投資信託を毎月少しずつ購入しながら資産運用を行う積立投資について、インターネット証券を通じて行う投資家の皆さんが多くなっています。
この理由は、積立投資にかかる手数料の安さをはじめ、ネット証券独自のサービスが多くの投資家の皆さんに受け入れられているからだと考えられます。
単にネット証券と言っても、現在では、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、カブドットコム証券など、様々なインターネット証券会社があり、特に、NISA(少額投資非課税制度)を始める場合は、原則として1人1口座までといった決まりがあることから、安易にネット証券を選ぶわけにもいきません。
実際のところ、NISAだけに限らず、ネット証券それぞれが取り扱っている投資信託の銘柄が異なっていることもあるため、証券会社の選び方は慎重に検討していかなければなりません。
本記事では、このような事情があることを踏まえまして、ネット証券の中でも「カブドットコム証券」に焦点をあてて、その特徴について幅広く解説を進めていきます。
1. 「プレミアム積立®(投信)」という名のサービスが売り
カブドットコム証券では、投資信託を積立投資(投信積立)するサービスを「プレミアム積立®(投信)」という名称で展開しており、投資信託だけに限らず、株式も少額から始められる投資サービスが大きな特徴です。
以下、プレミアム積立®の特徴について、カブドットコム証券のホームページを参考に紹介していきますが、現状におけるインターネット証券会社全体と比較しながら解説を進めていきます。
お持ちのスマホやタブレットからでも積立することができる
プレミアム積立®は、お持ちのスマートフォンやタブレットからでも積立をすることができますので、たとえば、外出中や思い立った時にすぐに積立設定がしたい場合などに柔軟に対応することが可能となっています。
また、プレミアム積立®は、シンプルな画面構成になっており「必要最低限の情報だけがほしい」「普段パソコンを使わない」という方には適しているサービスとなっています。
自分に合った積立投資のプランが設定できるものの、投資初心者には選びにくいかも
プレミアム積立®は、少額から積立投資ができるため、自分の投資目的やライフプランにあった資産運用をすることが可能です。

ただし、平成29年11月現在において取り扱い本数964本から、自分に合った投資信託を探すにあたり、見つけ辛いことに加え、条件設定画面で絞り込むにしても、投資初心者の方や投資信託について詳しくない方でなければ、絞り込み検索が上手く使えず、使いにくい印象をどうしても受けてしまいます。
たとえば、人気のファンドを購入するといった投資方法は、決して良いこととは言えませんが、カブドットコム証券で売れている投資信託について紹介することは、少なくとも投資初心者の方からすると、参考になることは確かでしょう。
インターネット証券で積立投資(投信積立)を行うということは、基本的にはすべて自己責任で資産運用することに繋がりますから、参考となる情報が少なく、どのような銘柄を選べば良いか分かりづらいことは、残念ながらユーザビリティに劣ると言わざるを得ません。
他社、インターネット証券会社では、すでに、このようなサービスが展開されていることから、この辺につきまして、カブドットコム証券では、残念ながらユーザビリティに劣っていると考えられます。
500円から投資をすることができるものの、優位性は保たれていない
プレミアム積立®は、毎月500円以上1円単位の少額から積立投資(投信積立)を行うことができますが、SBI証券や楽天証券といった、他のインターネット証券会社では、1ヶ月あたり100円から始められる仕組みになっていることから、残念ながら優位性は保たれていないのが現状です。
充実した自動通知サービスが利用できる
プレミアム積立®は、気になる投資信託や残高情報などを知らせてもらえる「自動通知サービス」というものがあるのですが、約定通知はもちろん「気になるファンドの基準価額が、○○円以下になったら」、「保有するファンドの評価額が、○○円以上になったら」、「1日前からの騰落率が○%以上上昇したファンド一覧を通知」などなど、自動通知サービスが充実しています。
インターネット証券全体から見た時に、似たようなサービスが他社でも展開されていることから、独自のサービスとは言い難いのは確かですが、ユーザビリティに優れているサービスであると考えられます。
積立は手間いらずの自動引落が可能
プレミアム積立®で資産運用するための積立代金は、銀行預貯金口座から自動引落(口座振替)で利用することができるほか、カブドットコム証券の証券口座(預り金)からでも引き落としが可能です。
こちらは、言うまでもありませんが、どこのネット証券でも当然に行われており、むしろ積立投資(投信積立)では当たり前のサービスになっていることから、特徴と言うには極めて難しいものがあります。
2. カブドットコム証券の強みはどこにあるのか
これまで、プレミアム積立®の特徴について、カブドットコム証券のホームページを参考に紹介させていただきましたが、他のネット証券と比べて独自の優位性というものが残念ながら見られないことが確認できました。
では、カブドットコム証券の強みはどこにあるのか、積立投資(投信積立)に限定しないで確認していきたいと思います。
プチ株で株式投資ができる
カブドットコム証券では、プチ株®といったサービスを展開しており、こちらを利用することで上場株式の単元未満株を積立投資として売買できるサービスがあります。
プチ株®は、毎月500円以上1円単位で積立設定することができ、本来ならばまとまったお金が必要な株式投資を少額かつ幅広い積立プランを立てて行うことができます。
なお、プチ株®に似たような投資としてミニ株や株式累積投資(るいとう)といったものがありますが、これらとの違いは以下の通りです。
大きなポイントとして、購入したプチ株の名義人がご自身になること、買い増しによって単元株になることがあげられます。
なお、単元株を持つということは、株主となることを意味し、株主になると、配当金や株主優待がもらえる、議決権などが行使できるといった株主の権利を得ることに繋がります。
一般に、株は1株でも持っていると株主とされますが、株主に与えられているすべての権利を得るためには1単元以上持つ必要があり、プチ株®で少しずつ積立買付することによって、単元未満株を単元株にすることができるという特長があります。
たとえば、1単元100株だとしますと、100ピースのパズルの一部をプチ株®で毎月積立購入し、100ピース購入が完了すると1株という株式が完成するといったイメージです。
プチ株®の手数料は最大50%割引
プチ株®を購入する場合、所定の手数料がかかることになっておりますが、積立する回数に応じて手数料が下がっていき、最大で50%の手数料が割引されるサービスになっています。
出典:カブドットコム証券 プレミアム積立®(プチ株®)の手数料は最大50%割引
積立投資は、投資信託や株式に限らず、毎月投資をする都度発生する手数料は大きなロスになります。
プチ株®を購入する都度発生する手数料以上の利益を得なければ、手元に入るお金が増えることはありませんので、この辺のリスクとリターンの関係性をしっかりと理解した上で資産運用を行う必要があります。
なお、投資信託には、ノーロードと呼ばれる購入時手数料(販売手数料)が無料の投資信託がありますので、確実に発生するロスを抑えるためには、このような細かい部分も検討することが大切になります。
フリーETFなら売買手数料が無料
フリーETFとは、カブドットコム証券が指定した16銘柄のETFの売買手数料(現物/信用)を無料とするカブドットコム証券オリジナルサービスのことをいいます。
そもそもETFとは、上場投資信託のことをいい、主な特徴としては、運用管理費が安く収益性が高いといったことがあげられます。
後述するNISAおよびつみたてNISAのいずれの制度を活用するのかによって大きな違いが生じるものの、仮に運用管理費用が安いETFを利用して資産運用をしたい場合、指定銘柄は限られておりますが、カブドットコム証券なら、売買手数料が無料で投資をすることができるメリットがあります。
参考:カブドットコム証券 フリーETF(手数料無料上場投信)
3. NISAを活用するのか、つみたてNISAを活用するのかよって判断を変えるべき
カブドットコム証券で積立投資をする場合、投資信託で積立をするのか、プチ株®で積立をするのかによって、NISAおよびつみたてNISAの活用判断を変えるべきだと管理人は考えています。
平成30年1月より制度が開始される「つみたてNISA」は、投資対象が投資信託に限られており、さらに、積立投資(投信積立)で行わなければならないルールとなっているため、仮に、つみたてNISAを活用するのであれば、カブドットコム証券でつみたてNISA口座を開設するメリットが見出せないように思われます。
一方で、プチ株®で積立を行い、主に株式投資をメインにしたいと考えている方であれば、NISAが取引対象となっていることから、カブドットコム証券でNISA口座を開設して行うメリットはあると考えられます。
重要な注意点として、NISA口座およびつみたてNISA口座は、1人1口座の開設がルールとなっていることから、カブドットコム証券で口座を開設した場合、他の証券会社等では新たに開設をすることができないことに加え、NISA口座およびつみたてNISA口座は、併用することができないため、いずれか一方を選択して決定しなければなりません。
このような理由から、どの金融商品で資産運用をするのかに応じて、カブドットコム証券を選ぶのか、選ばないのかについて慎重に検討をする必要があると管理人は考えています。
4. 銀行預貯金口座からの自動引落が使える金融機関を紹介
出典:カブドットコム証券 プレミアム積立®(投信) 自由に選べる決済サービス
日本の3大メガバンクとされる、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3社をはじめ、ゆうちょ銀行など、多くの方がいずれかの銀行口座を持っていると思われることから、利便性は高いと見ることもできるでしょう。
一方で、SBI証券や楽天証券などのように、同じグループの銀行と証券会社を連携することによって受けられるサービスというものが見当たらないことから、ユーザビリティといった側面から考えますと、残念ながら優位性に劣ってしまうと思われます。
5. まとめ ~カブドットコム証券の特徴を解説~
本記事では、カブドットコム証券の特徴について解説を進めてきましたが、積立投資で投資信託を購入するのであれば、カブドットコム証券を選ぶ優位性が残念ながら見られないため、SBI証券や楽天証券など、ユーザビリティに優れているネット証券会社を選ぶことをおすすめしたいと考えます。
ただし、NISAを活用しながらプチ株で株式投資を始めたいという考えであれば、カブドットコム証券を選んでみるのは良いと思います。
少なくとも投資する金融商品が、投資信託なのか株式なのかによってカブドットコム証券を利用する、利用しないといった選択の仕方はどうしても必要になってくると思われるほか、何よりも、同社ホームページを見ていきますと、売り(強み)が投資信託より株式であることが感じられます。
将来に渡って、カブドットコム証券のサービスが、積立投資(投信積立)を希望している皆さまに対してユーザビリティに富んだものになる可能性もあるとは思いますが、平成29年12月現在におきましては、他社ネット証券に軍配が上がるといった見方は揺るぎそうにありません。
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