iDeCoは、現在就いている職業や勤務先が企業年金制度を導入しているか、いないかなどの様々な条件によって加入することができる、できないといった区別がされるほか、加入できる金額にも違いがあります。
また、iDeCoに加入することで実際に受けられる恩恵(効果)といったものも、前述した内容によって異なってくることから、iDeCoへ加入する前にどの程度の効果が認められるのかシミュレーションし、確認しておくことが望ましいとされています。
本記事では、iDeCoに加入する方をあえて「無職」とし、無職の場合におけるiDeCoの取り扱いや注意点、およびデメリットといったことに焦点をあてて幅広く解説を進めていきます。
1. iDeCoへ加入するための大前提(ルール)を知ろう
はじめに、iDeCoは、2017年(平成29年)1月1日から法改正された内容が施行されることになったのに伴い、「ほぼ」すべての方が、iDeCoへ加入することができるようになりました。
このことから、iDeCo公式サイトでは、手間を省くために「カンタン加入診断」というシステムを設けることで、そもそも自分はiDeCoに加入することができるのか確認ができるようになっています。

ただし、実際に「カンタン加入診断」を管理人が活用して「無職」はどうなのか調べてみますと、初めてiDeCoに加入する方からしますとわかりづらい部分がありましたので、以下、無職の場合の取り扱いについて解説を進めていきます。
無職の方がiDeCoへ加入できる条件
無職の方がiDeCoへ加入するための条件には、以下の条件を満たしている必要があります。
- 年齢が20歳以上60歳未満であること(国民年金の被保険者になっていること)
- 現在、無職の場合は、過去に国民年金保険料の未納や免除期間がないこと
国民年金保険料の免除又は猶予を受けている方は原則、加入できません。また、企業型確定拠出年金の加入者の場合、事業主が企業型確定拠出年金規約を変更しなければならないなどの諸条件がありますので、詳しくは運営管理機関などにご相談ください
出典:iDeCo公式サイト カンタン加入診断 まずはカンタン加入診断からより引用
年齢制限につきましては、ご理解に問題がないと思いますが、注意しなければならないことは、「現在、無職の場合は、過去に国民年金保険料の未納や免除期間がないこと」です。
公式サイトの解説では、「国民年金保険料の免除又は猶予を受けている方は原則、加入できません」としておりますが、ここには、国民年金保険料の未納も含まれます。
つまり、現在、無職の場合は、「これまでの国民年金保険料をすべて納付していなければiDeCoに加入することができない」といったとてもハードルが高いものになっているわけです。
付け加えますと、無職であれば、毎月の国民年金保険料をご自身で負担しなければならないことを意味し、平成29年度は、1ヶ月あたり16,490円を滞ることなく納め続けていなければ、iDeCoに加入することができないことになります。
一般に、無職の場合は、経済的な余裕がないことが多いことを踏まえますと、iDeCoへの加入よりも以前に、国民年金保険料を毎月滞ることなく納め続けていくのも大変だと考えられることから、やはり、優先すべきは、iDeCoへの加入よりも定職に就くことであるのは言うまでもないでしょう。
よくある疑問について紹介します
iDeCoに加入する場合やiDeCoに加入し資産運用をしている途中で、よくある疑問についてここでは2つ紹介していきます。
国民年金保険料の未納や免除期間がある人はすべてiDeCoへ加入できないのか?
先の解説で、iDeCoの公式サイトによると、「国民年金保険料の免除又は猶予を受けている方は原則、加入できません」となっておりますが、では、会社員や公務員、専業主婦(夫)などの方で、過去にこれらの履歴があった場合は、iDeCoに加入することはできないのか?といった疑問が生じます。
結論から申し上げますと、会社員や公務員、専業主婦(夫)の方がこれらの履歴があったとしてもiDeCoに加入することは可能です。
言葉足らずの解説ではありますが、国民年金保険料の免除、猶予、未納をされている方でiDeCoに加入できない方というのは、自営業者、無職、フリーランス、学生などといった国民年金の第1号被保険者と呼ばれる人たちが該当します。
したがいまして、会社員や公務員などの第2号被保険者や専業主婦(夫)が該当する第3号被保険者に該当する方々につきましては、国民年金保険料の免除、猶予、未納といった履歴があったとしてもiDeCoに加入することができるわけです。
こちらの疑問につきましては、iDeCoの管理機関へ直接電話をして尋ね、回答を得たものとなりますが、理由までは聞かなかったものの、不思議な取り扱いだと感じるのは管理人だけでしょうか?
iDeCoへ加入している途中で無職になった場合は、どうすれば良いのか?
会社勤めなどでiDeCoに加入している途中で、突然の解雇や倒産などによって無職になられる方や離職をして無職になられる方などもおられると思います。
このような場合に、それまでやっていたiDeCoはどうなるのか?といった疑問を持たれる方が多くおられますが、この場合、退職後の状況によってその後の対応が全く異なる特徴があります。
そのため、運営管理機関(金融機関)にまずは尋ねることが重要ですが、ここでは「無職になったとき」とあることから、この場合における解説を詳細に伝えていきます。
iDeCoに加入している場合で無職になった時は、「移換手続」と呼ばれる手続きを自分で行わなければなりません。
移換手続とは、ざっくり解説しますと元の運営管理機関(金融機関)に対してiDeCoの加入者資格喪失届の手続きというものを行い、その後、移換先の運営管理機関(金融機関)に変更届を出すことになります。
無職になったことで、引き続きiDeCoの加入条件を満たしていれば、引き続きiDeCoの加入者として資産運用を継続するか、運用指図者といって新たに掛金を出すことなく、金融商品の運用だけを行うかを選ぶことになります。
いずれの場合におきましても、自分で運営管理機関(金融機関)を選びiDeCoへの引き続きの加入手続きか運用指図者としての手続きかどちらかの手続きを行わなければなりません。
この時、確実に注意しなければならない重要なことは、前述した手続きは、「転職や離職による加入喪失から6ヶ月以内に行わなければならない」といった期限があることです。
もしも、この6か月以内の手続きを行いそびれてしまった場合は、「自動移換」されることになってしまい、これまで資産運用してきたものが資産運用されずに手数料だけが取られていくといった最悪な事態に陥ることになります。
つまり、形成した資産が増えずにどんどん減少していくことになり、何のためにiDeCoへ加入しているのか、その目的を見失うことになるわけです。
こちらは余談ですが、iDeCoへ加入している方の実に4割近くは、このような状態に陥っているとも言われていることを踏まえますと、いかに加入者に対するデメリットを周知できていないかということも浮き彫りになるのではないでしょうか?
2. 無職の方へiDeCoをオススメできない4つの理由
これまでの解説から、無職の方がiDeCoへ加入することが少なからず難しい部分があることが確認できました。
とはいえ、仮に、現在、無職でiDeCoへ加入することができる条件が整ってあったとしても、無職の方に対してiDeCoをオススメできない4つの理由について解説を進めていきます。
掛金や年金を負担する経済的な負担が重くなる
無職の状態でiDeCoへ加入するということは、毎月のiDeCoに加入する掛金と国民年金保険料をどちらも負担しなければなりません。
毎日の生活にお金がかかる中で、収入が無いということは、通常、貯蓄を切り崩すことや家族に負担をかけることになりますので、その中で、これらをいずれも継続していくことは難しいものがあると考えられます。
掛金の全額の所得控除を活かすことができない
iDeCoの最大のメリットは、老後のお金を貯めながら節税をすることができるといったところにあります。
無職の場合ですと、基本的に収入がない、もしくは、低収入であるため、税金がかかることは基本的に考えづらく、結果、iDeCoに加入することで得られる掛金の所得控除を全く活かすことができません。
60歳までお金を引き出すことができない
iDeCoは、老後のお金を貯めるための制度であることから、原則として60歳になるまでお金を引き出すことができない決まりになっています。
そのため、無職の立場であれば、急にお金が必要になることも多々あると考えられるものの、お金を引き出すことができないため、安定した収入が入ってこない無職にとっては大きなデメリットになります。
口座を持っているだけで手数料が取られていく
iDeCoに加入すると、口座の維持管理手数料や移換手数料といった様々な手数料が発生することになるため、無職でお金がなく、一時的にiDeCoを使わない期間があった場合でも、手数料が徴収される点には注意が必要です。
特に、「1-2-2.iDeCoへ加入している途中で無職になった場合は、どうすれば良いのか?」で解説した内容は、非常に重要な内容であることから、再度、読み直していただき、わからない場合は、iDeCoに加入している運営管理機関(金融機関)へ確認することを忘れないようにするのを強くおすすめします。
3. iDeCoではなくNISAやつみたてNISAを選ぶという選択肢もある
これまでの解説より、無職の場合は、iDeCoに加入することや継続加入して引き続き掛金を拠出することは難しいと感じられた方も多いのではないでしょうか?
しかし、無職という立場上、iDeCoに加入して老後のお金を貯めることよりも優先すべきことがあると誰もが予測できるわけでありますから、本記事中でも触れましたように、まずは、定職に就くことが先決だといえます。
また、NISAや平成30年1月より制度が開始されるつみたてNISAで資産運用をしている場合などにおきましては、無職の状態では、十分な資産運用を継続していくことは難しいと考えられる一方で、必要な時に現金へ換金することができる点は、iDeCoに比べて利便性に優れています。
資産運用をする上で大切なことは、余裕資金の範囲内で行うことや投資金額のバランスになりますが、併せて、お金をいつでも現金化することができるといった「流動性」についても考えておく必要があります。
突然の解雇や倒産などによって無職になられる方、離職をして無職になられる方など様々な事情がきっかけで無職になられることがあると考えられる一方、このような万が一のリスク回避対策としてNISAやつみたてNISAを活用して投資をするといった選択肢も持っておきたいものです。
iDeCoは、節税効果に優れ、老後のお金を貯めるといった「目的」には、非常に長けており、現行制度の中では、「最高」と言っても決して過言ではありませんが、お金を引き出すことができないといった流動性については、最高のデメリットであることも確かです。
だからこそ、時には、iDeCoではなく貯蓄をはじめNISAやつみたてNISAといった資産運用が必要な時もあり、いわばバランスを考えることが非常に重要になってくるのです。
4. まとめ ~無職ではiDeCoを使うメリットがない。iDeCoをやるべきではない理由を解説~
本記事では、iDeCoに加入する方をあえて「無職」とし、無職の場合におけるiDeCoの取り扱いや注意点、およびデメリットといったことに焦点をあてて幅広く解説を進めさせていただきました。
無職の方が、iDeCoに加入するメリットをあえて伝えるのであれば、将来の老後資金が貯められるといった理由が当然にあてはまりますが、本記事中で解説をさせていただきましたように、無職(国民年金の第1号被保険者)になったことによって、そもそもiDeCoに加入する資格が無くなる方も大勢おられます。
したがって、そもそもiDeCoに加入したくとも加入できないといったことも十分に考えられるものの、やはり経済的な余裕がないと考えるのが一般的でしょう。
ただし、「1-2-2.iDeCoへ加入している途中で無職になった場合は、どうすれば良いのか?」で解説をさせてもらったように、無職になった場合は、6ヶ月以内に移換手続きを行うことだけは絶対に忘れないようにしましょう。
これは、取り返しのつかない大きな落とし穴であると認識しておく必要があることを、iDeCoに加入している方、これからiDeCoに加入される方は肝に銘じておく必要が確実にあると管理人は考えます。
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