積立投資は、投資信託を毎月一定金額や一定数量購入するのに対して、株式累積投資は、「るいとう」とも呼ばれ、毎月定額で株式を購入する投資方法のことを言います。
通常、株式投資をするのには、まとまった投資資金が必要となりますが、積立投資や株式累積投資の場合は、まとまったお金が手元になくとも投資を始められるメリットがあります。
では、投資信託を毎月購入して行う積立投資と株式を毎月定額で購入する株式累積投資では、どちらの投資を始めるのが良いのでしょうか?
本ページでは、株式累積投資(るいとう)の特徴と、投資信託での積立投資をする場合との比較について解説を進めていきます。
1. 株式累積投資(るいとう)とは低価格でできる株式の積立投資です。
株式累積投資とは、毎月定額で株式を購入する投資方法のことを言い、俗に「るいとう」とも呼ばれます。
株式累積投資は、いわば、「株式の積立投資」と考えることもできますが、投資信託を積立購入する積立投資とは、異なる点が様々あります。
こちらにつきましては、「3.「株式累積投資」と「投資信託」での積立投資を比べてみた」で比較表より解説を進めていきますが、まずは、基本的な知識として、株式累積投資(るいとう)のメリットおよびデメリットから確認していきましょう。
株式累積投資(るいとう)のメリットとは
株式累積投資(るいとう)のメリットは、少額の資金で株式を購入できるところにあります。
毎月定額で株式を買い続けることによって、株価が高いときは少しの株数だけ購入し、株価が安いときはたくさんの株数を購入することができることに繋がるため、結果として株式の平均買付コストを下げる効果が期待できます。
このような方法を一般に、ドル・コスト平均法と呼ばれ、資産運用のテクニックの1つであり、株式累積投資(るいとう)は、この方法を活かすことができるメリットもあります。
株式累積投資(るいとう)は、ジグソーパズルのピース(単元未満株)を、毎月ひとつひとつ買うようなイメージで、ピースが次第に増えていくことで、絵(単元株)が完成することにもなり、時には、ピースのまま売買することも可能です。
参考 SMBC日興証券 初めてでもわかりやすい用語集 株式累積投資/るいとう
株式累積投資(るいとう)のデメリットとは
株式累積投資(るいとう)のデメリットは、株主優待がない、手数料が割高、投資できる銘柄がすべてではなく決まっている、などがあげられます。
株式投資の最大のメリットは、株主優待や配当になると思いますが、株式累積投資(るいとう)で購入した単元未満株は、配当は受けられるものの、十分な配当は期待できず、運用益をあげるまでの時間が多くかかってしまうことが懸念されます。
これは、手数料が割高であるといった問題が大きいためです。
また、株主優待が受けられないということは、株主でありながら、株主でないと考えることもでき、単元株に達するまでの時間が多く要する場合があるほか、保有している株式を売却するタイミングも限定されているといったデメリットもあります。
2. 普通の株式投資と株式累積投資(るいとう)との違いをまとめてみた
株式累積投資(るいとう)について基本的な部分を理解できたところで、普通に株式投資をする場合と、株式累積投資(るいとう)をする場合とで、どのような違いがあるのかをまとめてみました。
項目 | 株式投資 | 株式累積投資 |
---|---|---|
売買単位 | 単元単位 | 金額に応じた単位 |
投資額 | 最低投資単位 | 金額単位 |
売買できる銘柄 | 国内・海外株式 | 証券会社指定の銘柄のみ |
取扱い銘柄数(※) | 4,511件 | 1,813件 |
購入場所 | 証券会社(ネット証券含む) | 店舗証券のみ |
手数料 | 安い | 高い |
売買タイミング | フリー | 月1回 |
株式の名義 | 投資家個人 | 証券会社 |
配当金 | 受け取れる | 受け取れる |
株主優待 | もらえる | もらえない |
(※)野村證券で取り扱っている取扱い銘柄数です(2017年7月調べ)
株式累積投資(るいとう)は、株式投資と比べて、株主としての権利を得ることはできませんが、毎月10000円といった株式投資にしては、かなりの少額から投資をすることができるため、まとまった投資資金が手元に無くても始められ、仮に、投資初心者であったとしても始めることができる株式投資と言えます。
一方で、普通の株式投資と比べますと、株式累積投資(るいとう)は、株式の名義が自分自身ではなく証券会社であることから、「株主優待」といって、株主のみに与えられる特典をもらうことができないほか、取り扱い銘柄が少ないことや手数料が割高である点は、「資産を殖やす」といった目的を踏まえた上でマイナスに作用します。
大まかに普通の株式投資と比べたとしても、株式累積投資(るいとう)は、このような様々な部分でデメリットも多いため、資産運用として選ぶ際には注意が必要です。
3. 「株式累積投資」と「投資信託」での積立投資を比べてみた
積立投資をするときの、もう1つの代表格的な金融商品が「投資信託」です。
「投資信託(ファンド)」とは、一言でいえば「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」です。
出典 一般社団法人投資信託協会 そもそも投資信託とは?より一部引用
投資信託は、様々な種類のおかずが入った幕の内弁当に例えられることも多く、国内や海外の市場で取引されている株式をはじめ、債券、不動産などの金融商品を1つのセットにしたものです。
投資信託のセットに入る金融商品は、ファンドマネージャーと呼ばれるプロが選択することになりますが、この時、経済情勢や市場の動きを見ながら運用益が上げやすいものを選ぶことになるほか、タイミングによって入れ替えも行われることから、投資信託は、日替わり幕の内弁当のようなイメージと考えることもできるでしょう。
投資信託の基本的な内容を解説したところで、先に解説した株式累積投資(るいとう)との違いをまとめた表は以下の通りです。
項目 | 株式累積投資 | 投資信託 |
---|---|---|
売買単位 | 金額に応じた単位 | 1ファンド単位 |
取扱い対象 | 単一株式 | 複数の株式・債券・REITが詰まったファンド |
投資額 | 10,000円~ | 100円~ |
売買できる銘柄 | 証券会社指定の銘柄のみ | 取扱い会社指定の銘柄のみ |
取扱い銘柄数(※) | 1,813件 | 2,472件 |
購入場所 | 店舗証券のみ(ネット証券は不可) | 証券会社・銀行・ネット証券など |
手数料 | 高い | 安い |
自動売買タイミング | 月1回で設定可 | 月1回+年2回のボーナス月で設定可 |
株主優待 | もらえない | もらえない |
(※)野村證券で取り扱っている取扱い銘柄数です(2017年7月調べ)
株式累積投資(るいとう)も投資信託も、いずれも「積立」による資産運用ができるのは確かですが、仮に、投資初心者の方がこれから資産運用を始めるのであれば、管理人の考えとして「投資信託の積立投資」をオススメします。
この理由としては、株式累積投資(るいとう)に比べて「少額からできること」「手数料が安いこと」「資産分散がしやすく、安定した資産運用ができること」といった理由があげられるためです。
投資信託の積立は、株式累積投資(るいとう)に比べて少額からできる
株式累積投資(るいとう)は、1ヶ月あたり最低でも10000円から始められるのに対して、投資信託を積立で始める積立投資の場合は、1ヶ月あたり最低で100円から始められるため、どのような投資であるのか試してみるには、積立投資の方が大きな抵抗を感じることがないメリットがあります。
1ヶ月の積立投資の金額は、いつでも任意で変更が可能であるため、極端な例えではありますが、1ヶ月100円から積立投資を試しに始めてみることで資産運用の雰囲気を経験するのには、株式累積投資(るいとう)よりも投資信託を積立投資する方が良いと考えることができます。
投資信託の積立は、株式累積投資(るいとう)に比べて手数料が安い
一般に、株式投資を行うためには、まとまった投資資金が必要であることから、誰でも手軽に始められるような投資ではありません。
しかしながら、株式累積投資(るいとう)は、証券会社の名前を借りて株式投資を積み立てて投資を行うことになりますので、その分、手数料が高くなるのは当然のことだと考えられます。
一方、投資信託の積立の場合は、株式累積投資(るいとう)に比べて手数料が安いことに加え、対面型の銀行や証券会社で積立投資を行うよりも、ネット銀行で積立投資を行う方が、圧倒的に手数料を安く済ませられる特徴があります。
手数料をとにかく安く抑えることは、資産運用および資産形成を成功させる上で鉄則になります。
投資信託の積立は、株式累積投資(るいとう)に比べて安定している
株式累積投資(るいとう)も投資信託の積立も、積立しながら少しずつ資産運用していることに変わりはありませんが、株式投資なのか投資信託なのかといったことに変わりはありません。
そのため、株式投資は、ハイリスク・ハイリターンである一方、投資信託は、自分で選んだ銘柄によってローリスク・ローリターンからハイリスク・ハイリターンを選べるため、資産運用が株式投資に比べて安定しています。
投資目的や投資目標といったものによっては、株式累積投資(るいとう)の方が適切な資産運用である可能性も決して否めませんが、できる限りリスクを抱えないことや長期的かつ安定した資産運用と資産形成を望んでいるのであれば、投資信託の積立投資の方が株式累積投資(るいとう)よりも適切な投資手法であると考えられます。
4. どうしても株式累積投資(るいとう)をしたいなら「プチ株」からはじめよう
これまでの解説を踏まえた上で、それでも株式累積投資(るいとう)をしたい場合は、カブドットコム証券の「プチ株」から始めてみることをおすすめ致します。
カブドットコム証券の「プチ株」とは、株式の取引単位に満たない(単元未満株)1株から売買することができるサービスのことを言います。
通常、株式投資は、100株や1,000株といった決められた取引単位(単元)でなければ売買することができないため、カブドットコム証券の「プチ株」を利用することで、1株から株式を購入することができ、株主になれるメリットがあります。
ただし、株主に対して与えられる優待や議決権といったものは無いため、これらの株主特典を得たい場合には、コツコツ単元未満株を購入して単元株にする必要があります。
カブドットコム証券では、初めてプチ株を取引する人のために「プチ株7つの基礎知識」という案内をホームページで公開しておりますので、参考にされてみるのも良いでしょう。
株式累積投資(るいとう)と投資信託の積立のどちらを利用して資産運用をするのかは、ユーザーの皆さまの投資目的や投資目標によって分かれてくることになりますが、長期の安定した資産運用や手数料など総合的に考慮しますと、投資信託を積立投資する方に軍配が上がるのではと思われます。
5. まとめ ~株式の積立投資「株式累積投資」について解説。投資信託とどっちが良いのか?~
株式の積立投資にあたる「株式累積投資」と投資信託の積立のどちらが良いのか、様々な角度から解説をさせていただきました。
株式投資も投資信託も金融商品であり、どちらも元本割れをする可能性があるリスクを含んでおりますが、最終的には、ご自身の投資目的や投資目標によって意思決定されるべきものであることは確かです。
手元にまとまったお金が無いものの、どうしても株式投資を始めることで、株主になりたい場合には、株式累積投資(るいとう)を始めてみるのが良いでしょう。
逆に、安定した資産運用やより確実な資産形成を行いたいと考えている場合には、長期の時間をじっくりとかけて資産運用を行う積立投資が適していると考えられます。
いずれにしましても、株式累積投資(るいとう)や積立投資の特徴をしっかりと理解した上で自分にはどちらが適しているか意思決定することが大切になりますので、念のため、本記事の比較表を再度見直しつつ、投資方法について検討されてみることをおすすめ致します。
楽天証券で積立投資をするなら、楽天カードを使うと超お得!
楽天証券で投資額を楽天カードで支払うと、投資額の1%が楽天スーパーポイントとして貯まります!しかも、今なら楽天カードの新規入会で5,000ポイント(5,000円相当)をプレゼント!ポイントで投資信託も購入できるので、積立投資を始めたい方には超お得ですよ!
楽天カードのお申し込みはコチラから>>>