iDeCoは、老後の生活資金を準備するための制度のことをいいますが、iDeCoを始める際に選んだ運営管理機関(金融機関)が主に取り扱っている、定期預金、保険、投資信託といった金融商品をご自身で自由に組み合わせて資産運用するといった特徴があります。
この時、iDeCoを始める前に、ご自身で組み合わせた資産配分を「ポートフォリオ」と呼び、ポートフォリオをあらかじめ考えることは、iDeCoで最終的に形成したいお金を考える上でとても大切なことになります。
そこで本記事では、iDeCoにおけるポートフォリオの組み方について、年代別の様々な組み方について参考例を紹介していきたいと思います。
1. ポートフォリオを考えることは、「自分に合った資産運用のスタイル」を考えること
冒頭では、iDeCoを始める前に、ポートフォリオをあらかじめ考えることは、iDeCoで最終的に形成したいお金を考える上でとても大切なこととお伝えさせていただきました。
つまり、ポートフォリオを考えることとは、自分が取れるリスクを知ることであり、自分に合った資産運用のスタイルを考えることであるといえます。
自分が取れるリスクは、「リスク許容度」と呼ばれることもありますが、一般的に以下のような状況にある方というのは、リスク許容度が高くなるといわれています。
- 高収入
- 未婚
- 共働き
- 子どもがいない
- 安定した仕事についている
- 資産を多く持っている
- 持ち家がある(ローンを抱えていない場合)
- 投資経験や知識がある
上記の項目にあてはまっている数が多ければ多い程、リスク許容度が高いことから、ハイリスク・ハイリターンの積極的な資産運用が可能であると推測される一方、上記の項目にあてはまる数が少ない場合は、ローリスク・ローリターンの安定した資産運用が向いているといった判断をすることができます。
ただし、これらの判断は、あくまでも大まかなものであり、iDeCoで資産運用をする本人の考え方や性格などといったものも考慮されて決定するべきものになることは確かです。
そのため、「リスクを取ってでも大きなリターンを得たい」や「できる限り損をしたくない」といった本人の考え方によって、リスク許容度の高低に関わらず資産運用の仕方が変わってくる場合もあることを意味します。
2. ポートフォリオを考える前に、目標金額、投資金額、利回りを確認しておこう
iDeCoは、1年間で拠出した掛金が全額所得控除になることから、節税をしながら老後の生活資金を準備できることは確かですが、ただ漠然とiDeCoに加入することは決して良い方法とはいえません。
そのため、iDeCoに加入しポートフォリオを考える前に、まずは、最終的な目標金額、1ヶ月に拠出する投資金額、利回りを確認しておくことが大切です。
たとえば、年収400万円の30歳会社員が、iDeCoで老後の生活資金を準備すると決め、最終的な目標金額を2,000万円、1ヶ月に拠出する投資金額を20,000円、利回りを5%とした場合、30歳から60歳までの30年間で形成できる資産は、以下のように計算されます。
出典 楽天証券 iDeCo節税メリットシミュレーションより管理人試算
この場合、30年間で16,645,173円の老後資金を準備することができるといった概算計算結果になっており、これに対して「十分」といった考えを持っている方、「足りない」といった考えを持っている方など、本人の考え方は様々です。
仮に、これで十分だといった方であれば、ポートフォリオの参考として以下のように、投資資産を組み合わせてみるのもおすすめです。
出典 モーニングスター iDeCo 目標利回りに合う資産配分を考えるより引用
上記イメージ図のポートフォリオで、1ヶ月あたり20,000円を拠出するのであれば、以下のような投資配分になります。
- 国内株式型 5,000円
- 外国株式型 5,000円
- 国内債券型 5,000円
- 外国債券型 5,000円
なお、iDeCoは、現在就いている職業などによって、1年間で拠出することができる金額に上限が設けられているほか、必ずしも加入することができる制度とは限らないこともあるため、この辺も併せて確認しておくことが大切です。
ちなみに、先に紹介した形成金額について「足りない」と感じられている方であれば、掛金を増額する、利回りを高くして積極的な資産運用をする、つみたてNISAとiDeCoを併用するなどといった各々の考えと工夫をすることが求められます。
3. iDeCoで選んだ株式・債券ファンドの投資配分によってリスクやリターンが変わる
iDeCoで選んだ国内や海外の株式ファンドおよび債券ファンドによって、リスクやリターンが変わることになるため、自分で決めたポートフォリオが、直接、リスクとリターンに関係することを意味します。
投資信託(ファンド)の種類におけるリスクとリターンのイメージは、以下の通りです。
出典 モーニングスター iDeCo 目標利回りに合う資産配分を考えるより引用
上記図のように、金融商品別に「債券型」と「株式型」に分けられ、債券型は、ローリスク・ローリターンである一方、株式型は、ハイリスク・ハイリターンといった特徴があります。
また、日本国内は外国に比べてリスクやリターンが低めといった特徴もあることから、それぞれの特徴を理解した上で、自分に合ったポートフォリオを組むことが大切です。
さらに、投資信託(ファンド)には、インデックスファンド、アクティブファンド、バランスファンドといった種類に分けられ、それぞれのファンドが持っている特徴も大きく異なることから、これらのファンドの特徴も知っておく必要があります。
内容 | インデックスファンド | アクティブファンド | バランスファンド |
---|---|---|---|
リスク | 低め | 大きめ | 低め |
リターン | 小さめ | 大きめ | 小さめ |
手数料 | 低い | 高い | 低いものから高いものまで様々 |
このように、iDeCoで選んだ商品の組み合わせ方によって、最終的な資産形成金額はもちろん、リスクとリターンも大きく変わることになります。
4. 参考 年代別のポートフォリオの組み方を考えてみた
iDeCoでポートフォリオを考えるということは、これまでに解説したような個別の内容をご理解いただいた上で、自分は、iDeCoでどのように資産形成したいのか明確にしておくことが大切です。
本項では、参考例として、20代から50代までの年代別にiDeCoで資産運用を行う際のポートフォリオについて、ローリスク・ローリターン、ミドルリスク・ミドルリターン、ハイリスク・ハイリターンの3つに分けて紹介していきます。
20代のポートフォリオ
20代は、iDeCoの加入資格が無くなる60歳になるまで30年以上といった長い時間があるため、この時間をいかに有効に活用して「時間を金に変えられるのか」が大きなポイントになります。
20代のポートフォリオ ローリスク・ローリターン

20代は、iDeCoで資産運用をすることができる時間が長いことから、株式型の投資信託を含めつつ、元本確保型と呼ばれる定期預金や保険で資産運用をするよりも、債券型の投資信託を資産配分した方が効果的だと考えられます。
20代のポートフォリオ ミドルリスク・ミドルリターン

国内と外国の株式と債券をバランス良く組み入れて資産運用をすることによって、20代であれば長い資産運用期間が、資産形成金額に大きく影響することになります。
資産運用が上手くいけば、投資元本の倍以上のお金を手にすることも十分可能です。
20代のポートフォリオ ハイリスク・ハイリターン

株式型の投資信託が70%を占めるほか、外国REITも含んでいるため、かなり積極的な資産運用であると考えられます。
毎月20,000円ずつ35年間の資産運用で3,000万円以上のお金を形成することができる可能性もあります。
30代のポートフォリオ
30代は、様々な場面でお金が入り用な時がある一方で、将来のお金も貯めておきたい世代であることから、資産運用は、極度に守り過ぎないことを推奨します。
30代のポートフォリオ ローリスク・ローリターン

20代のローリスク・ローリターンのポートフォリオと同じになっていますが、iDeCoで資産運用をしている間に生じる手数料等を考慮した際に、資産が目減りしないようにするために、あえて元本確保型の商品ではなく、債券で資産運用をすることをおすすめ致します。
30代のポートフォリオ ミドルリスク・ミドルリターン

とてもわかりやすいシンプルなポートフォリオである一方で、インフレ、デフレのほか、円高、円安といったどのような値動きに対しても柔軟に対応することが可能です。
30代のポートフォリオ ハイリスク・ハイリターン

株式メインの資産運用で、30代からの投資元本を倍にする積極的な資産運用のポートフォリオになります。
外国株式や外国債券を新興国ではなく、先進国を選択することでリスクを減らすような対策を取っておきたいものです。
40代のポートフォリオ
40代は、iDeCoの資産運用が終了となる折り返し地点の世代であることから、20代や30代のような積極的な資産運用は減らしながらも、無理なく、じっくり、資産形成できるようなポートフォリオを検討しておくべきでしょう。
40代のポートフォリオ ローリスク・ローリターン

iDeCoには、元本確保型と呼ばれる定期預金と保険がありますが、投資資産の半分は、元本確保をキープしながら、残りの半分で資産運用をする方法になります。
国内株式で資産運用したお金をいかに活かせるのかがポイントになりますが、国内株式を外国株式に変えてみるのも一策です。
40代のポートフォリオ ミドルリスク・ミドルリターン

バランスの取れたポートフォリオとなっているものの、資産配分全体の6割が守り、4割が攻めの配分となっています。
リスクを多少取れる人であれば、30代と同じような4資産均等のバランスでの資産運用も一策でしょう。
40代のポートフォリオ ハイリスク・ハイリターン

30代と同じポートフォリオを想定しておりますが、外国株式と国内株式の比率を逆にする方法などで、30代におけるハイリスク・ハイリターンのポートフォリオを少し変化させるのも一策です。
40代前半であれば、30代と同じようなポートフォリオで資産運用しても良いと考えますが、iDeCoで資産運用する本人の状況や考え方に併せてケースバイケースで対応することをおすすめ致します。
50代のポートフォリオ
50代は、iDeCoの資産運用が終了となるまで、数年間しかないことから、これまで資産形成してきたお金を減らさないようにキープしておくことが、最低条件として求められます。
なお、50代のポートフォリオ ハイリスク・ハイリターンでの資産運用は、不適切であることから、ポートフォリオの紹介はありませんので、あらかじめご留意下さい。
50代のポートフォリオ ローリスク・ローリターン

株式が一切組み入れられていない、超安定型ポートフォリオになっていることが確認できます。
iDeCoで生じる毎月の手数料分が債券による資産運用で確保できるかが1つのポイントになりますが、この辺が確保できないようであれば、あえて国内株式か海外株式をわずか加えるのも一策です。
50代のポートフォリオ ミドルリスク・ミドルリターン

50代は、これまでのiDeCoで形成した資産を守ることを最優先で考える必要があることは確かですが、先に紹介した超安定型ポートフォリオよりもこちらのポートフォリオの方が断然おすすめできます。
あくまでも、現状の資産をキープしながら、iDeCoで資産運用する際にかかる手数料分は、しっかりとまかない、かつ、最後まで資産運用を継続しながら、お金が増える可能性を持たせるようなポートフォリオを構築しておく方が効率的だと考えられます。
5. まとめ
本記事では、iDeCoにおけるポートフォリオの組み方について、年代別の様々な組み方について参考例を紹介させていただきました。
iDeCoの最終的な資産形成金額は、ご自身が考えたポートフォリオの組み方や選んだ金融商品によって決定することになるため、すべては自分のやり方次第ということになります。
本記事で紹介した年代別のポートフォリオは、あくまでも参考例となりますので、年代を問わず、ご自身の考えを最優先で考えながら資産運用をすることをおすすめ致します。
とても極端な例ではありますが、とにかく今は大きく資産形成をしたいといった考えであるのであれば、iDeCoのバランスファンドを1本だけ購入して、それに投資するのもシンプルかつ分散した投資ができることから、とてもおすすめです。
ご自身でポートフォリオを考えるのが面倒な方にとっては、良いバランスファンドを1本選んで、それにのみ投資するのも決して悪くはない方法です。
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