積立投資とは、毎月ご自身が決めた一定金額分の投資信託等を購入して資産運用をする投資のことを言いますが、現在、積立投資を効率よく活用するための投資制度として、つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用した積立投資がトレンドになっています。
この理由として、積立投資が、将来のまとまったお金を無理なく形成できるところにあるほか、税金対策としてのメリットが受けられる部分にあり、若年者を中心に、広く多くの方のニーズを満たせているためだと考えられます。
現状、積立投資を始めるには、つみたてNISAやiDeCoといった投資制度を活用しながら始めるのが「基本中の基本」なのですが、銀行や証券会社をはじめ、インターネット証券会社といった金融機関で無料の投資用口座の開設をする必要があります。
そこで本記事では、積立投資を始める際にイオン銀行で口座開設をすることはどうなのかについて、同社の特徴を紹介しながら徹底分析していきたいと思います。
イオン銀行 サービス概要
はじめに、イオン銀行のサービス概要について表にまとめて紹介していきます。
なお、本記事は、積立投資をすることについて解説をしていることから、積立投資に関係する項目に限定してまとめておりますので、あらかじめご留意ください。
投資信託の 取扱本数 |
通常 | 250本 |
---|---|---|
つみたてNISA | 20本 | |
iDeCo | 24本 | |
最低投資額 | 1,000円〜 | |
投資タイミング | 毎日 | × |
毎週 | × | |
毎月 | ○(毎月15日) | |
各月 | × | |
複数日 | × | |
自動引落し | ○(イオン銀行普通預金口座) | |
カード払い | ☓ |
イオン銀行でオススメの投資信託と取扱い状況
イオン銀行で投資をすることができる投資信託の内、それぞれのタイプにわけてオススメできる銘柄と取り扱いの有無について紹介します。
■オススメ投資信託の取扱い状況
積極投資タイプ(ハイリターンを希望するガンガン系) | |
---|---|
ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | × |
三井住友TAM-SMT グローバル株式インデックス・オープン | × |
三菱UFJ国際-eMAXIS先進国株式インデックス | × |
慎重派タイプ(過去の投資実績など、安定性を気にする系) | |
ニッセイ-ニッセイ日経225インデックスファンド | × |
三井住友-三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド | × |
ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド | × |
三菱UFJ国際-eMAXIS TOPIXインデックス | × |
全部おまかせタイプ(運用などすべてお任せ。お手軽投資系) | |
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) | × |
野村-野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型 | × |
三井住友-三井住友・DC年金バランス30(債券重点型) | × |
三井住友-三井住友・DC年金バランス50(標準型) | × |
大和-ダイワ・ライフ・バランス30 | × |
大和-ダイワ・ライフ・バランス50 | × |
1.イオン銀行は、購入手数料をWAONポイントで50%還元、NISAなら100%還元される
イオン銀行で購入手数料がかかる投資信託を購入した場合、実際に負担した購入手数料(販売手数料)の50%がWAONポイントで還元される特徴があります。
ただし、上記のポイント還元を受けるためには、以下の条件をすべて満たしていなければなりません。
- WEBを活用した投資信託の購入であること
- 購入時手数料(税込)も含めて、総額30万円以上の購入であること
- 電子交付サービスの登録を完了していること
なお、電子交付サービスとは、イオン銀行からお客さまに交付する各種報告書類を、紙媒体(郵送)に代えてWEB上で閲覧、ダウンロードする等の方法によって交付するサービスのことを言います。
NISA口座で購入した場合は100%還元される
NISA口座で購入手数料(販売手数料)がかかる投資信託を購入した場合は、支払った購入手数料(販売手数料)の100%がWAONポイントで還元される特徴があります。
なお、還元されるWAONポイントは、3月・6月・9月・12月の各月末で締め、翌月17日に付与されることになっています。
総合的に考えたときにメリットはあるのか?
イオン銀行で購入手数料のある投資信託を購入することによってWAONポイントで50%還元され、NISAなら100%還元されることを紹介しましたが、総合的に考えた時にメリットはあまりないと言えそうです。
以下、この理由について、それぞれ個別に解説を進めていきます。
1つ目の理由 つみたてNISAは、ポイント付与の対象外
つみたてNISAで投資をすることができる投資信託は、すべて購入手数料が無料であるものに限られているため、そもそも購入手数料がかからない投資信託を購入したとしてもWAONポイント付与の対象外となります。
2つ目の理由 購入時手数料(税込)も含めて、総額30万円以上
WAONポイントを50%還元されるためには、購入時手数料(税込)も含めて、総額30万円以上の投資信託を購入していなければならず、これは、初めて投資信託を購入する側にとってみると極めて不利な条件であることは確かです。
実際のところ、ほかの金融機関では、前述したような条件が無い状態で100%手数料が還元されるところもあるため、目に見える部分で良いと判断する前に他の金融機関と比較検討することが大切だと言える典型的パターンとも言えます。
2.定期預金+投資信託で銀行金利が最大年7%「しっかり運用セットNEO」
しっかり運用セットNEOは、投資信託と定期預金をセットで申込むと、申込総額に占める投資信託の割合により、定期預金に特別金利を適用されるサービスのことを言います。
出典 イオン銀行 しっかり運用セットNEOより引用
こちらも先に解説をしたWAONポイントの還元サービスと同じように、詳しくサービス内容を見ていくと、はたして本当に良いサービスであるのか疑問を持たなければならない部分が見えてきます。
この理由について、しっかり運用セットNEOの3つのプランを確認しながらどの部分に懸念が持たれるのか見ていきましょう。
しっかり運用セットNEOの3つのプランと懸念理由
出典 イオン銀行 しっかり運用セットNEOより引用
上記のプランを見ますと、どのプランもデメリットがないことは確かですが、しっかり運用セットNEOの申し込みは、「投資信託と定期預金をセットで総額50万円以上」で申し込みをしなければ適用になりません。
つまり、50万円以上のお金をイオン銀行へ投じなければメリットが得られないことになるため、積立投資を毎月少しずつ始めたい方のニーズとは、大きくかけ離れているものと思われます。
また、見た目的には魅力的なサービスに見えるものの、定期預金の預入期間は3ヶ月限定されているところも注意が必要でしょう。
少なくとも、積立投資をするときに活用するべき、つみたてNISAは、しっかり運用セットNEOとは関係がないため、現状では、これから積立投資をされる方にオススメできるサービスとは言えません。
3.イオン銀行での積立投資は、1,000円から投資信託を買うことができる
積立投資をすることが可能な最低投資金額は、それぞれの金融機関によって異なりますが、イオン銀行では、最低投資金額は1,000円からとなっています。
ちなみに、対面型の銀行で店舗がある三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行、三井住友銀行などは、店舗で購入する場合は、最低投資金額が5,000円や10,000円からというケースが多くなっています。
一方で、SBI証券や楽天証券といった主要なインターネット証券会社では、最低投資金額が100円から始められるようになっており、投資初心者でもお試し感覚で始めやすいメリットがあります。
ただし、積立投資の本来の目的は、長い時間をかけて毎月積立投資をすることによって、将来のまとまったお金を準備するところにあるため、毎月100円や1000円といった金額を積立続けたとしても納得できるお金が貯められないのは確かでしょう。
このようなことを考えた時、最低積立投資金額は、金融機関選びの判断材料になるとは言えず、ポイントになるのは、投資信託を取り扱っている種類や豊富さ、その他のサービスといった点が大きなポイントになることも確かです。
4.イオン銀行でつみたてNISAを始めるイメージを考えてみる
本記事の冒頭では、積立投資を始めるには、つみたてNISAやiDeCoといった投資制度を活用しながら始めるのが「基本中の基本」であることをお伝えしました。
そこで本項では、これまで解説したイオン銀行の特徴を下に、イオン銀行でつみたてNISAを始めるイメージを考えていきたいと思います。
4-1.イオン銀行でつみたてNISAを始める場合は、20本の中から選ばなければならない
つみたてNISAで投資をすることができる投資信託には一定の条件があり、現状では、約150種類程度の銘柄がつみたてNISAの投資対象ファンドに設定されています。
イオン銀行では、その内の20種類の中から選ばなくてはならないことを意味しており、投資目的や投資対象国、投資目標などを総合的に考えた時、率直にファンドを選びにくいデメリットがあります。
仮に、これら20本のファンドが極めて優れているファンドであるならば何も問題がないのですが、実際にイオン銀行で販売されているつみたてNISA対象ファンドよりもパフォーマンスの良いファンドは、まだまだたくさんあるため、イオン銀行でつみたてNISAを始めるメリットが見出せないのが率直なところです。
4-2.イオン銀行推しのサービスが受けられない
イオン銀行の特徴として、WAONポイントの還元、しっかり運用セットNEOについて解説をしましたが、仮に、イオン銀行でつみたてNISAを始めた場合、これらイオン銀行推しのサービスが受けられないデメリットがあります。
1つ目のWAONポイントの還元につきましては、購入時手数料がかかる投資信託を購入しなければそもそも還元が受けられないことになっておりますが、つみたてNISAで投資をすることができるファンドは、すべて購入時手数料が無料です。
これは、つみたてNISAへ投資することができるファンドのルールで決められており、どの金融機関でも共通していることになります。
そのため、イオン銀行でつみたてNISAを始めたとしても、WAONポイントの還元サービスは受けられないことになります。
2つ目のしっかり運用セットNEOは、「投資信託と定期預金をセットで総額50万円以上」で申し込みをしなければ適用になりませんが、つみたてNISAの投資金額は、年間で40万円以下に抑えなければならないルールがあります。
そのため、しっかり運用セットNEOを適用できる条件を満たすことができず、イオン銀行でつみたてNISAを始めたとしても、こちらのメリットも受けられません。
4-3.イオンへのお買い物ついでに365日いつでも相談できるのはメリットとは言えない
イオン銀行では、イオンへの買い物ついでに365日いつでも相談できることを売りとしておりますが、まずもって言えることとして、すべてのイオンの店舗にイオン銀行の窓口があるわけではないことがあげられます。
つまり、最寄りのイオンにイオン銀行の窓口がなければ、365日いつでも相談することができないことになります。
また、これまで解説を踏まえますと、イオン銀行で積立投資やつみたてNISAの商品を選ぶ上で直接イオン銀行の窓口で相談をしたとしても、手数料やパフォーマンスの悪い商品を売られてしまう懸念も否めません。
確かに、身近なところで相談できるというのは、1つのメリットと考えることもできますが、相談する担当者の知識量や人間性などにも大きく左右されることになるため、仮に、相談をしたとしても、即決せずに、いったん持ち帰って比較検討することが必須と言えるでしょう。
5.まとめ
イオン銀行で積立投資を始めることは、イオン銀行のサービスやファンドの取り扱いなどを含めて、投資家側にメリットが得られにくいことがわかりました。
実際のところ、銀行や証券会社よりも身近な存在であるイオンで、投資ができたり、すぐに相談できることを含めると魅力的に感じる部分もあるかもしれません。
ただし、幅広くイオン銀行のサービスやつみたてNISAやiDeCoといった投資制度を含めて検討しますと、サービス内容としては魅力的なところはなく、少なくとも、つみたてNISAで積立投資をする上で、今のところ、イオン銀行は選んではいけない金融機関であると思われます。
今後、イオン銀行のサービスやつみたてNISAで販売されるファンドに変化があった場合は、選ぶべき金融機関に変わる可能性も否めませんが、残念ながら現状では選ばない方が無難な金融機関であることは確かでしょう。
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