積立投資は、長期の資産形成に向いていると言われる投資手法であり、長い期間を費やして続けていくことで、小さなリスクで大きな資産形成ができる特徴があります。
念のため、申し添えておきますが、積立投資は、ローリスク・ハイリターンな投資なのではなく、長い時間をかけて継続して積立投資を続けていくことで、ローリスクで大きなお金を得られるといった期待ができる投資であるという意味になります。
しかしながら、現状では、投資信託を始めてから2年や3年で資産運用を止めてしまうといったデータもあるようで、積立投資の最大の魅力を活かしきれていない方が多いのも現状です。
そこで本記事では、仮に、積立投資を30年という長期間に渡って継続して続けることで形成できる資産についてシミュレーションし、ユーザーの皆さまに分かりやすく紹介していきたいと思います。
1. 積立投資を30年間続けるとどれくらいの資産形成をすることができるのか?
早速ではありますが、積立投資を30年間続けた場合に、どれくらいの資産形成をすることができるのか?といったことについてシミュレーションした一覧表を以下、掲載させていただきます。
投資額・利回りごとの資産形成表
投資額 | 総投資額 | 利回り | |||
---|---|---|---|---|---|
1% | 3% | 5% | 10% | ||
5,000円 | 1,800,000円 | 2,098,141円 | 2,913,684円 | 4,161,293円 | 11,302,440円 |
10,000円 | 3,600,000円 | 4,196,282円 | 5,827,369円 | 8,322,586円 | 22,604,879円 |
30,000円 | 10,800,000円 | 12,588,846円 | 17,482,107円 | 24,967,759円 | 67,814,638円 |
50,000円 | 18,000,000円 | 20,981,411円 | 29,136,844円 | 41,612,932円 | 113,024,396円 |
100,000円 | 36,000,000円 | 41,962,822円 | 58,273,688円 | 83,225,864円 | 226,048,792円 |
たとえば、積立投資で1ヶ月あたり30,000円を投資したと仮定し、利回りが低リスクと言われる3%で資産運用した場合、30年後の資産形成金額が17,482,107円となり、積立元金にあたる10,800,000円から差し引きした6,682,107円が30年間の積立投資で得ることができた運用益といった見方になります。
低リスクと言われる利回りで、無理をすることなく資産運用を続けることで、大きな資産形成ができる理由は、30年間という長い時間をかけることによって投資元金と運用益を再投資することによってお金が大きく育つ仕組みができているためです。
いわゆる「複利効果」が、この仕組みにあたりますが、次項では、長期間に渡って資産運用することによって生じる複利効果の違いについて比較して見ていきたいと思います。
2. 積立投資の肝は「長期間」「複利効果」「再投資」
積立投資で大きな資産形成をするためには、「長期間」「複利効果」「再投資」といった3つのポイントが重要であり、どれか1つのポイントも欠かすことはできません。
このことを証明するために、前項の「投資額・利回りごとの資産形成表」から一部を抜粋して資産形成金額を比較してみます。
1ヶ月の積立金額 | 30,000円 | 50,000円 |
---|---|---|
積立投資期間 | 30年 | 20年 |
利回り | 3% | |
積立投資元金 | 10,800,000円 | 12,000,000円 |
最終的な資産金額 | 17,482,107円 | 16,415,100円 |
運用益 | 6,682,107円 | 4,415,100円 |
一般的に考えますと、1ヶ月の積立金額が多い方が、より多くの資産形成ができると考えるはずです。
しかしながら、比較表を見て確認できますように、投資額は月々50,000円ずつ投資した方が多いにも関わらず、最終的な資産額は月々30,000円を投資した方が多くの資産を形成することができています。
つまり、このような結果から推測できることは、積立投資で資産形成をするためには、毎月の投資金額だけでなく、投資した期間もとても重要なポイントになると考えられるわけです。
そして、この投資した期間に得た運用益は、都度、受け取るのではなく、再度、投資元金と共に「再投資」することによって、大きな複利効果による資産の増加が要因であるとも考えられます。
たとえ、積立投資にかける金額が少なかったとしても、「長期間」「複利効果」「再投資」という3つのポイントをすべて活かすことで、大きな資産形成をすることが誰にでもできるわけです。
3. 積立投資を30年継続する投資目的を考えてみる
積立投資を30年継続する投資目的を考えた時、真っ先に思い浮かべるのが「老後の生活資金の確保」だと思います。
積立投資は、長期の資産形成に非常に向いている投資手法でありますから、老後の生活資金を確保するといった投資目的で始めることは投資手法と投資目的がマッチングしていることから、積立投資の特徴をしっかりと把握することで誰でも大きな資産形成をすることができます。
平成29年9月現在において、豊かな老後生活を送るためには、3,000万円必要と言われておりますが、将来の消費増税や年金支給開始年齢の引き上げといったことなどが現実になった時、はたして豊かな老後生活は3,000万円で済むのか?といった問題も生じるのではと予測します。
ここでは、参考までに、豊かな老後生活に必要な3,000万円というお金を積立投資で資産形成するものとし、30年間継続した場合、毎月いくらずつ積立投資をしていけば良いのかを表にまとめてみました。
30年間積立投資をして3,000万円を目指す場合、利回りごとに毎月いくら必要か?
利回り | 1% | 3% | 5% | 10% |
---|---|---|---|---|
投資額 | 71,492円 | 51,481円 | 36,046円 | 13,271円 |
仮に30歳から60歳までの30年間、積立投資をすることができる場合、毎月5万円ずつ、利回り3%で資産運用することで約3,000万円の資産形成ができるといった表の見方になります。
人によって積立投資に回すことができる1ヶ月の上限金額に異なりはありますが、たとえば、1ヶ月あたり20,000円までが投資の上限だとするならば、利回りの高い投資信託で資産運用する方法や積立預金などと併用して足りない分を目標金額に設定するなどの工夫が必要になります。
ちなみに利回り3%というのは、ローリスク・ローリターンとされる分類になりますので、大きなリスクを取りたくない場合は、これを1つの目安として、積立投資をはじめてみるのも良いでしょう。
4. 30年にこだわらないエンドレスな積立投資を考える大切さを知ろう
積立投資は、若い内から時間をかけて資産運用することで大きな資産形成をすることができますが、30年といった期間にこだわらず、エンドレスで積立投資を継続していく考え方を持つことを強くおすすめしたいと管理人は思っています。
たとえば、平成29年9月現在において国民年金や厚生年金保険が支給される年齢は「原則として65歳」となっておりますが、この年齢に達するまでに大きな資産形成をするというのがこれまでに解説した考え方です。
しかしながら、公的年金の支給を受け続けながら、若い内から積立投資で築き上げてきた資産を「徐々に取り崩していく」といった方法もあるはずです。
将来の老後生活を心配することで、無理をしたり窮屈な生活を続けながら資産運用をすることは決して正しい方法ではありません。
そのため、豊かな老後生活を送ることができなくても、毎日、お金に困らない老後生活を送るために、今からある程度まとまったお金を積立投資で資産形成し、年金の支給と積立投資で築いた資産の取り崩しと、可能であれば貯蓄を取り崩しながら賢い老後生活を送るといった選択肢を持つことも時には必要だと思います。
この方法は、積立投資に多くのお金を投じることができない方やとにかく安定した資産運用がしたいと考えている方向けの方法となりますが、無理をすることなく自分のペースで継続できる点は大きなプラスになると管理人は考えます。
なお、こちらは余談となりますが、少しずつ積立投資で築き上げた資産を取り崩しながら資産運用を続けることで、資産が減りにくくなることに加え、万が一、ご自身が死亡した場合は、その積立投資の資産は、配偶者や子どもといった相続人に相続されることになりますので、老後だけに留まらず、財産として残して上げられることも知っておきたいものです。
参考 積立投資 相続のリンクへ飛ばしたら良いのではと考えております
5. 積立投資は長期間で資産運用してメリットが得られるからこその注意点
積立投資は長期間に渡って資産運用することでメリットが得られるからこそ、あらかじめ注意しておかなくてはならないこともあります。
たとえば、先程のように老後の資産形成をするために「30年」という長期間を費やして積立投資をしたとしても、資産運用にバラツキがあって不安定な場合や、その他の理由で最終的に大きな資産形成が成されていなければ、そもそも長期間に渡って資産運用を続けた意味が無くなってしまいます。
1つわかりやすい例として、先に「2.積立投資の肝は「長期間」「複利効果」「再投資」」で解説したポイントの内、「再投資」を例に注意点を解説していきます。
年数 | 再投資型 | 分配型 | ||
---|---|---|---|---|
運用結果 | 分配金 | 残投資額 | ||
1年 | 107.0万円 | 107.0万円 | 5.4万円 | 101.7万円 |
2年 | 114.5万円 | 108.8万円 | 5.4万円 | 103.3万円 |
3年 | 122.5万円 | 110.9万円 | 5.5万円 | 105.4万円 |
4年 | 131.1万円 | 113.2万円 | 5.7万円 | 107.5万円 |
5年 | 140.3万円 | 115.4万円 | 5.8万円 | 109.7万円 |
6年 | 150.1万円 | 117.7万円 | 5.9万円 | 111.8万円 |
7年 | 160.6万円 | 120.1万円 | 6.0万円 | 114.1万円 |
8年 | 171.8万円 | 122.5万円 | 6.1万円 | 116.4万円 |
9年 | 183.8万円 | 124.9万円 | 6.2万円 | 118.7万円 |
10年 | 196.7万円 | 127.4万円 | 6.4万円 | 121.1万円 |
11年 | 210.5万円 | 130.0万円 | 6.5万円 | 123.5万円 |
12年 | 225.2万円 | 132.6万円 | 6.6万円 | 126.0万円 |
13年 | 241.0万円 | 135.2万円 | 6.8万円 | 128.5万円 |
14年 | 257.9万円 | 137.9万円 | 6.9万円 | 131.0万円 |
15年 | 275.9万円 | 140.7万円 | 7.0万円 | 133.7万円 |
16年 | 295.2万円 | 143.5万円 | 7.2万円 | 136.3万円 |
17年 | 315.9万円 | 146.4万円 | 7.3万円 | 139.1万円 |
18年 | 338.0万円 | 149.3万円 | 7.5万円 | 141.8万円 |
19年 | 361.7万円 | 152.3万円 | 7.6万円 | 144.7万円 |
20年 | 387.0万円 | 155.3万円 | 7.8万円 | 147.6万円 |
21年 | 414.1万円 | 158.5万円 | 7.9万円 | 150.5万円 |
22年 | 443.0万円 | 161.6万円 | 8.1万円 | 153.5万円 |
23年 | 474.1万円 | 164.9万円 | 8.2万円 | 156.6万円 |
24年 | 507.2万円 | 168.1万円 | 8.4万円 | 159.7万円 |
25年 | 542.7万円 | 171.5万円 | 8.6万円 | 162.9万円 |
26年 | 580.7万円 | 174.9万円 | 8.7万円 | 166.2万円 |
27年 | 621.4万円 | 178.4万円 | 8.9万円 | 169.5万円 |
28年 | 664.9万円 | 182.0万円 | 9.1万円 | 172.9万円 |
29年 | 711.4万円 | 185.7万円 | 9.3万円 | 176.4万円 |
30年 | 761.2万円 | 189.4万円 | 9.5万円 | 179.9万円 |
出典 積立投資なら再投資型ファンドを選ぼう!再投資型のメリット・デメリットを紹介より引用
単刀直入に注意点は「分配型」ではなく「再投資型」を選ぼうということです。
30年間、積立投資を行って「分配型」か「再投資型」のどちらかの選択によって将来の資産形成金額に581.3万円の差が生じていることが、上記表から確認することができます。
分配型を選択し、分配金を受け取ることによって、積立投資の肝である「複利効果」も十分活かされず、結果として積立投資でしっかりと資産形成をするためのポイントを押さえた資産運用がされておらず貴重な時間を大きく無駄にしてしまったと言っても決して過言ではありません。
ここでは、分かりやすい積立投資の注意点として1つ紹介させていただきましたが、その他の注意点につきましても同サイト内で掲載されている注意点にかかる記事を参考にされることを強くおすすめ致します。
参考 積立投資 注意点(8月分)次回納品致しますのでリンク設定をお願い致します
6. まとめ ~30年間積立投資をする場合の資産形成について考える~
冒頭で、投資信託を始めてから2年や3年で資産運用を止めてしまうといったデータもあるといった現状をお伝えさせていただきましたが、30年間などのように長期間に渡って積立投資を継続していく最大の魅力について多くの皆さまが、本記事を通じてご理解できたと思います。
積立投資で資産形成するためには、良い銘柄の投資信託を選んで購入することもありますが、そもそも「基本」にあたる「長期間」「複利効果」「再投資」といった3つの肝をすべて活かした資産運用でなければ、ご自身が満足のいく資産形成をすることなどできません。
良い銘柄選びは確かに大切なことではありますが、順序だてて積立投資を考えた時、まずは、「長期間」「複利効果」「再投資」といった3つの肝について、どういったことなのか、それぞれ個別に詳しく学ぶことも必要になります。
それをしっかりと理解することができたら、いよいよ銘柄選びといったように、積立投資の基本的な部分からしっかり学び、ご自身の希望に沿った資産形成ができるよう頑張っていただければと思います。
参考 積立投資は長期間続けてこそ資産が増える!短期間での解約はオススメしません
参考 積立投資なら再投資型ファンドを選ぼう!再投資型のメリット・デメリットを紹介
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