基本となりますが、その際、国内債券や国内債券ファンドについて知っておくことも大切になります。
そこで本記事では、債券の内、国内債券および国内債券ファンドに焦点をあてて、メリットやデメリットについて、幅広く解説を進めていきます。
1. そもそも債券とは?
本記事の解説を進めていく前に、債券についてどのようなものなのか理解しておく必要があります。
そもそも債券とは、国や地方公共団体などが、投資家や銀行などからお金を借りる際に発行する借用証券のことを言います。
国が発行している債券を「国債」、地方公共団体が発行している債券を「地方債」、会社が発行している債券を「社債」と言い、特に、国債は多くの方が一度は聞いたことがある言葉だと思われます。
以下、国債についてもう少し詳しく解説を進めていきます。
国債とは日本政府が発行している債券のこと
国債とは、日本政府が発行している債券のことで、いわば「日本の借金」にあたります。
国が、様々な政策を進めていくためには、当然、多くのお金が必要となりますが、国の収入にあたる税収でまかないきれない分について、国債を発行することで投資家や銀行から資金を調達している(借りている)といったイメージになります。
国債は、円建てで取引されていることから為替変動リスクがなく、日本が破たんしない限り元本が保証されている大きな強みがあり、日本人にとっては一番リスクが低い投資先と言っても良い金融商品でした。
しかしながら、日本銀行がマイナス金利政策を施行したことによって国債の大きな強みが崩れ始めてしまっており、一概に安全で元本保証されている金融商品とは言えなくなってしまっていることも、予備知識として押さえておきたいポイントです。
積立投資において、国債を含めた債券の割合を多くする投資は、「安全性が高い」ことに引き続き変わりはありませんので、その辺を誤解しないように注意していただきたいと思います。
2. 国債への3つの投資方法
先の解説において債券に対する投資は、安全性が高い旨について記述させていただきましたが、実際に国債に投資する方法として「個人向け国債」「利付国債」「国内債券ファンド」の3つの方法があります。
以下、それぞれについて簡単に解説を進めていきます。
個人向け国債について
個人向け国債とは、その名の通り個人投資家専用に発行される国債のことを言います。
個人向け国債は、大きく「固定金利3年満期タイプ」「固定金利5年満期タイプ」「変動金利10年満期タイプ」の3つの種類に分けられ、最低購入単位は1万円、中途換金は一定期間が経過した後に可能といった特徴があります。
個人向け国債は、銀行や郵便局などでも購入することができます。
利付国債について
利付国債は、個人向け国債と異なり、誰でも購入することが可能の国債になります。
利付国債は、満期が2年、5年、10年に分けられ、金利は固定金利、最低投資金額は5万円からとなっていることから、個人投資家からすると、個人向け国債の方が投資しやすく、馴染み深い国債であると思われます。
国内債券ファンド
国内債券ファンドとは、日本国債を含めた債券を集めた投資信託のことを言います。
国債だけでなく、公社債など他の債券と合わせて販売されているのが特徴で、先に解説した2つの国債に比べても価格変動のリスクが生じます。
ただし、積立投資で国内債券ファンドを長期的に低利回りで運用したとしても、期待できるリターンは先に解説した2つの国債に比べて大きいのは明らかです。
積立投資の場合、ネット証券で口座を開設することで、1ヶ月あたり500円から積立投資を始められる特徴もあるため、試しに、国内債券ファンドをネット証券の口座を開設して購入し、積立投資を始めてみるのも良いでしょう。
3. 個人向け国債と国内債券ファンドを比べてみた
ここでは、先に解説をした「個人向け国債」と「国内債券ファンド」の特徴を表にまとめて比較していきます。どちらの債券に投資をするのが、自分に合っているのか確認してみることをおすすめ致します。
個人向け国債と国内債券ファンドを比べてみた
項目 | 個人向け国債 | 国内債券ファンド |
---|---|---|
投資物 | 日本国債 | 日本国債と公社債などの他の債券を含んだ詰め合わせ |
商品数 | 固定3年・固定5年・変動10年がある | 様々なファンドがある |
満期 | 3・5・10年のいずれか | ファンド次第。(無期限のものもある) |
金利・利回り | 0.05%~ | ファンド次第(1~3%程度) |
元本保証 | あり(デフォルトを起こさない限り) | なし |
中途解約 | 1年間は中途解約不可。それ以降は、中途解約可能。 | いつでも売却可能。 |
中途解約・ペナルティ | 利子の2割相当額が差し引かれます。 | なし。 |
購入単位 | 1万円以上1万円単位 | 証券会社により500円から購入可能。 |
自動積立 | 不可 | 可 |
手数料 | なし | あり |
個人向け国債は、原則として元本保証がされるほか、手数料もかからないため、ほぼノーリスクで資産運用ができます。
ただし、得られる金利は、実際に選んだ個人向け国債の種類によって銀行の定期預金とさほど変わらない場合もあるため、ケース・バイ・ケースでの運用が必要となります。
逆に「国内債券ファンド」は元本保証もなく、信託報酬などの手数料(コスト)もかかってしまいますが、積立投資のような長期の時間をかけて資産運用を継続することで、結果として低リスクで思い描いているリターンを期待することができるという特徴があります。
つまり、現在保有している資産を減らしたくないのであれば「個人向け国債」を、資産を増やすために、低リスクであったとしても投資をしたいのであれば「国内債券ファンド」を選ぶようにするべきでしょう。
4. 管理人は国内債券ファンドに投資することをオススメします!
個人向け国債や国内債券ファンドのいずれかに投資するのかは、個々の投資目標や考え方で決定されるべきものです。
しかしながら、たとえば、老後生活の資金を形成するために長期的に資産運用をするという目的におきましては、銀行に定期的な貯金をしたり、個人向け国債を購入した際の利払い分を得たとしても、充分な資産形成をすることは極めて難しいと思われます。
この理由は、言うまでもなく金利が微々たるものであり、リターンがわずかであるという実態があるほか、目に見えない税金が徴収されているため、結果として受け取る分が少ないためです。
長期的な資産運用は、個々の投資目標や考え方で決定されるべきものであるものの、将来のリターンや運用効率をはじめ、何よりも最終的な目標を達成することができるための資産運用でなければ、そもそも運用を行う意味がありません。
このようなことを考慮した時、最終的な目標を達成するためには、少ないリスクを取りながらも、期待できるリターンを得るための国内債券ファンドに投資することを管理人はオススメします。
5. 国内債券ファンドを選ぶときにチェックすべき3つのポイント
国内債券ファンドは、株式ファンドと比べて価格の値動きが小さい分、安定しているのが特徴の投資信託です。
実際に、リーマン・ショックやギリシャ・ショックといった世界的に大きな打撃をあたえるきっかけが起きたときでも、安定した運用成績を残しており、積立投資のような長期的に資産運用する方法では、約10年程度の時間をかけて、従来の価格に戻ってきたという事実もあります。
このような理由や安定した分散投資の観点からも、国内債券ファンドにも投資をするべきだと考えることができます。
以下、国内債券ファンドを選ぶときにチェックして欲しい「コスト(手数料)」「償還日」「分配金」といった3つのポイントについて解説を進めていきます。
コスト(手数料)
積立投資を行っていく上で「コスト(手数料)」は、必ず発生するものになります。
一例として、投資信託を購入した時にかかる「購入時手数料」、運用会社などに対して支払う「信託報酬」、投資信託を売却した時にかかる「信託財産留保額」などがあります。
通常、国内債券ファンドの手数料は、株式ファンドよりも低い特徴があり、信託報酬も大体1%をきるものが多い傾向にあります。
仮に積立投資で運用益を上げることができたとしても、国内債券ファンドはリターンが少ない特徴があるため、確実に差し引かれる前述した手数料は、できるだけ安いものを選ぶようにしなければ手元に多くの運用益が残らないことになります。
この辺にあらかじめ注意が必要であり、具体的に積立投資を行っていく上では、購入時手数料(販売手数料)は「ノーロード=無料」のものを、信託報酬はできる限り安いものを選ぶのがポイントです。
参考 積立投資で運用成績を上げるには手数料の安さが肝
償還日
償還日とは、大まかに解説しますと「いつまで投資をすることができるのか?」ということになります。
たとえば、積立投資のように長期の期間をかけて徐々に資産形成をする投資手法において償還日が定まっているものは、自分が思い描いている資産運用や運用結果を得られない可能性が高くなってしまいます。
そのため、積立投をするにあたり「償還日は無期限のものを選ぶ」ようにしてください。
償還日が無期限に設定されていることで、積立投資のメリットである「複利のパワー=複利効果」を充分に活かすことができ、将来的に大きな資産形成をできることに繋がります。
分配金
投資信託には、大きく「分配型」と「再投資型」「無分配型」という3つの種類の投資信託に分けられる特徴があり、分配型は、一定期間が経過するごとに分配金を得られるタイプの投資信託になります。
投資家の多くの皆さまは、一定期間ごとにお金を得られる「分配型」の投資信託を選ぶ方が多い傾向にあります。
しかしながら、長期の時間をかけて目標とする資産形成をするのであれば、分配型ではなく「再投資型」もしくは「無分配型」を選ぶことが鉄則になります。
この理由は、毎月積立した元本と運用益を再度、投資に充てることによって、分配金を受け取る場合に比べて、最終的に受け取れる金額に雲泥の差が生じるためです。
すでに触れた「複利のパワー=複利効果」と「長期間」という2つを大きく活かすことによって、積立投資で目標としている資産形成をすることができることを踏まえますと、強みを十分に活かせない投資というのは、運用効率が悪いことを意味します。
目先のお金に捉われず、最終的に受け取れる金額をシミュレーションするなどの対策が大きなポイントになります。
6. オススメ国内債券ファンドはこれだ!
最後に、管理人がオススメする国内債券ファンドの銘柄について紹介していきます。
管理人がおすすめする国内債券ファンドは、「ニッセイ – <購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンド」もしくは「三井住友・日本債券インデックスファンド」になります。
どちらのファンドも信託報酬が低く、ニッセイ – <購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンドは0.162%、三井住友・日本債券インデックスファンドは0.1728%となっています。
償還日も無期限で、分配金も再投資型ですので、先に解説したようなポイントを満たしており、初心者が積立投資をするときにはオススメのファンドです。
なお、信託報酬などのコストは、変動することがありますので、必ずそれぞれのホームページなどで内容を確認するようにして下さい。
7. まとめ~積立投資では国内債券ファンドにも投資を!国内債券ファンドのメリット・デメリットを解説~
本記事では、国内債券および国内債券ファンドに焦点をあてて、概要を中心に幅広く解説を進めさせていただきましたが、本記事のまとめにて、国内債券ファンドのメリットおよびデメリットについて、箇条書きで紹介していきます。
国内債券ファンドのメリット
- 積立投資で長期的に安定した資産運用が可能
- ローリスク・ローリターンであるものの、長期の資産運用で大きな資産形成も可能
- 月々500円という少額から投資をすることが可能なため、投資負担が軽い
国内債券ファンドのデメリット
- 確実に資産形成できるわけではない(元本割れする可能性がある)
- 信託報酬などのコストがかかる
- 期待リターンが低いため、目標とする資産形成が許容投資金額で達成できない可能性がある
積立投資は、年齢や投資目標に合わせて商品選びをすることがとても大切ですが、20代・30代・40代といった年齢では、国内債券ファンドで守りに入るのは、積立投資の強みを最大限に引き出せていないと考えることもできます。
限られた長期の時間を遡ってやり直すことはできないわけですから、与えられた長期の時間を強みとして活かせるのは「若い内だけ」であることを理解しておく必要があります。
これを理解した上で、攻めながら守る投資をしつつ、守りの1つとして国内債券ファンドを購入することを管理人はおすすめしたいと思っています。
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